これまでの経歴は?
大学卒業後、中部ガスグループに入社し社会人としてスタートを切りました。今のテクノシステムの親会社に配属となり、情報通信の仕事を手掛けることに。まだ、インターネットが普及する前ですから、電話・Faxが中心でした。そして1984年に設立したばかりのテクノシステムに出向しました。 30歳手前になって仕事や生き方に悩んでいた頃、サーラグループに海外留学制度があるのを知りました。年に1・2人をハワイのビジネススクールへ送っており、頑張って勉強して試験を受けたところ、意外にも合格。これが私にとって大きな転機になりました。 7カ月程ハワイのビジネススクールに留学し、その後ワシントンDCでの企業インターンを体験しました。スクールには、大手企業で働く人や他国からの留学生もたくさん参加しており、その人たちから多くの刺激を受けました。帰国後、ビジネススクールで知り合った人に勧められたインターネットプロバイダ事業を会社に提案したところ、OKが出たので1996年に「サーラインターネット」立ち上げました。事業としては上手くいっていましたが、10年後に売却しました。この事業を通して、様々なことを学ぶことができ、その後の事業展開にも非常に役立っていますね。 その後、2000年にテクノシステムの代表取締役常務に就任いたしました。
ビジネスで大切にしていることは?
「作らないで儲ける」ことが重要だと考えています。エンジニアはモノづくりの人間なので作るのが好きですが、ビジネスの観点からすればできるだけ作らない方が得策なんです。作ったら何かしら問題が発生する可能性が生じ、時にはリスクになってしまいます。私たちはシステム屋ですから、クライアントの課題を解決しなければなりませんが、必ずしもイチから物を作る必要はないと考えています。 エンジニアは技術を持っているからそれを生かそうとしますが、私はシステム屋でありエンジニアではありません。技術がないから独自の視点でシステムを考え、毎回作らなくても大枠を作っておいて、カスタマイズすればクライアントの課題を解決できると考えました。 さらに確固たるビジネスモデルを構築することで、エンジニアを守ることができると考えています。エンジニアが安心してモノづくりに励むためには、私が「作らないで儲ける」を念頭に収益性のあるビジネスを展開することが重要だと思っています。
テクノシステムの経営理念は?
人を大事にする会社というのは譲れません。地域に密着した企業体であるサーラグループ全体の理念でもある「雇用の創出・維持」には私たちも賛同しています。「Ask not what our company can do for us, ask what we can do for our company.」というのが当社の社員の基本スタンスです。自分が会社や会社の仲間たちにどうやって貢献するかを常に意識し、行動する。会社はこうした社員のスタンスにどうやって応えていくかということですね。 仮に当社で働いた人間が転職したとしても、その先で一人前の人材として活躍できるように人としての力を育てたいと思っています。
趣味は何ですか?
月並みですがゴルフです。若いころに少しかじって、しばらく時間が取れないため遠ざかっていたのですが、年齢を重ねて運動不足を感じ、5年前にまたはじめました。会社に休眠状態のゴルフ部があったので活動を再開させ、会社の人間と一緒に月に1回ぐらいコースに出ています。 そのほかにも、ストレッチを10年ぐらい続けています。軽い筋トレも含めて、ほぼ毎晩20分ぐらい時間を設けています。ストレッチをはじめたら少し縮んでいた身長が元に戻りました。 ストレッチで身体を動かすのは、何も考えない時間にもなるし、逆に集中して考える時間にもなります。仕事や家族と少しだけ距離を取り、自分だけの時間にできる。瞑想にやマインドフルネス近いのかもしれませんね。
採用についての考えを聞かせてください。
新卒でも中途でも、採用にあたっては慎重に人物を精査します。採用した人材とは長い付き合いになるからです。目先のことを考えて採用しても、ミスマッチが発生していればお互いに不利益。そうならないためには、入り口でお互いに話し合って入社を決めたい。それは何も会社にとってだけではありません。応募者も自分の考え方や価値観をアピールして、自分に合う会社かどうか充分に検討してから入社してほしいですね。 まずはお互いの価値観を伝えあって、一緒に歩んでいけるか考えましょう。派手な会社ではないけれども、新しい領域にもチャレンジしながら、安定的な経営を続けています。IoTは今後もどんどん加速し、当社の役割も増えると予測されます。私たちよりも1歩先を歩む人材を歓迎しますし、2・3歩先を行く先進的なエンジニアにも活躍できるフィールドを用意できるように、ビジネスを進めていきたいですね。