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インタビュー画像代表取締役社長 中野 惠司氏 1957年、大阪生まれ。大学を卒業後、エンジニアリング系の会社に入社。ファクトリーオートメーションや制御系プログラムの開発に従事。 1992年4月、株式会社ユニコーンを設立。パッケージ業務ソフトの開発、販売をスタートし、後に特定業界向けシステムに特化。シティホテル向けのスタンダードとなる婚礼宴集会総合支援システムをリリース。その後第2の柱、葬祭業界向け製品を開発、業界特化製品で躍進中。

ホテル業界向けのパッケージソフトに特化した経緯を教えて下さい。

弊社は財務会計や給与計算などの業務系パッケージソフトの開発からスタートしました。それなりに売れましたが、汎用的過ぎて競合が多く、営業効率も良くないので、ターゲットを明確にして、特定分野・業界で掘り下げ、その分野でトップシェアを確保したいと考えました。 当時はマルチメディアという言葉が出てきたところで、画像や動画などリッチコンテンツを駆使して面白いことが出来ないかなと思っていた時に着目したのが結婚式市場でした。自分自身が結婚する時期とも重なっていて、接客を受けながら、もっとこうしたらサービスが良くなるのではないかと想い、企画書を作ってホテルを周り始めました。 シティホテルに特化した理由は、所在と母体が明確だからです。資金繰りや社員のモチベーションを考えて、ハードルは高いですが、財務基盤が強固で著名な顧客とビジネスをしたいと考えていました。また、働く人のサービス精神が高く、紳士的な方々多いのもシティホテルの特色です。それで誰が聞いてもわかるホテルに的を絞りました。

そのようなシティホテルへの営業は、ご苦労はありませんでしたか。

もちろんそんなに都合良く、トントン拍子で話が進んだわけではありません。当時、ホテル業界には大手メーカー系のSIerが入り込んでいて、そこで稼働していたシステムは、大型コンピュータで動く、フロント業務からバックヤードまでひとまとめになったパッケージでした。決してきめの細かいシステムではありませんでしたが、そういうところに入って行くことは簡単ではありませんでした。 ただし、さすがに大手シティホテルのホテルマンはジェントルマンで、サービス精神が旺盛ですので、我々のような創業したての会社が飛び込みで営業をかけても門前払いされることはほとんどありませんでした。丁寧に対応していただき、IT担当者がいる場合は紹介していただきましたし、支配人が対応してくれることもありました。 話を聞いている間に企画も変わりました。当初は画像を駆使してホテル側がお客様にプレゼンするシステムを考えていましたが、それよりも見積や積算、発注などのバックヤード業務を支援するシステムの方がお客様の業務改善に貢献出来るということがわかって方針を転換しました。そして約1年経過した時点で、あるホテルご採用いただき、気に入って頂くことが出来ました。 ホテル業界はIT部門だけではなく、なかなか新規で入り込むことが難しい業界です。その分、良いと判断されれば、口コミとなり一気に広まります。また、ホテルマンは、同じ業界で転職を繰り返しながらステージを上げていきます。新しいホテルが開業すると必ず開業準備室というものが出来て、業界中から人が集まって来ます。そこに弊社のシステムを使って便利だと思っていた人が支配人として入って行くと、高い確率で採用いただけるようになりました。

約30年、一貫して直販体制を維持してこられたのですか。

その通りです。設立以来、直販体制で自社パッケージを持ち、サポートまで一気通貫で提供するということにこだわってきました。 その理由は、営業から始まり、打ち合わせや導入、保守とフェーズが移る中で、その都度、お客様とコミュニケーションを取らなければいけません。ホテルマンはサービス精神が豊かですから、そのホスピタリティを吸収する機会にもなる。まさに仕事を通して人間が育つ。それが当初からの狙いでした。 人を育てることは難しいです。上司に言われることはなかなか身につかず、自分で気がつかなければ成長できません。私自身がそうでしたから。結局、自分のことは自分で決めてやりたいじゃないですか。管理されたくないでしょう。コントロールはされたくない。 また、自分が作ったシステムが、どこで使われて、どう役に立っているかということがわかりますので、エンジニアのモチベーションを保つことが出来ます。大きなシステムを受けて一部を受託でやるのも悪いわけではありませんが、自分がやっていることが見えにくくなってしまいます。 また、人に喜んでもらって生き生きしたいと誰もが思うのではないでしょうか。そういう人が集まって1つの組織になって、お互いが信頼し合ってやっていると莫大な力が発揮出来るようになります。だから経営者は、そのような人が自然に育つ環境を作って、それを崩さないようにしておくことが大事なのかなと思っています。

従業員の自立を促す工夫や制度はございますか。

特に工夫というものはありません。もともと入って来る人の素養やお互いの相性が大きいと思います。そういう意味では採用を大事にしています。私だけではなく、社員も面接に参加して、お互いに合うか合わないかを判断してご入社いただいています。 そういった中で私が決まって聞くことが1つだけあります。それは「今までの人生を振り返ってみて、ついていると思うか」ということです。そして、「ついていると思う」という人を採用しています。 「ついている」と思う人は、感謝力が深い人です。「あの人のおかげで今がある」「親のおかげで今がある」と思える。そういう素養があるのだと思います。つまりそれは人のせいにしないということですね。会社の中がギスギスする時はお互いに人のせいにしだした時です。 自分の人生を振り返って「ついていると思える」人は、不思議なことに、その後の人生がさらについて来ます。そしてついている人が2人集まれば会社もついてくる。3人集まったらさらについてくる。それが社風となって伝播するという風に考えています。

最後に転職者へのメッセージをお願いします。

時代背景に流されない方が良いと思いますね。人材難の時代ですから引き手数多だと思います。そこでおいしい条件を出されても、方向性や適性を見極めておく必要はあると思うのです。 もちろん、いろいろ考え方はあって、2年、3年で、またスキルアップを目指していくことも考えられます。こういう状況がいつまで続くのかはわかりません。だからこそ転職先は目先のことだけではなく、将来を考えて選んで欲しいと思います。

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採用担当 村上佳香
社員30名の小さな会社ですが、6割が10年以上働いていて長く勤められ、居心地のよい社風の会社です。ぜひ一度、お話ししましょう♪
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