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株式会社スヴェンソン

  • 製造・メーカー系
  • サービス系

独自技術とお客様に寄り添う姿勢で成長中。

自社サービス製品あり
シェアトップクラス
残業少なめ

企業について

株式会社スヴェンソンは、ウィッグの製造販売と理美容サービスを手掛ける会社だ。メンズウィッグを中心に、レディースのファッションウィッグや病気治療で髪をなくした人向けの医療用ウィッグ等を展開する。同社はドイツ発祥の会社で、1984年に日本法人を設立。以後、40年近くにわたって日本人の髪にフィットしたウィッグを提供してきた。主力のメンズウィッグの領域では業界3位のポジションにある。

スヴェンソンの強みは、その独自の技術。毛髪先進国のドイツで生まれた革新的な増毛法で、自毛を活かして土台とし、そこに特殊な糸を使ってウィッグを編み込んでいく特許技術。金具や接着剤を使う一般的なウィッグと比べて快適性に優れ、自分の髪のように洗髪やパーマ、カラーも可能だ。風等で取れることもない。この独自性・優位性から、他社ウィッグからスヴェンソンに変える人も少なくないという。同社の場合、一度ユーザーになった顧客の継続率は95%超。製品の特性上、継続して使う人が多いとはいえ、それでも驚異の高さと言っていいだろう。

現在、全国に76の店舗を展開し、ユーザーは定期的に店舗を訪れ、自毛とウィッグの調整をする。料金は、製品も月々のケアも全て込みの月額定額制。1998年に業界で初めて、この画期的な定額制を導入し、従来の製品一括購入による多額の費用負担をなくした。ユーザーにとってはお金の心配がなく、常に最適なメンテナンスが受けられ、スヴェンソン側は、ユーザーの数だけ安定収入が得られる優れたビジネスモデルだ。

一方、レディースの医療用ウィッグは事情が異なり、治療を終え、自分の髪が生え揃うまでの平均3、4年間の利用となる。病気のケアは病院が担い、スヴェンソンは治療生活への諸不安等、心のケアを含めた髪の悩みに応える役割を果たす。ウィッグだけでなく「がん哲学外来 メディカルカフェ」をはじめ、患者さまの支援活動を提供することで、患者さまが生きる活力を得る助けとなる。

業績は、主力のメンズは右肩上がりで、レディースは、コロナ禍のステイホームの影響で、ファッションウィッグの利用がやや減ったものの大きな影響はなく、会社全体としては堅調に推移している状況だ。

顧客継続率95%超という驚異的な数字に貢献しているのが情報システムチームだ。主に社内の基幹システムと店舗システムの開発、運用、保守を担当している。かつては、社内システムの開発は外部のリソースを頼っていたが、3年余り前に内製化に踏み切り、以後、社内情報システムの部門を拡充して、現在に至っている。マネージャーとして情報システムチームを率いるのは、宇田氏。内製化のタイミングで入社し、先頭に立って現在のシステムを開発・運用してきた。

スヴェンソンのシステムの特徴は、ベースは市販のソリューションを使っているものの、特にお客様との架け橋となる店舗システムについては、かなり同社独自の事情に合わせてカスタマイズしていることだ。というのも、ウィッグは非常に個別性の高い製品で、一人ひとり異なる頭髪事情に合わせて、オプションを多数用意し、契約形態も、月額定額制を基本としながら細かに種類があるからだ。メンズとは利用の目的や期間が異なるレディースウィッグも含めると、オプションや契約のバリエーションはさらに豊富になる。それらに対応できるよう、システムも細かくカスタマイズしているというわけだ。

一般的には、システムは可能な限り汎用化・効率化するが、同社の場合は、お客様一人ひとりに寄り添うことを重視しているため、システムもその考え方に基づいて運用されている。「事業部門からは日々、『こうしたい』という要望が上がってきます。それをどうすれば実現できるか、現場と議論しながら開発を進めています。当社の場合、淡々と運用するフェーズというものはなく、日々、機能追加をしており、それが大変ではありますが、やりがいでもあります」と、宇田氏は言う。

