ちゅらっぷす株式会社

ゲーム企画開発・運営の、ちゅらっぷす株式会社。沖縄に本社を置くことから、“美ら（ちゅら）＋Apps”が社名の由来だ。アニメIPに特化したスマートフォン向けゲームアプリのプロデュース、企画・開発・運営を手掛けている、ワンストップでゲームプロジェクト立ち上げから企画開発運営まで行う。

同社がリリースしているタイトルは、次のとおり。

●『スピードラッシュランナーズ』
共闘ランニングバトル!! スピランは、オートラン機能で手軽にプレイしながら楽しめるアクションゲーム!
●『おそ松さんの主役争奪ぽこボール』
大人気TVアニメ『おそ松さん』を題材にした、スマートフォン向けゲームアプリ。
●『キングダムDASH!!』
初のフルリモート体制での開発作品！リリース3日で50万登録を突破！
●『元祖！おそ松さんのへそくりウォーズ～ニートの攻防～』
大人気アニメ「おそ松さん」ゲームアプリ。アニメキャストによる録り下ろしボイス実装。累計290万DL突破。
●『犬鳴村～残響～』
●『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。～らいんうぉーず！～』
●『ポプテピピック＋＋～ポプ子ピピ美の友情大作戦～』
●『斉木楠雄のΨ難 妄想暴走！Ψキックバトル』

同社の強みは、アニメIPに特化し、原作のファンをコアターゲットとしてファンが喜ぶゲームづくりに徹しているところにある。
「今、世界にはゲームの数が増え、開発費と変わらないほどのプロモーション費用をかけないと売れない状況になっています。そこで、クオリティーの追求と効率的なプロモーションのためにも、ターゲットを明確にセグメント化し、長期間遊んでもらえる寿命の長いゲームづくりを行うため、アニメIPのゲームアプリ化に特化する戦略を打ち出しています」と代表取締役社長／プロデューサーの中山法夫氏は説明する。もちろん、同社のメンバーは全員がコアなアニメやゲームのファンだ。

同社は、『秘密結社 鷹の爪』等で知られるIPの開発・取得・提供を手掛ける総合エンターテインメントカンパニーで、朝日放送グループ企業である株式会社ディー・エル・イーの100%出資子会社。『斉木楠雄のΨ難』や『犬鳴村～残響～』などは原作の製作委員会から参画し、IPづくりから関わるケースもある。「将来的には、朝日放送やディー・エル・イーと共にIPの開発から主導する動きも増やしていきたい」と中山氏は意気込む。

同社は、2015年7月にディー・エル・イーの開発会社として、沖縄に設立された。沖縄にはIT系の専門学校が少なくなく、県はITやゲーム会社の誘致に熱心で、これに応じた企業進出が続いた。しかし、なかなか定着できず撤退する企業が大半だった。
「沖縄に優秀な人材が残っている事に着眼し、ディー・エル・イーのゲーム化案件を手掛ける拠点として設立しました」（中山氏）

中山氏は1998年に大手ゲームメーカーに入社し、オンラインゲームのプロデュースを経て様々な会社の役員等を務める等、20年以上ゲーム界で活躍していた。
「40歳を越えた時に今後の人生を見直し、東京から沖縄に移住したのです。沖縄の当社には、前職時代の同僚であった執行役員の竹廣将史が在籍していました。そこで、当社に遊びに行ったことを機に参画、経営を任せてもらうことになりました」と中山氏は経緯を語る。

人材採用や教育をしていく中で、自分たちでプロジェクトの立ち上げからゲームを作り上げ運営する力が備わったとして、中山氏が現在の『自分たちでゲームプロジェクトを立ち上げて自分たちでサービスをする』ワンストップ体制にシフトさせた。
「沖縄にはゲームクリエイターや志望者はいても、働く場がありませんでした。そこを当社が担い、この地に本当のゲーム産業を築いていきたいと考えています。」（中山氏）

3年後に目指すビジョンを、中山氏は次のように話す。
「当社は、何かと“沖縄の”という地名で語られることが多いのですが、誰でも知っているメジャーなスタジオとなり、そんなメジャーなスタジオがたまたま沖縄スタートだったという認識に変えていきたいと思っています。“メジャー”の定義としては、セールスランキング常連となる、ゲームクリエイターたちが自然と集まってくる等、いくつか具体的に掲げてそこへ向けて各セクションが具体的にアクションプランを実行しています。」
またコロナ渦を経てちゅらっぷすの環境も大きく変わったと言う。

「2年前から弊社はフルリモート体制に移行しています。　既に沖縄移住しない社員も現れて日本全国どこからでも参画いただける会社になっています。　沖縄移住！と気負う事なく、3ヶ月に一度沖縄出張に行ける！という気持ちで応募してきて欲しいです。」

なお、手掛けるドメインとしては、あくまでもエンターテインメントの領域にこだわる。一方、朝日放送グループ唯一のデジタルテクノロジー企業として、グループ企業のデジタル案件を相談される存在でもある。東京にあるディー・エル・イーとのミーティングのためのVR・MR・AR等の仮想現実技術を利用した会議システムの研究開発や、ブロックチェーンゲームの企画開発の実績もある。

2022年10月現在、同社の社員数は39名、うち役員が4名。20代の社員が最多層を構成し、平均年齢33歳、男女半々という組織だ。「“IT、アニメを最大限生かす企業”というミッションの下、“正直”“丁寧”をマネジメントの基軸としている」と中山氏は話す。
アニメのIPによるゲームアプリを開発する同社の生命線は、いかにキャラクターを立たせるシナリオやグラフィックを丁寧につくり込むかにあるからだ。
「アニメのコアなファンに心底喜ばれるようなゲームをつくるのは、最新の高度なテクノロジーを駆使するという方向性ではなく、どれだけキャラクターが魅力的に思える世界観をつくるかにかかっています。そのために、原作をリスペクトし誠実に向き合う姿勢を最重要視しているのです。そんな当社の姿勢を、IP側からも高く評価されていると自負しています」（中山氏）。
個々のメンバーにおけるこうした姿勢は、定性評価の指標に組み込むことで浸透・推進を図っている。

人材育成の観点では、マネジメントスキルやリーダーシップ等の外部研修を自由に選んで参加できる制度や、東京で活躍しているゲームクリエイター等を招いての勉強会等も積極的に開催している。

コロナ禍を機にフルリモート勤務体制にシフトした同社は、四半期ごとに全員がオフィスに集まる「クォーター会」を設け、情報共有やゲーム大会等で親睦を深めている。また、オンラインによる朝会は毎日実施し、ボイスチャットツールを常時オンにして、いつでも声を掛け合える状態をつくっている。「オフィスでの勤務の時は、シャイなので声が掛けづらかった人もいたが、フルリモートになってからは逆にコミュニケーションが密になって、コミュニケーションエラーも減った」と中山氏。ちなみに、21年4月にリリースした最新作の『キングダムDASH!!』は、IP獲得交渉から座組作り、企画開発までの全工程をフルリモート体制で行った初のアプリ。「リモートでも何ら遜色なくできるという大きな自信に繋がった」と中山氏は満足げだ。

レクリエーションとしては、ボードゲーム愛好者が業務時間後に集まって色々なゲームを楽しんだり、コロナでそれができなくなるとオンラインのチーム対抗ゲーム大会等に参加して楽しんでいるという。

そんな同社が求める人材像について、中山氏は次のように期待を寄せる。
「フルリモート勤務で、ゲーム界で活躍している全国のプロフェッショナル人材の方に是非ご参画いただけたらと願っています！」