株式会社よりそう

株式会社よりそうは、『よりそう』という総合ブランドのもと、ライフエンディングに関わる様々なサービスをワンストップで提供するエンディング・プラットフォーマーだ。
これまで不明瞭な点が多かった葬儀費用や法事費用を、利用者のニーズに沿ったサービスパッケージングによって納得感のあるわかりやすい価格として体系化。またITを活用することによって、パートナー企業と利用者双方の利便性の向上を実現した。
しかし同社がこだわるのは効率化だけではなく、あくまでも利用者の気持ちに「よりそう」こと。ライフエンディングという人生の重要シーンで的確な意思決定ができるように、相談者を思いやる気持ちを持ってサポートすることだ。
20億円の資金調達を実現し、さらなる事業拡大に向けて原動力となる人材を広く募る。

同社は2009年3月に介護施設、歯医者、結婚式場など、ライフステージに関わる複数のレビューサイトを運営する企業として創業した。
創業者であり代表取締役を務める芦沢雅治氏は、高校卒業後にカナダ・アメリカへ留学したのち、個人事業主として運営サイトのマネタイズやNPO法人立ち上げを行ったことがある人物。
多彩な経験を持つが、一貫するのは「社会課題を解決したい」という真摯な思いだ。芦沢氏は起業までのいきさつを次のように話す。
「子どもの頃から世の中の格差に違和感を持ち、貧困や飢餓などの社会課題を解決するにはどうすればいいのかを考えてきました。しかし、自分が何者なのかもわからない状態ではどうしようもない。そこで、海外で勉強することを決めカナダへの語学留学を経て、アメリカの大学で学びました」。
アメリカでインターネットの可能性を体感し、英語力を活かしたコンテンツ発信をスタートしたりスカイプ英会話サービスを立ち上げたりと、事業視点でのチャレンジを開始した。
こうして数々の事業を手がける中で手ごたえを感じた芦沢氏は、日本へ帰国する。自身の運営サイトによる「情報の比較を通じて選択肢を広げる」という方法で、情報格差の是正を試みたのだ。事業は軌道に乗り、法人化を果たす。
「“選択はもっと自由であるべき”という思いのもと、ライフステージに関わる多くのレビューサイトを運営してきましたが、その中で特に反響が大きかったのが葬祭でした。ビジネスのポテンシャルを感じ、葬祭サービスへフォーカスするようになりました」（芦沢氏）
ビジネスの勝ち筋を見いだした芦沢氏は、葬儀関連へ特化した事業展開を開始する。
葬祭の特性上、他の領域に比べて検討時間が短いためメールより電話相談が多いことに留意し、24時間体制のコールセンターを設けた。
「ライフエンディングという重大な局面で、相談者は動揺していることが多い。その気持ちに親身によりそうことを何よりも大切にした結果、感謝の言葉を多数いただくようになりました。社会的意義の高い事業であり、市場の成長性もある。やりがいとビジネスのポテンシャルが共存する領域だと確信しました。」と芦沢氏は力を込める。

葬儀社の比較サイト運営を皮切りに、葬儀や僧侶手配サービスの独自パッケージ開発、周辺領域への統一ブランドによる横展開と、創業以来10年間に渡って進化を続けてきた。
同社のビジネスモデルの特徴は葬祭や法要自体を行うのではなく、商品企画・集客・成約・アフターフォローに特化している点だ。施行の部分はあくまでも葬儀社などのパートナー企業が担う。
「パートナーは中小規模の企業がほとんどで、伝統産業のためITリテラシーは高くない場合が多い。高齢化やライフエンディングへの意識の高まりもあって市場としては安定しているものの、集客効率と稼働率の低さで伸び悩む企業が多かった。対して、消費者側は葬儀費用の低価格化や簡素化・小規模化へと嗜好が変化している実情があった。われわれはその中間に立ち、双方へ新たな価値を提供するライフエンディング特化型プラットフォーマーとして、誰もが自分らしく生涯を全うできる社会の実現に取り組みます」と芦沢氏は話す。
提供サービスである『よりそうのお葬式』や『お坊さん便』は、これまでにないユニークな発想と消費者のニーズを満たす品質で、認知度・関心度・利用者数とも急激に高まっている。
しかし、やるべきこと、やりたいことはまだまだあると芦沢氏は言う。
「ライフエンディング領域はアナログで、IT化がほとんど進んでいません。そこをテクノロジーで変えていかなければなりません。例えば、パートナーとのやりとりひとつを取ってもいまだに電話やファックスが中心で、依頼ツールをウェブアプリとして整備し業務効率化を推進したい。相談者や利用者に対しては、マイページ機能を強化して法要のタイミングをお知らせしたりと多機能化が必要。それに合わせて、コールセンター内のシステムも進化させなければいけない。仏壇ECという領域もまだまだ発展途上です。エンジニアは、パートナー・消費者・社内と3方向へ向けた開発ができます。やることが無限に広がるフィールドで、ワクワクしてもらえるのではないでしょうか」と同社でのエンジニアリングのやりがいに言及した。

