株式会社不動産SHOP ナカジツ

愛知県を本拠地として不動産事業を手がけている、株式会社不動産SHOPナカジツ。この13年間で売上高が73倍と急成長している企業だ。

同社を飛躍させている強みは、顧客の多様なニーズにワンストップで対応できる提案力。売買仲介だけでなく、『中古＋リノベーション』『戸建注文住宅』『戸建分譲住宅』なども手がけることで、個々の顧客に最適な住まいを提案できる。さらに、収益軸が多様化することで、73倍の急成長を遂げた。

業績が急拡大する中、紙文化が残る社内では大量の手作業が発生し、効率化は待ったなしだった。そこで、2017年にIT特化の部署を設立。経常利益の3分の1となる1億円以上を投じ、顧客向けアプリの『NAKAJITSU PREMIUM MEMBERS（ナカジツプレミアムメンバーズ）』や、社内アプリの『DANGO』などを開発。デジタル化を推し進めた。
その実績として、同社全社員の平均残業時間は約20時間。不動産業界としてはかなり低い水準を実現している。

＜システム紹介＞
①ナカジツプレミアムメンバーズ
「NAKAJITSU PREMIUM MEMBERS（ナカジツプレミアムメンバーズ）」は、不動産SHOPナカジツが自社開発した顧客向けアプリである。（初期開発：2019年9月）煩雑になりがちな媒介報告（売却物件に対する販売活動の報告）をアプリで確認でき、販売状況をグラフで表示し可視化できる仕様だ。その後購入者向けの機能も追加し、住宅定期メンテナンスを管理できる機能や竣工検査をアプリ内で完結できる機能などの購入者向けのサービスを強化している。

②DANGO
「DANGO」は、お客様来店時に実施していた従来の紙のヒアリングシートをデジタル化し、結果をデータ化するアプリである。
物件探しの希望条件はデータとして非常に有用であるものの、導入前は過去のアンケート内容の集計と蓄積に時間を要したと担当者は話す。DANGOの導入で一連の流れをペーパーレス化させることで、効率的に顧客データの活用ができている。

数年で社内のデジタル化を進めてきたが、現状がゴールではない。
自社DX化推進で培ったノウハウを活かし、次なる目標は「世の中へ価値のあるサービスを提供しさらに企業価値を高めること」である。

今年度から始動した＜SaaS事業部＞では、現在社外向けサービスの企画・開発を行っている。
自分たちや経営陣・社員のアイディアを元に、所属するエンジニアたちが企画段階から携わり日々ディスカッションが行われている。一方、現在絶賛開発が進んでいるプロダクトは、ローンチを目指し社内トライアルの準備中だ。
今はまさに、自身の手掛けたサービスが世の中へ広がるまでを見届けられる絶好のタイミングである。

さらに前述の通り、同社は既存事業の拡大だけでなく、新事業の立ち上げやその黒字化に成功してきた。
通常、立ち上がったばかりの組織には安定性や将来への不安がつきものだが、同社にそれは感じられない。
急成長を遂げてきた歴史があるからこそ、SaaS事業部の社員たちは不安を感じること無くイキイキと働いているのだろう。

「サービスの企画から携わりたい」
「自社開発サービスに誇りを持って働きたい」
「安定した環境で働きたい」
そんな方には、ぜひチェックしていただきたい。

同社の社員数は600名以上という中で、光るのは入社3年以内の離職率10％という数字。業界平均34.9％（厚生労働省調べ）の中、約3分の1という低さだ。
その要因として、人財開発部人財開発課の矢野周平氏は、「タイプマッチングにより、社風に合う人財を採用していることが大きい」と言う。その社風について、橋爪氏は次のように話す。
「困っている人がいれば当たり前のように助ける家族的なカルチャーがあります」（橋爪氏）

もちろん、SaaS事業部も例外ではない。
現在SaaS事業部を構成するメンバーのバックグラウンドはさまざまだ。
誰かが新しい分野や技術に携わるときには、その技術を得意とするメンバーがフォローを欠かさない。
さらに、今年度始動したばかりながら、既に実務未経験者向け研修プログラムを用意している。

「社員一人ひとりを大切にする」環境で、会社と共に成長してくれる仲間を求めている。