株式会社ファンテクノロジー

「株式会社ファンテクノロジー」は、本社を宇都宮に置き、機械・IT・電気で様々な業界の企画、研究、設計開発、製造及び販売を行う専門エンジニアリングベンチャー企業。
当社の社名は第一に社員が会社のFANであり、お客様にも『熱烈なFAN』になってもらえる魅力ある技術会社であり続けるよう強い信念のもと社名に『FAN』を掲げ、事業を通して社会に貢献している。

■ITソリューション事業部
ITソリューション事業部とは、製品開発・受託開発・技術派遣・及びDXを行っている事業部。
要件定義から設計、開発、システム導入、運用保守といった業務から、様々なアイディアを企画し、最新のテクノロジー知識を用いて実行に移すことで、より良い「ものづくり」が行えるよう努めている。
製品開発に関しては『社会問題をシステムで解決』をテーマに行っている。

■メカニカルソリューション事業部
『幅広い領域のものづくりを1社で対応』をモットーに、デザイン・設計・解析・試作・生産技術といったものづくりの工程の、受託開発と技術派遣を行っている。
自動車部品や建設機械、生産設備などの開発支援や、プラモデルなどの玩具やノベルティグッズの製品開発まで、幅広く対応している。

■ビジネスソリューション事業部
自社製品の開発・量産・販売などの『ものづくり』と、新たな事業・サービスなどの『ことづくり』を行っている。
国内生産のオリジナルフェイスシールドや教育教材の製造販売をしている。
また、当社独自の教育カリキュラムにて、お客様の基礎工学研修の委託事業も行っている。
最近では、社会貢献や地域貢献のため、小学生を対象に機械設計やプログラミングを教える、学習塾にも力を入れている。


3つの事業の距離が非常に近いこともあり、例えば何かのデバイスの筐体から基盤、組込みソフトまでの設計開発をワンストップで受託できる強みがある。それだけでなく、人材育成・活用においても、他の領域を手がけたくなれば配置転換を柔軟に行えるといったメリットも発揮している。

江田氏は、飲食業や青果市場、金融業などを経験後、23歳で人材派遣大手でエンジニア派遣の営業職に就いた（PRタブ参照）。営業力やリーダーシップを発揮し、1年半後に宇都宮支店長、その後エリア長、東日本統括部長ととんとん拍子に昇格。そこでリーマン・ショックが発生し、派遣していたエンジニアの整理解雇の一部に関わった経験を持つ。

「当時、1人も解雇せずに済んだ別の派遣会社がありました。その会社は、派遣だけでなく受託や試作などいろいろなサービスを持っていたのです。当時の私の勤務先は人材派遣しか行っていなかったので、切るしかなかった。もうこんな思いをしたくないと、受託サービスの確立に力を入れて取り組んだのです」（江田氏）

その後、景気回復とともに派遣ニーズも復調する。すると、外資系の資本が入った会社の上層部から「受託スタッフを利益率の良い派遣にシフトせよ」との命令が下ったという。
「それでは、逆戻りです。社員を大切にするビジネスに切り替えたかった私の思いはここでは叶えられないと、独立を決意しました」（江田氏）
そして、2012年11月、ファンテクノロジーを設立する。

江田氏が目指したのは、“ものづくり”の会社。派遣、受託開発の先にあるものは、自社開発だからだ。自社開発まで手がけられれば、40歳以降に派遣が難しくなった社員も、切ることなく培った経験を存分に活かせるポジションに就けられる。その理想に向かって、少しずつ若手の人材を集めて、まずは派遣、次に受託、とコツコツ技術力を蓄積していった。

「現在、自社サービスも開始し、さらに『アイデアコンテスト』で毎年のように面白い新規事業が生まれるようになっています。これからがとても楽しみな段階になりました」（江田氏）

社員に“ファン”になってもらう風土づくりとして根幹に置いているのは、前述のとおり“生涯働ける会社”にすること。

「40歳を過ぎて派遣先がなくなったからと退職勧奨を行うような会社が、好きになってもらえるはずがありません。ですから、未経験で入社しても派遣で力をつけ、その後年齢を重ねたら社内での開発、そして60代になっても教育係として技術伝承してもらいます。まだ社員には該当者がいないので、わざわざ自動車メーカーを定年退職した大ベテランのエンジニアを顧問としてお招きし、“校長先生”をやってもらって成果を上げています」（江田氏）

その“校長先生”などによる社内研修は、月1回4時間、全員が集まれる土曜日を利用する形で年間計画が組まれている。この日は方々の現場から社員が集まる機会ともなり、良い社内交流の場ともなっている。

『アイデアコンテスト』は、人材育成の機会に加え、ビジネスソリューション事業部で手がけるサービスのアイデアソースの場となっている。これまで、『生きているだけでほめてくれるアプリ』や『地域キャラクターの合体超合金ロボ』といったアイデアが特賞を受賞し、実製品・サービス化の検討が進んでいる。

なお、テーマは同社の3事業に関連するものでなくても構わない。例えば、『あらかじめ利用者の趣味を登録し、趣味別にリアル合コンをセッティングするサービス』の提案が特別賞を受賞している。審査基準としては、「世の中にないもの」「あったら、もっと便利で楽しいもの」といったことを置いている。

「自分のやってみたいことが限りなく実現しやすい環境を用意し、大いにモチベーションを高める機会にもなっています」と江田氏は言う。

同社では、クラブ活動も盛ん。現在、フットサル部や自動車部、光造形部、アウトドア部などが活動している。5名以上が集まり、会社のPRのために活動をSNSで発信することを条件に、会社公認として活動費を支給している。
社員思いの施策の一例として、残業を1分単位でつけていることが挙げられる。「法的には当然のことだが、切り上げさせている会社が大半では」と江田氏。

こうした諸施策により、冒頭で触れたとおり離職率1％以下を維持。その1％も「家業を継がなければならない」といった致し方ない事情によるもの。いかに社員を大切にしているか、何よりも物語っている数字だろう。

「やる気と素直ささえあれば、ポテンシャルで採用します。当社は3カ月の試用期間は現場に出さず、社内でみっちり教育をします。その間にどんな人物かがわかるので、余程のことがなければそのまま社員になってもらいます。当社の教育環境であれば、絶対に成長していけると確信しています」（江田氏）

コロナの影響で当社の派遣先でも急な休業等、コロナの影響等があっても給料を100%保証したり、感染対策をした上でエンジニアが安心して永続的に働ける環境構築に本気で取り組んでいる。

同社は宇都宮本社だけでなく、東京にもオフィスを構える。「成長したい」「長く働き続けたい」「最後の転職にしたい」と考える人は、ぜひアクセスしてほしい。