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株式会社ビットグルーヴ

  • マスコミ・エンターテイメント・メディア系
  • IT/Web・通信・インターネット系

スクウェア・エニックスの人気タイトルを担当する、京都のソフトウェア開発会社

残業少なめ

企業について

株式会社ビットグルーヴは、ゲームを中心にしたコンピュータソフトウェアの開発会社。受託開発を基本とし、近年はスマートフォン向けゲームアプリの開発をメインにしている。

ビットグルーヴが手掛けた最大のヒット作「キングダム ハーツ ユニオン クロス」は、シリーズ累計出荷本数3000万本を達成した「キングダム ハーツ」シリーズ初のスマートフォンアプリだ。
「キングダム ハーツ」は日本国内はもちろん、海外でも高い人気を誇るシリーズで、「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」と並び、スクウェア・エニックスが「三本の柱」と位置付けるビッグタイトル。

「当社では主にプログラミング、グラフィック制作、そしてゲームプランニングの一部を請け負いました。キャラクターデザインやシナリオなど、世界観に関わる部分はスクウェア・エニックスさんが担当され、業務配分が上手くいった結果が、大きな売り上げにつながったと思います」(代表取締役 経営管理部・村田幸史)

京都の小さな受託開発会社が、日本を代表するゲームメーカーであるスクウェア・エニックスのビッグタイトルを任された背景には、同社が持つ高い技術力がある。原型になったPC向けブラウザゲームは、プログラムも含め全て Flashで作られていた。簡単には行かないコア部分の移植を、同社がオープンソースライブラリと OpenGL ESを上手く組み合わせて、スマートフォン向けの高速処理に置き換えるなど、プログラミングの技術はピカイチだ。

「少ないメモリで巨大なマップを途中読み込みせずに動かすなど、技術には自信を持っています。当社の技術者はゲーム開発だけでなく、組込み系ソフトの経験もあり、OSなしでプログラムを作動させたり、可能な限りメモリを使わずに動かしたりといった、ローテク時代の経験が今に生かせています」(村田氏)

そのほかには、2013年にリリースされたスクウェア・エニックスのスマートフォン向けゲーム「ファイナルファンタジー オール ザ ブレイベスト」もビットグルーヴの仕事。ファイナルファンタジー(FF)の派生ソフトで、歴代のFFに登場するキャラやモンスターなどが登場するタッチアクションRPG。戦闘に参加可能なキャラが最高で40人とFF史上最多数のパーティが話題となった。

「ナムコの大ヒットシリーズ『太鼓の達人』のiOSアプリ版開発にも、途中から参加しました。単にゲームのコア部分を改良するだけでなく、ローランド社の電子ドラムでプレイできるようにするなど、テクニカルな部分で色々なチャレンジをしたアプリです」(村田氏)

2011年設立のビットグルーヴは、エンジニア4人で立ち上げられた。代表の村田氏は大手ゲーム会社でゲーム音楽の作曲を担当していたが、キャリアの途中でエンジニアに転身。その他の3人も多彩な経歴を持っている。大手電機メーカーの案件で腕を磨いたエンジニアの今井氏や、大学で物理学を研究していたメンバー、日本最大と言われる大手受託開発会社のゲームプログラマと、個性のあるメンツでスタートした。全員に共通しているのは、優秀なソフトウェアエンジニアであることだ。

「実は弊社のコアメンバーはゲーム開発の仕事にこだわっていません。モノづくりが好きな人が多く、家電製品に組み込むプログラムすらもおもしろいと感じる人たち。プログラミングで何かを動かすのが好きなんです」(取締役 商品開発部 部長 ディレクター・今井悟)

会社設立当初は“何でも屋”だったというビットグルーヴ。「来た仕事は断らない」をスタンスに幅広く開発を請け負い、ハードウェアの知識もありながらソフトウェアも開発できることを強みに、筋力トレーニングマシンのソフトウェア開発なども担当した実績がある。

「ゲームの業界にどっぷり浸かってしまうと、それ以外の技術に関して後れを取ってしまう懸念もあり、現在もゲーム以外の開発を請け負っています。例えば、教育系のアプリ開発。幼稚園や小学校低学年向けに、文字を覚えたり計算のトレーニングをしたり、さらに学年が上がると英語のリスニングをしたりするアプリです。ゲーム要素を加えて楽しみながら学べるように工夫しており、ゲーム開発会社としてのノウハウが生かせています」(村田氏)

様々なノウハウとプログラミング技術が強みとなっているが、この会社の実力はそれだけではない。今や開発スタッフの6割を占めるデザイナー陣を引っ張るベテランデザイナーにも、キーマンが居るという。

「前職の同僚デザイナーが、法人化直後に3人も合流してくれました。彼らは若いころからメジャータイトルの経験があり、2Dも3DもUIも出来るオールマイティー。しかも後輩の指導が非常に上手いんです。彼らなしでは今のビットグルーヴは無かったと思います」(村田氏)

