株式会社コラボス

株式会社コラボスは、日本で初めてコールセンターのシステムをクラウド化したパイオニアとして、企業とエンドユーザーとのコミュニケーションを支えている企業だ。2015年3月には東証グロース（旧東証マザーズ）に上場も果たしている。

企業とエンドユーザーとのタッチポイントは多様化しており、コールセンターサービスの市場規模は拡大を続けていく見通しにある。自前でコールセンターを設ける企業も多い。しかし、従来のCTI（Computer Telephony Integration）等のコールセンターシステムは、大規模で高機能なため、高価で、かつ導入に時間を要し、保守運用の手間がかかるものであった。

そこで同社は、コールセンターシステムのクラウド化により、①導入コストの大幅な低減、②スピーディーな導入、③“必要な時に必要なだけ”の利用が可能、④システムの保守運用工数の削減、を実現。これらのメリットをクライアントに提供している。

同社の強みは、当該サービスのパイオニアとして蓄積した運用ノウハウや提案力、技術力の厚みとサービスラインナップの豊富さにある。
コールセンター運営には、電話システム、顧客管理システムの2つのタイプのシステム導入が必要不可欠だ。同社では、この２つのタイプだけでなく、クライアント企業のニーズに合わせた提案ができるよう、多彩なクラウドサービスを用意している。

電話システムとしては、ハイレベルな交換機機能を持つ「@nyplace」、ソフトフォンタイプで気軽に利用できる「COLLABOS PHONE」、顧客情報やお問い合わせの内容を管理できる顧客情報管理システム「COLLABOS CRM」や、テレセールスを効率化できる「COLLABOS CRM Outbound Edition」を提供している。
その他、エンドユーザーとの会話を録音できる通話録音システムやFAQシステム等、コールセンター運営において必要となるシステムについては、同社一社”ワンストップ”で、”クラウド”での提供が可能だ。

こうした幅広いサービス力、創業以来「コールセンター・クラウド」を提供してきたノウハウや提案力が支持され、BPO事業者をはじめとしたサービス業界からメーカー、流通、金融にいたるまで幅広い業種の企業に利用されており、導入拠点数は1,000カ所以上に及ぶ。

また、同社は新しいシステム分野にも積極的に参入を行っており、2016年よりコールセンター向けデータ解析サービス「GOLDEN LIST」の提供をはじめた。
コールセンターや企業のマーケティング部門で使われるデータ解析システムは、統計分析の経験のある人材しか運用できず、かつ、高コストであることに着目。システムが機械学習した“解析モデル”を使用し、操作感もやさしくすることで、データ解析を効率的、かつ、簡単に、専門的な分析ができるようにした。

このような、コールセンターに特化したデータ解析のクラウドサービスは他に例を見ない。
同社はこれからも、”コールセンター”と”クラウド”を企業ドメインとし、新たな着眼点でサービスのラインナップを増やしていく予定だ。

2000年に総合商社の日商岩井株式会社（現・双日株式会社）のIT事業部門から分離独立する形で、情報通信サービス事業を手掛けるアイ・ティー・エックス株式会社が設立された。そして、“クラウド”という言葉がまだなかった2001年。アイ・ティー・エックスが大半を出資し、日本で初めて"ASP"の形でコールセンターシステムを提供する企業として、コラボスが設立された。その後、オーナー企業の変遷を経て、2011年、MBOにより独立企業となる。

その際に掲げられた企業理念は「熱心な素人は玄人に勝る、新しい事を自分で創めよう」。そこに込めた思いを、MBOを果たした代表取締役社長の茂木貴雄氏は次のように説明する。

「日商岩井時代から、自ら未経験の領域を切り拓く形で事業を創るという経験を積んできました。こうしたフロンティア精神こそ、企業を継続させるには重要であるというメッセージです」

また、経営方針としては「社会・顧客のニーズを“Honesty（実直）”“Hospitality（もてなし）”“Humility（謙虚）”の精神とクラウドサービスで叶える」という言葉を掲げている。クライアントの現場の声（ニーズ）に徹底的に寄り添い、最適なソリューションを提供し、クライアントのビジネスチャンス拡大に貢献するという姿勢が貫かれている。

今後の成長戦略としては、新中期経営計画を策定、前中期経営計画で成長投資し創出した新サービスを確実に収益へつなげる「販売拡大フェーズ」と位置付け、以下の2つの戦略によって、2026年3月期の業績目標の達成と企業価値の向上を目指している。

＜戦略1＞　根幹サービスの着実な成長
現在、当社の売上高の約7割を占める『＠nyplace』において、
交換機のバージョンアップと体制の最適化により、収益基盤である当社サービスの着実な成長を図る。

＜戦略2＞　独自サービスで新規市場開拓
前中期経営計画で開発した新サービス（コールセンターシステムのAI化＋マーケティング活用）を含め、
独自サービスで新規市場を開拓し、多様性・拡張性・低価格を求めるマーケットに対応し、収益の最大化を目指す。

「当社は、企業理念のとおり、新しいことをはじめることに熱心な企業です。まさにこれから入社する方と共に、クライアント企業様の現場の”声”を大事にしながら、新規事業を積極的につくっていきたいと考えています」と管理部戦略人事課課長の長嶋美生氏は言う。

現在、社員数は100名。男女比は6対4、平均年齢は34.2歳（2023年3月時点）と比較的若い組織だ。風土づくりは、“チャレンジスピリッツ”“自ら取り組む姿勢”“柔軟な思考”“プロフェッショナリズムの追究”“継続の重要性”といったキーワードを軸に行われている。マネジメントの基軸としては、“経営者マインド”の醸成と“ボトムアップ”のポリシーが挙げられる。

“経営者マインド”を推進する施策としては、課長職以上を“幹部職”と呼び、「経営層の一員である」という意識づくりも行っている。

“ボトムアップ”推進策としては、課単位の目標設定を自部署内討議で行うことが挙げられる。一般的には、全社目標を各課や個人にブレイクダウンするケースが多い。その点同社は、全社目標達成のため、自らの課や個人がどんな目標を設定・追求すべきかを考え、申告するスタイルだ。また、こうした目標以外の分野で努力した社員を表彰する「P-BEC（ピーべック：The Prize of Best Engagement to Collabos）」という公募形式のイベントもある。

「毎年、役員と一般社員半々による事務局を設けてイベントの運営方法を決めています。この事務局のスタイルは、経営と一般社員の距離の近さの象徴でもあります。」（長嶋氏）

前述のとおり、新規事業の提案を積極的に受け付け、認められた社員にグループ会社の経営を任せている実績もある。「人材育成のモットーとして、“出る杭は引っ張る”“手を挙げたらやらせる”というカルチャーがある」と長嶋氏。人材育成制度としては、新人が自社プロダクト等を学ぶソリューション研修や、経理や法務等の基礎知識を学ぶベーススキル研修、階層別研修、資格取得を柱とするエンジニア研修等がある。

社内コミュニケーションの活性化にも、半期毎に行われる決起会や毎年行われる花火大会の鑑賞等のイベントを通じて積極的に取り組んでいる。

「IT企業として、チャット主体のコミュニケーションになりがちで、どうしても対面でのコミュニケーションが希薄になる傾向があります。そこで、こうしたイベントを定期的に行うほか、部活動支援金制度や、コミュニケーション促進費用も設けています」（長嶋氏）

そんな同社が求める人材は、企業理念「熱心な素人は玄人に勝る、新しい事を自分で創めよう」に共鳴し、自ら実践できる人。経験は問わない。未知のことにチャレンジしたい人にとって、見逃せない募集といえるだろう。