またライフエンディングは何度も経験するイベントではないため、情報が少なくニーズを掘り起こしきれていない珍しいマーケットだと指摘する。
「どのようにナビゲートしていくか、より良い選択を取ってもらえるかというCRMも面白いと思います。またコールセンター機能は、当社が大事にする部分。顧客満足度を高めるために研修に一層注力して、スタッフの提案力を磨いていきます」（芦沢氏）
リアル×ITで、ビジョンとして掲げる「創意工夫で制約を乗り越え、誰もが自分らしい選択ができる世界をつくる企業」の実現を目指しているのだ。

総合ブランド『よりそう』では、遺族だけでなく本人による葬儀の生前相談や予約ができる。葬儀・法要で展開するサービスは前章の通りで、その後の墓地・霊園探しや散骨、さらには相続相談や不動産売却、遺品整理にまで及ぶ。
まさに、エンディング・プラットフォーマーという名乗りにふさわしく、ライフエンディングにまつわる一連の流れをワンストップで提供しているのだ。
芦沢氏は今後の展開について、「主力事業を深掘りし進化させ世の中に広げていくとともに、より顧客満足度を高めるため商品再編などを行っていきます」と話す。そのためには既成概念に捉われない発想が重要で、他業界の施策を転用するなど、新たな挑戦が必要だという。
「例えば、ブライダルでは動画を使ったコンテンツは当たり前です。葬儀でも満足いただける使い方があるはず。ベンチャーであるわれわれのような企業が、これまでにないやり方を創出しけん引していくべきだと思っています。そして人生そのものを良くするために死別の前後に求められているものは何か。本質的なニーズを見極めて、当社にしかできないサービスを提供したい」と力強く語った。芦沢氏のビジョンはとても明瞭だ。

人員が増えている現状で、ビジョンやミッション、バリューを社内により浸透させるために、経営層からの発信を強化している。週一回の朝会ではトップメッセージの伝達、トピックの紹介、事業方針の説明と進捗報告があり、三カ月に一度のキックオフでは、直近の振り返りと今後の方針の説明、そして“社員賞賛”を行っている。
これは期待を超えて活躍した社員の仕事内容を皆の前で発表し、表彰する取り組みだ。仕事内容とトップパフォーマーを明確にし、他事業部のメンバーに理解してもらう狙いがある。

同社のサービスは多岐に渡るため、担当領域ごとに事業部が編成されている。しかしワンストップが特徴だけに、部門内で完結するのではなく横断した連携と情報共有が極めて重要になるのだ。
取締役COOの篠崎新悟氏は、「ここまで多機能な組織は珍しいでしょう。カスタマーやパートナーなど外部のニーズをすくう連携はもちろんのこと、社内でも部門を超えて協働・連携を積極的に進めていく人が価値を発揮しています。難しいことではありますが、やりがいでもあります。」と組織の特徴と活躍している社員像を話した。

ライフエンディングに携わりたい人、社会貢献意欲が高い人が集まっていることもあり、社員は皆誠実で心根が優しい。急成長中のベンチャー企業らしい勢いと穏やかさが共存するカルチャーだ。
芦沢氏は、「誰にとっても新しいチャレンジになる領域です。多機能な組織の中で、自分を磨く意味でもやりがいを感じられるでしょう。ビジネスチャンスが多い環境に身を置きたい方は、ぜひご応募ください」とGreenユーザーへ向けてメッセージを寄せてくれた。
拡大フェーズへ突入しようという同社に参画できるまたとないチャンスだ。