ビットグルーヴは、規模を大きくするよりも息の長い会社でありたいと考えている。代表の村田氏は、ゲーム業界で倒産・廃業した会社をいくつも見てきた。

「私の近くでも3社が廃業し、そのうち2社は過去に在籍していた会社です。ゲーム業界で生き残る大変さを身に染みるほど知っています。京都では、10年続いた会社でもまだまだ駆け出し、100年続いて一人前といわれます。息の長い会社を作りたいというのは、京都人気質の部分があるかもしれませんね(笑)」(村田氏)

約1年半前にオンラインゲームのサーバーチームを立ち上げ、軌道に乗せたエピソードも興味深い。
「クライアント企業から、『サーバー業務もやって欲しい』と3年以上口説かれました。ノウハウが無いから難しいと断り続けていたんですが、新規案件の立ち上げをきっかけに、サーバーチームの立ち上げに踏み切りました。集めたサーバーエンジニアは、経験は無くても技術で光るところがある人。新しい部門う作る場合、コアメンバーをヘッドハンティングで固めるのも珍しくないと思うんですが、うちのスタイルに合うか分からない人を中心に据えるのが怖かったんです」(村田氏)
「サーバー開発では、日々課題が見つかり、その都度悩みながらも乗り越えています。1年半経ちましたが大きなプロジェクトなので、ようやく折り返し地点です。立ち上げが成功だったのか評価出来るのは、さらに1年後くらいになりますね」(今井氏)

長時間労働になりがちなゲーム業界にあって、ビットグルーヴは労働時間の管理が行き届いている。長時間労働になる理由は、やり直しが発生するからだという。どんな開発でも事前にスケジュールを組んでスタートするが、途中で方針転換や作り直しが何度も発生するとスケジュールは大きく崩れ、最後は無茶なスケジュールになる。

ビットグルーヴでは、早い段階で計画のズレを発見して軌道修正する。スケジュールの進行を小まめにチェックして、正しい方向に進んでいるかを見るのだ。

「ゲーム開発では、仕様があいまいなままスケジュールありきで進んでいくことが少なくありません。それは当社の案件でも同じことです。仕様が固まっていく過程や、仕様変更による手戻りで、その後のスケジュールに無理があることに気付いたら、すぐにクライアントと共有して対策を検討します。クライアントも『気が付いたらどうしようもない状況だった』というのは避けたいですからね。そのときは摩擦が生じても、傷が浅いうちに協力して手を打つことで、結果的に信頼関係が強固になります」(村田氏)

正社員の開発スタッフは、裁量労働制を導入しており、個人が自分の調子や用事に合わせて、働く時間をコントロールできる。一日の平均労働時間は 8時間10分。ゲーム業界では極めて珍しいのではないだろうか。
「会社設立当初は、当社でも長時間労働が珍しくありませんでしたが、今は違います」(今井氏)
「ただやはり開発職なので、もちろん納期前など忙しいときはあるんです。それでも平均労働時間がこの程度で済んでいるのは、すんなり仕事が片付いたら早く帰ったり、義務感でズルズル長く会社にいない、ということなんですね」(村田氏)

労働時間の管理だけではない。給与体系がしっかりと確立しているのも、クリエイターの観点から高評価のポイント。基本給はスキルに関係なく毎年昇給し、加えて、開発スキルや経験、リーダーシップなど、所定の要件を満たせば手当が支給される。

「開発等級を24段階に設定しています。最も低い等級では月額1万円くらいですが、等級が上がってリーダークラスになると5万円、8万円と支給額は多くなります。リーダーを統括する立場になれば、さらにその3倍ぐらいですね」(村田氏)

開発等級は社内で公開しているWikiに掲載している。それを見て自分の現在位置を確認し、次に目指すべきステージがわかる。役員に直談判しないと給与が上がらないような中小企業が多い中、大手企業に遜色ない仕組みでクリエイターの貢献に報いているのはちょっとした驚きだ。

インタビュー

株式会社ビットグルーヴのインタビュー写真
ゲームプログラマーYさん(2020年新卒入社)

── 一日の仕事の流れを教えて下さい

11~12時くらいに出社。業務連絡などの確認をした後、前日の作業の続きに取り掛かります。
昼休みは、眠い時は仮眠をしたり、そのまま作業をしたり日によって色々です。
午後、たまにお菓子を食べながら、集中して作業を進めて、20~21時くらいに帰ってます。 続きを読む

企業情報

会社名

株式会社ビットグルーヴ

業界

マスコミ・エンターテイメント・メディア系 > ゲーム・エンタメ

IT/Web・通信・インターネット系 > モバイル/アプリサービス

IT/Web・通信・インターネット系 > インターネット/Webサービス・ASP

企業の特徴
残業少なめ
資本金

500万円

売上(3年分)

202162億8,700万

202062億6,300万

201962億400万

設立年月

2011年09月

代表者氏名

代表取締役 村田 幸史

事業内容

ゲームソフト及びアプリの企画開発 / 教育ソフトの企画開発

株式公開(証券取引所)

非上場

主要取引先

株式会社ゲームスタジオ 株式会社コト 株式会社スクウェア・エニックス ソフトコム株式会社 株式会社デザインアクト 五十音順、敬称略

従業員数

42人

平均年齢

35.6歳

本社住所

京都府京都市下京区東塩小路町608-9 日本生命京都三哲ビル 5階

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