また、店舗システムを使うのは美容師等の店舗スタッフが中心で、主にタブレットを用いている。以前は、いかにも業務システム然としたUIだったが、現在は、タブレットに適した、直感的に使えるUI/UXの開発にも注力している。このように業務内容は多岐にわたり、今後、さらに充実させたいことから、人員を拡充し、開発力を強化したい考えだ。

「社内情報システム」と聞くと運用のイメージがあるが、このようにスヴェンソンの場合は日々進化し、事業成長を下支えする重要な存在だ。宇田氏は、小規模SIerから転職してきた。スヴェンソンを選んだ理由を聞いた。「SIerは納入したら終わりです。その後、どう運用するのか、どう改修されて次のシステムに移行するのか、等が分かりません。ずっと開発に携わっているうちに、システムのライフサイクル全般を見たいという思いが強まっていきました。加えて小規模SIerでは、どうしても三次請け等の立場になり、システムの全体像もユーザーの姿もよく見えません。一貫した業務を体験したいと考えて社内SEの募集を探し、スヴェンソンに出会いました。転職して今は、責任を持ってシステムをつくり、実際に使っている人の反応を見ながら進化させ、育てることができています。手応えはとても大きいです」

働く環境も格段に向上した。業態上、納期に追われがちだった前職とは異なり、今は、もちろんビジネスのスピードを損なうわけにはいかないが、現場とよく擦り合わせ、クオリティーを担保するのに必要な無理のないスケジュールを組むことができる。残業時間は、繁忙期でも月20時間程度だという。

このような環境の良さは、「美と健康と環境」という企業理念を実践し、お客様のほか社員やその家族まで含めた、全ステークホルダーの幸せを追求する社風によるところが大きい。社会の中の会社という意識が強く、社会貢献活動にも熱心だ。この2年はコロナ禍で実現できていないが、以前は年2回、会長や社長も含めて全社員が参加し、病院や高齢者施設等でボランティア活動を行っていた。

「店舗スタッフの理美容師さんは技術を活かしてカットをしますし、僕らハサミを持てない従業員は、患者さんや入居者さんとお話ししたり、施設の用具や器具等を磨いたりしました」と、その様子を説明するのは人事採用チーム・教育研修チームでマネージャーを務める田辺氏だ。また、レディースの事業部では、ウィッグの提供以外に、がん患者さんを支える様々なボランティア活動に力を入れている。このような社風ゆえ、自ずと「いい人」が集まる。「穏やかな人が多いですね」と田辺氏は言う。

ちなみに宇田氏の上司に当たるグループ情報システム部副部長の松島氏は、元々スヴェンソンのユーザーだった(今も利用中)。店舗スタッフや会社の対応に好印象を持ったことから募集に応募し、転職してきたそうだ。もう十数年になり、店舗や事業部の経験も豊富だ。その知見やユーザー目線は存分に、現職に活かされている。同社の魅力が窺えるエピソードだ。

いい意味で、「社内情報システム」というイメージを裏切る手応えのある仕事。この良好な環境で、社会貢献にも寄与しながら仕事に取り組めるのがスヴェンソンだ。

企業情報

会社名

株式会社スヴェンソン

業界

製造・メーカー系 > 化粧品・アパレル

サービス系 > その他サービス系

製造・メーカー系 > その他メーカー系

企業の特徴
自社サービス製品あり、シェアトップクラス、残業少なめ
資本金

9140万円

設立年月

1984年02月

代表者氏名

代表取締役社長 児玉 義則

事業内容

・ヘアウィービングシステム(編み込み式増毛法)を活用した男性向けかつらの製造、販売、理美容サービス
・女性向けウィッグの製造、販売、理美容サービス
・ヘアケア商品の製造、販売

株式公開(証券取引所)

非上場

従業員数

813人

平均年齢

42歳

本社住所

東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル17階

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