株式会社アコードセブン

京都を本拠地とするゲームソフト制作会社の、株式会社アコードセブン。同社は、Nintendo Switch、PlayStation5、PlayStation4、PlayStation Vitaなどのコンシューマーゲーム用ソフトを主体に、スマートフォンゲーム、Steam、マルチメディアコンテンツの企画・制作を手がけている。

大手企業とも直取引し、誰もが知っているような著名タイトルの企画や新規キャラクター（IP）の制作実績を誇る。2012年12月の設立から今日まで、一部を手がけたものも含め、50作品ほどのタイトル制作に携わってきた。
「当社は、ゲーム開発の中でも歴史あるコンシューマーゲームを主体に手がけてきたので、作品作りには自信があります」と取締役の青木氏は語る。

今後のビジョンは、自社オリジナルのタイトルを世の中に送り出すこと。イメージしているのは、人間の心理や心情をつくような内容のものだ。ゼネラルマネージャーは、次のように説明する。
「当社はこれまでファンタジー系やRPG系、アクションを主に手がけてきました。そうした中、過去に制作してきたものの多くから少し離れた現実的に思い悩む人が生きていけるヒントになるような、示唆に富むゲームをつくりたいと考えるようになったのです」
本人も大病を患った際にゲームのおかげで気分を明るくすることができたという。
「闘病しているお子さんや、日々の生活の中で悩みを抱えるような方々に少しでも寄り添い気分転換できるような、そんなゲームをつくりたい」（ゼネラルマネージャー）

こんな小規模な企業ではありますが、情熱をもって作品制作を心から楽しんでいます！

代表取締役は、取締役の青木氏とは小学校時代からの友人という関係で、その当時から2人でゲームづくりに没頭した仲である。青木氏はそのままゲームクリエイターとしてキャリアを積み、2008年に関東にあるゲーム会社を設立した。同社は株式会社バンダイナムコエンターテインメント、株式会社KADOKAWAといったゲームパブリッシャーと取引を行い、それらのコンシューマーゲームのタイトル開発を企画段階から受託するようになる。

そんな青木氏から誘われる形で野間氏はジョインし、経営面をフォローする。
関東のゲーム会社から関西にも拠点をつくりたいという動機もあり、野間氏が関西に戻る形でアコードセブンを設立することになった。
「そこから徐々にメンバーを採用し、青木のフォローも受けて人材育成や案件獲得を図りながら、ゲーム開発の実績を積んできました」と野間氏は説明する。そんなアーリーステージを経て、成長軌道に乗せた。
「ゲームづくりへの情熱は誰にも負けないという若いメンバーが地道にコツコツものづくりに励み、今日までの実績を築き上げてきました。具体的な実績タイトルなどをこの『Green』でご紹介することはできませんが、当社社内にポスターなどを掲示してご紹介しています。ぜひアクセスしてほしいと思います」と青木氏と野間氏は話す。

2019年7月現在、同社の社員数は20名。男性11名・女性9名で、3Dデザイナーが多くを占めている。平均年齢は28歳。
そんな同社の風土の特色は、“コミュニケーションを大切にする”の一言だろう。メンバーマネジメントを主に手がける女性ゼネラルマネージャーは次のように説明する。
「悩みは溜めず、できるだけ気持ちよく仕事に集中してもらえるよう、個人面談やアンケートを通じて個々のメンバーの声を聞いています。また、いつでも意見や相談ができるよう、管理職の席はメンバーの近くに設けています」

それだけではない。「人のお世話をすることが大好き」と話すゼネラルマネージャーは、メンバーの衣食住のサポートまで行っているのだ。「親御さんから大事なお子さんをお預かりするので、親代わりとして身の回りの面倒を見ている」と言う。

“衣”では、クライアントとの打ち合わせ用にYシャツやジャケットを用意。まだ自前の服を買えていないメンバーも安心できる。

“食”では、ゼネラルマネージャーがプライベートで行っている家庭菜園で収穫した野菜を提供したり、自炊が苦手なメンバーには手料理のお弁当をつくってサポートすることもしばしばだという。また、外出が嫌いなメンバーにために、社内にラーメンやレトルトカレーなどの軽食も用意している。「好きなお菓子やコーヒーマシンを要望できるシステムもある」（ゼネラルマネージャー）

“住”では、入社後に一人暮らしをするメンバーのために、不動産事業者と提携し物件を紹介。若い女性でも安心して生活できる環境を選りすぐっている。「紹介だけでなく、内覧に立ち会ったり、家賃交渉も代わりにやっている」（ゼネラルマネージャー）

社内イベントとしても、花火やBBQ、京町家を一棟借りしての宴会などを行っている。
「例えば、野外イベントで火を起こしてみるとか、釣りやアヒルボート、高級ホテルでのスイーツビュッフェ等、普段やらないようなアクティビティを意識的に行います。レクリエーションを通じて、ゲーム制作においてそういったシーンを手がける際の引き出しにする狙いを込めています」（ゼネラルマネージャー）

ゲーム制作のスキルアップにおいては、関東のゲーム制作会社まで出向き、よりレベルアップできるような工夫もしている。
「新人の場合は、最初から技術に自信がなくても、一緒に成長していきたいという前向きな方は大歓迎。どんなに小さな作品であっても、メンバーが手がけたものは世界中のゲームファンに届けられるよう、全力でサポートします」とゼネラルマネージャーは呼びかける。