取締役　兼　執行役員 小林 孝史氏 コンピュータ専門学校で学ぶもIT業界とは無縁の呉服店に就職し、しばらくして広告代理店に転職する。広告代理店の営業時代に創業前の社長と出会ったことがきっかけとなり、2004年に入社する。

入社後の簡単な経緯と、現在のポジションおよび着手していることを教えてください。

当社が第二成長期に差しかかっていた2004年に営業マネージャーとして入社し、プレイングマネージャーとして事業拡大に向けた営業活動およびマネジメント、営業拠点の立ち上げなどに携わってきました。3年ほど前から東日本統括本部・本部長として関東エリアの技術派遣事業を統括するようになり、現在はAIなどの最新技術を使ったHRテックサービス領域の責任者と、ERPソリューションを基軸としたコンサルティング事業部の役員として活動しています。 これまで技術者派遣ビジネスで培ってきた顧客基盤と技術・ノウハウをベースに、経営ボードから今後全社の業績を持続的に成長させる事業戦略全般に携わり、経営・現場の双方から営業戦略の意思決定や、人財育成をはじめとしたエンジニアのボトムアップを推進するのが、今現在の私の主要ミッションです。

今後の事業戦略について考えていることを教えてください。

事業軸としては、現在メインを占めている技術派遣スタイルから、請負スタイルへの積極的な転換を考えています。目的は取引先から業務を請け負い、ものづくりにおける指揮系統を社内に持っていくことで、技術・知識・ノウハウを自社のものとして蓄積する。そして、自社からオンリーワンの価値を生むものを発信するのが今後の中長期的なビジョンです。 技術軸としては、来る第4次産業革命に向け、IoT、AI、EV、VRなどの新技術へのさらなる投資です。現在自社の研究施設である『SUS Lab』では、最先端AI研究の第一人者かつAIデータサイエンティストである研究者を中心に、「画像生成技術」「教育のAI活用」「VR×自動運転」「創薬×VR」「ロボット×VR」「自然言語処理技術」の6つテーマでAI技術の研究を行っています。これらの研究成果と、技術派遣で成長したエンジニアの技術を組み合わせ、新しい製品・サービスの創出につなげることが、今描いている青写真です。

事業戦略の推進にあたり、着手すべき組織的な課題はありますか？

テクニカルスキル×ヒューマンスキル双方を伸ばす教育や、エンジニアの成長を考えたアサイン・キャリアチェンジを促す支援体制など。“人財育成の仕組み”という観点では、当社は業界の中でもかなりのアドバンテージがあると思っています。 ただ、これらの仕組みを最大限に活かすという意味では、経験値・マンパワー共に、まだまだ発展途上である印象が否めません。組織のさらなるボトムアップが必要だと考えています。 エンジニア・営業ともに現場の最前線で活躍するプレイヤーの増員はさることながら、当社の強みを理解し、事業戦略をグイグイと前進させる人財、例えばエンジニアならPL・PM、営業なら幹部候補を担う人財の採用も重要な課題となっていくでしょう。

これから入社する人財には、どんなマインドを期待していますか？

「会社がこう言っているから」という働き方は、今の時代ではもはや古い価値観ではないでしょうか。これから入社する人には、会社のために働くのではなく、自己実現のために会社という場を使ってほしいですね。 プログラム技術を磨きたい。こんな分野の開発がやりたい。マネジメント力を磨きたい。経営を学びたい。目標は何でも構わないと思います。すべてにおいて、まずは個をしっかりと持つことが成長の近道となり、ひいては会社の成長につながると私は思っています。 今ある仕組み・ルールがすべてではありません。現場で何かを感じた際には、主体的に意見・アイデアを周囲に発信し、失敗を恐れずにチャレンジしてほしいです。会社としてもそういったマインドを持った人が報われる組織をつくっていくつもりです。

エンジニアと営業は、社内でどのような関係性を築いていますか？

エンジニアも営業も、お互いに対する理解を深め、寄り添った関係性を築こうという心がけが強いと思います。エンジニアのリーダークラスは、現場での対顧客との信頼関係をもとにプロジェクトチームの拡大を図るなど、営業的な部分でも濃密に関わっています。さらには現場であった動きをリーダークラス間で共有し、戦略的な会議でディスカッションするシーンも多いです。 エンジニアからの情報発信・提案が起点となって生まれる取り組みも活発です。例えば最新技術のVRなど、現場で培った技術・ノウハウを社内に持ち帰って勉強会を開くエンジニアもいます。このように部署・職域の垣根を超え、ボーダレスにコミュニケーションを取っている環境も当社の特徴の一つではないでしょうか。