株式会社クローバー・ネットワーク・コム

株式会社クローバー・ネットワーク・コムは、顧客企業のビジネス効率化とリスク回避のための自社サービスを展開する企業だ。独自に生み出したノウハウやアイデアで取得した特許は60にも及ぶ。「知的財産」を軸にした事業展開が同社の強みであり、最大の特徴なのだ。
他社にはない事業資産を持つ同社は、唯一無二のサービスを提供できる企業として金融業界を中心とした大手企業と数多くの直接契約を結んでいる。
具体的なサービス内容としては、独自に構築した国内の固定・携帯電話番号の使用履歴データベース事業があり、各社の与信調査等に使われている。
また、パソコンから携帯電話へSMS（ショートメッセージサービス）を一括送信するソリューションは督促、事務連絡、販促等幅広い用途に利用され、最近では各社からAPI連携、Webサービス・アプリケーションなどシステム開発の要望が増えている。
創業以来地道な経営で基盤を固めてきた同社は、押し寄せる産業構造変化の波を逃さないよう、今まで以上に新たな価値創出に力を入れていく。創造の源泉となる人材に大きな期待を寄せているのだ。

大型コンピュータシステムのソフトウェア受託開発企業として、前身であるひまわり情報株式会社が設立されたのが1990年。同社はIT領域の進化と共に歩んできた企業ともいえる。
その過程で顧客から与信調査の一環で、ある電話番号を調べて欲しいという依頼があった。そこに商機を見いだした同社は、全国全電話番号テーブル 固定電話番号1億8千万件を調査。株式会社クローバー・ネットワーク・コムとして国内の電話番号使用履歴データベース『Doc Bell』を構築し、2001年1月から提供を開始した。
ここから、顧客のリスクを回避するための情報提供に特化した事業展開が始まる。Doc Bellのブラッシュアップに尽力し、固定電話番号だけでなく携帯電話番号へも範囲を広げ、件数も拡大。現在では5億件以上もの電話番号の使用履歴を保有し、定期更新によって常に最新の状態を保つ同社オリジナルのデータベースとなっている。
Doc Bellは、クレジットカード会社の初期審査における本人確認（なりすまし防止）や、与信調査、顧客情報の最新性を維持する目的に使われるなど、顧客のリスク回避と業務効率化に役立っている。

2012年5月には、国内初となる誤送信防止機能付SMS（ショートメッセージサービス）一括送信サービス『Doc Mail』事業を開始した。
一般的な連絡手段としては電子メールをまず思い浮かべるが、メールアドレスは変更が容易なため連絡がつきづらくなるリスクをはらむ。一方のSMSは携帯電話番号を使うため、メールアドレスほどには変更が頻繁でない。そして同社は電話番号使用履歴のデータベースであるDoc Bellを持つため、持ち主が変更になった番号への送信を自動排除する機能など、自前の情報を活用した独自の仕様を付加できる。
さらに電気通信事業者でもある同社は、電気通信役務に則った運用が可能で情報漏えいのリスクがない。このような特徴から、高いセキュリティレベルが必要な金融業界を中心に大手企業からの引き合いが途切れないのだ。
導入事例としては、金融機関の非対面取引が増えている中で本人確認をするため運転免許証画像をSMSに添付して送るという用途や、督促のソフトタッチとしての連絡手段、新商品案内やイベントへの誘導などの販促ツールとして利用する企業もある。

このように、知的創造活動によって生み出した独自の手法での特許取得やサービスの商標登録を積極的に行い事業展開に活用する「知的財産ビジネス」が同社の特徴であり強みだ。
2017年には日本弁理士会主催の知的財産活用表彰において、「知的財産活用奨励賞」を受賞した。これは知的財産を活用して知的資産経営を積極的に進める企業として、公的に認められた証である。
取締役 業務本部長の金澤氏は、事業戦略について次のように話す。
「他社にないものをいちはやく生み出し事業に役立てていこうという風土が根付いています。ニーズを掴むのではなく、われわれが顧客ニーズ・市場ニーズを作り出すのです。そのため、自身の発想を活かして新たなサービス作りをしたいという方は大歓迎です！」
独自のノウハウや資産を活用し、創造性とイマジネーションを発揮しながら開発を進められるのは同社のエンジニアならではだ。一般的なシステム開発会社とは一線を画すオンリーワン企業であると金澤氏は自信を覗かせる。

紹介してきた通り独自性の高い事業展開を行う同社は、目立った競合他社がいない状況。その上顧客は大手金融機関が多く一般消費者向けではないため、景気の波に左右されることなく堅調な経営を続けてきた。9期連続の増収を記録し、利益も着実に積み上がっている。ほとんど借り入れがなく無借金に近い資本構成かつ大手の資本も入っていない独立系のため、経営方針の変更といった親会社からの影響を受けることもない。
「財務体制は”超”健全で、安全性抜群です」と金澤氏は言う。

堅固な基盤という余裕があるためか、社風も極めて穏やか。無駄な競い合いや無理な数値目標もないため、ピリピリした雰囲気は一切ない。
ただし、金融機関が主要顧客であり、サービス品質を常に高めセキュリティを保持しなければならないという意識はとても強い。
「その意識を社員ひとりひとりが徹底して持っているので、規範意識の高い真面目な社員が多いですね」（取締役 情報システム本部長の塚原氏）。
真摯に業務に取り組むゆえに、活気に溢れるというよりは静かで落ち着いた職場環境だ。
「当社はこれまでのデータベース提供型の事業形態から、それらを活用するITサービス型に変わりつつあります。今後はプロジェクトで開発を進める機会が増えるでしょう。そのためエンジニアへの期待として技術力はもちろんなのですが、それ以上に顧客の要望を正しく素早く吸い上げられるコミュニケーションスキルを求めたい。また協力会社を含めたプロジェクトメンバーをまとめあげて、リードできるヒューマンスキルも重要です」と塚原氏は求める人物像について話す。
逆を言えば現在そのようなポジションを担う人材が不足しているため、このような経験や志向を持った人物ならば、すぐに中核として活躍できるチャンスがあるということだ。

また、ストックビジネスなので納期に追われることがない。それゆえに残業は非常に少なく、月平均で9時間に満たないというから驚きだ。有給取得率も部署ごとに管理され、しっかり休むことが推奨されている。
「資格取得支援制度や社外研修制度あるいは自己啓発に励んでもらう時間はたっぷりありますし、産休・育休・看護有給休暇完備と共に柔軟な勤務も可能なので家族との時間もしっかり取れる。プライベートな時間を有効に使いたいという方にとっては、手前みそですがすごくいい会社じゃないでしょうか」と金澤氏は満面の笑みを浮かべた。
安定した事業基盤を持ちつつ、新たな提案を歓迎するという先進性を併せ持つ企業はそう多くない。「オンリーワン企業」である同社に加わることが出来る、またとないチャンスだ。