株式会社繋

中小規模の企業を対象とし、社内のシステム構築から運用、保守といった業務支援を行っている株式会社繋。現在の同社では、エンジニアが企業のシステムの開発や運用をサポートするシステム運営支援事業を活動の中心としているが、その中でもコンサルティング領域やPMO領域までをカバーして参画するプロジェクトで自社の強みを発揮している。

現在はエンジニア3名、営業担当者1名の体制となっている同社では、メイン事業である企業向けのシステム運営支援事業に加え、外部パートナーを加えたチームで取り組むシステム開発事業や自社サービスの展開という事業にも積極的にチャレンジしている。それぞれの事業に共通しているのは、“ITの力を活用して一つに繋がり、素晴らしい未来にたどり着くこと”を目標とする理念である。その理念について、生命保険会社でのシステム開発業務経験をもとに同社を設立した代表取締役・大岩政博氏に話を聞いた。

「幼少の頃、会社を切り盛りする父の姿を見ながら、中小企業の経営者を助ける力になりたい、もっと効率的な働き方を実現するための力になりたいと思ったことが、独立を志した一つのきっかけとなっています。また、若い人達の働く場所が少ない地方の状況、ハンディキャップや家庭の事情で、希望の働き方ができないケースも世の中には沢山あります。そんな“働きたいのに働けない人達”の悩みを解決する仕組みをつくろう、ということが、当社設立の理念になっています」

ITの力を活用することで、それぞれの人が持つ思いを形にすることを支援する。インターネットやシステムに関する技術を適切に使うことで、悩みを持つ企業や人の思いに応えていく。そんな企業としての姿勢は、開発業務に加え、システム開発に向けたコンサルティング業務を強みとする現在の同社の姿に繋がっているといえるだろう。クライアントの思いに寄り添いながらニーズに応える取り組みに高い評価を得ているという事実は、自社の理念が成果を生んでいるということを表している。

「当社のメンバーは、生命保険会社でビジネスを進めるためのシステム開発に関わってきた経験があるので、技術面・ビジネス面の両方をサポートすることができると思っています。今後は、その力を発揮できる事業をさらに拡大していきたいと考えていますので、自身でプロジェクトを進めながら新たな取り組みにも積極的にチャレンジできる方々には、是非当社に来ていただきたいですね」（大岩氏）。

同社では、2020年6月にオンラインクーポン販売サイト『ごひいきに。』を、そして同年12月には開発案件とエンジニアの人材マッチングサービスである『案件box』をそれぞれリリースした。コンサルティング力に定評がある自社の強みを活かせるシステム運営支援事業に限定せず、自社開発サービスの展開にも力を入れている同社の事業展開について、大岩氏は次のように説明する。

「システム運営支援事業で顧客先のプロジェクトに取り組むことも一つの働き方ですし、自社の環境の中でじっくりサービスやシステムの開発に取り組むのも一つの働き方です。私が大切にしたいのは、メンバーが希望する環境でしっかりと力を発揮できる環境を整えておくこと。つまり、働く人それぞれの状況に最適な“受け皿”となる仕事をしっかりと用意しておきたいと、私は考えています」

同社で手掛ける案件は、金融関係のシステム開発プロジェクトが多い一方、限定的な業界の仕事に特化することなく幅広い業界の仕事も継続的に受注しているという。そこにあるのは、希望しないプロジェクトに無理やりアサインされることなく、メンバー本人が納得感を持って業務に取り組める環境を提供したいという思いだと、大岩氏は語っている。

「もちろん既存の案件だけではなく、メンバー自身が“自社の中で新しい事業に取り組みたい”という思いと面白いアイデアがあれば、予算を組んでチャレンジすることが十分可能です。副業も可能ですし、働いているメンバー、そしてこの会社に関わってくれる人達が“関わってよかった”と思えるような事業をやっていきたいと思っているんです」（大岩氏）。

自社サイトにも掲載されている「あらたなミライとつながるカイシャ」というキャッチフレーズの通り、同社が最も重要視しているのは自社の事業を発展させるのと同時に、関連する人々のより良い人生と明るい未来をプロデュースすることなのかもしれない。そのことについて、大岩氏に考えを語ってもらった。

「事業に関しても、今はIT関連のものだけですが、将来的にはITではなくてもいいと私は思っています。関わってくれる人達が“いい”と思えるものを取り入れていった結果、10年後に当社がどうなっているか、正直なところ私にも分かりません。言い方を換えれば、“こういうことをこのメンバーでやったらとても面白いんじゃないか”というアイデアがあれば、どんなことにでもチャレンジしていきたい。その結果、当社と関わりを持つことで、自分だけではたどり着けなかった新しい世界や、より良い未来を手にするための仕事に繋がればいいと、私は思います」

現在の同社では、3名のエンジニアが損害保険会社や生命保険会社のシステムの運営支援や、公的機関でのシステム化の方針検討支援、建築企業の業務支援システムの新規開発支援等、幅広い領域の案件に取り組んでいる。その業務受注を担当する営業職に加え、同社の採用業務を担っている落合恵美氏は、同社への入社の経緯について次のように語る。

「私は今、1歳になる子供がいるのですが、前職からの転職を希望した際に考えたのはフルタイムで勤務できる環境で働きたいということでした。子育てとの両立だと時短勤務になる企業も多いですし、何かしらの制約を覚悟しなければなりませんが、当社の場合は7時間フルに働けて、子どもの生活リズムを変えることなく勤務を続けられる環境でした。仕事を持ちながら、常に社会と繋がっていたいと思っていた私にとって、その希望を叶えられる会社だと感じられたので、入社を決めました」（落合氏）。

落合氏のように、自分がどうなりたいか、どういう働き方をしたいかということを明確化できている人材こそが自社にはマッチすると、大岩氏は語っている。その目標に向かって努力できる人材に対しては、成果を反映させた報酬で応じることに加え、会社の費用で研修サービスが受けられる等の教育制度、ボランティア活動をするための休暇制度も整えている同社。自社に関わる人々に幸せを感じてほしいという思いは、メンバーの成長を支援する制度や報酬制度にも反映されているということだ。

「自分たち自身でのボランティア活動、売上の一部を子供の成長サポートや地域貢献、就労支援をしている団体に寄付するといった活動、高知ユナイテッドSCという高知発でJリーグ入りを目指すチームのスポンサード等、能動的に関わる人を増やすということにも私達は取り組んでいます。そうした思いに共感できる方にご入社いただきたいというのが私の考えです。難しい世の中になっている状況ですが、その難しさの中で頑張ることで、壁の向こうにある新しいものを手に入れることができるはずです。明確にやりたいことがある方にも、そして自分が心からやりたいことをこれから見つけたい方にとっても、当社の環境は最適だと思いますので、是非お話を聞かせてほしいですね」（大岩氏）。