株式会社giobai

ビジネスをゼロから生み出し、それをグロースさせて成功に導く。その一連の流れに身を置いて、ビジネスの神髄に触れたいビジネスパーソンに最適な会社がある。D2C事業を展開する株式会社giobai（ジオバイ）だ。

同社は自らを「D2Cファーム」と呼ぶ。ビジネスの種を蒔いて、水や肥料を与えて育て、見事に花開かせる。あたかも農場（ファーム）のように、斬新なアイデアで生み出した商品を手間暇かけて育て、Consumer（コンシューマー：消費者）にダイレクトに届ける事業だから。

「D2C事業は、自ら開発した商品を自らの手で販売します。世の中の『あったらいいな』をカタチにする創造力、消費者のニーズを的確に把握する分析力、商品の魅力を広く伝える表現力、様々なスキルを駆使してビジネスを成功に導きます。ビジネスの魅力を凝縮した非常にやりがいのある事業です」（代表取締役社長・宮下宗氏）。

同社のD2C事業、その実例を紹介しよう。オンライン肌診断でユーザーの肌を解析し、14万通りからそれぞれに合った美容液をオーダーメイドで販売する『my's』。高い効果を狙い、美容皮膚科医との共同開発で、多角的な成分でアプローチ。天然の良質なオイルをフレッシュな状態で保つため、カプセル型を採用。自分に合ったスキンケアを誰でも簡単にという思いで作られたサービスだ。

「商品企画において制限はありません。ニーズがある市場で勝てる商品を作る、これに尽きます。これまでにいくつもの商品を成功に導いた実績があり、アロマ機能が付いた布団乾燥機や子供の成長を支援する商品を取り扱うブランド等、どれも当社ならではのアイデアで、これまでにない商品を開発しました」（宮下氏）。

同社のD2C事業は単に変わった商品を企画・開発するのではない。美容という巨大マーケット、家電というEC化率が高いマーケット、所得水準が高い子育てマーケットと、戦略的な観点からも“勝ち筋”を描けるマーケットを選んでいる。

「どんな商品もプロダクトアウト/マーケットインの発想で開発されます。ヒット商品を作るには、どちらかではなく、どちらも必要なのです。当社のD2C事業では、クリエイティブもマーケティングも同じレベルで重要視しています。勝てるマーケットで唯一無二の商品を創る、それが当社のD2C事業です」（宮下氏）。

同社のD2C事業の強みは、戦略的かつ独創的な商品企画力だけではない。“ユーザーの心に刺さる”マーケティングで、魅力的な商品を必要とするユーザーへと届ける拡散力がポイントなのだ。

同社のマーケティングのアプローチは、商品の魅力をもれなく詰め込んだLP（ランディングページ）を制作し、SNSやWeb広告を活用してLPへと誘導。ユーザーに商品購入のメリットを伝えてクロージングする、D2Cビジネスの王道ともいえるモデル。同社がこだわっているのは、マーケティングにおけるクリエイティブの質。クオリティーの高いLPや広告動画を制作することで、商品の訴求力は格段にアップするという。

「マーケティング素材のクオリティーには、妥協しません。ユーザー視点を徹底し、UI/UXを考慮したデザインで、商品の魅力を徹底的に訴求します。良い商品でないと売れませんが、良い商品だけでは売れません。商品の魅力を最大限に伝えられるマーケティングの力がないと、D2C事業は成功しません」（宮下氏）。

D2C事業で必要なクリエイティブの制作は、フリーランスのクリエイターが担当している。インフルエンサーや動画制作・Web制作のスペシャリストの手を借りて、同社はいくつものブランドを成功に導いた。

「今後も外部の優秀なクリエイターの力を借りてD2C事業を拡大したいと考えています。そのため、マーケティングやブランディング、ディレクションを担当する人材を増やしていきます。加えて、LPをデザインしてくれるデザイナーも求めています。LPはD2C事業の要。ここのクオリティーを担保するには、PDCAを高速で回す必要があり、そのために内製化を計画しています」（宮下氏）。

同社は、商品企画力とマーケティング力でいくつものブランドを立ち上げて、成功に導いた。そのうちのいくつかは「ブランド」を売却。まとまった資金を手に入れて、安定経営をしながら次々と新しいブランドを立ち上げている。

「D2C事業のExitは様々です。自社ブランドとして運営することも、ブランドを売却してマネタイズすることもあります。自社ブランドの運営は、コストもかかることから、これまではM&Aを前提に事業創造していました。今後は、組織力を強化して自社ブランドの継続的な運営を考えています」（宮下氏）。

D2C事業でブランドを成功に導いた同社は、第2創業期といえるフェーズに入っている。これまでは宮下氏のスキルと経験を生かすために、チームメンバーがアシスタントする形で事業を進めてきた。しかし現在は、宮下氏のスキルと経験を、若い世代へと積極的に伝承し、企業として成長スピードを加速させる経営方針に変わった。

「当社は私の個人企業のような形でしたが、個人的に成功したことで、次は私のノウハウを他の人に伝えていきたいと考えるようになりました。商品企画もマーケティングも社員達が自らの力でやり抜く。私はそのためにアドバイスをするポジションになり、経営レイヤーの業務に専念したいと思っています」（宮下氏）。

宮下氏が第2創業期を始めるに当たって、目標としたのが「事業家の創出」。自分と同じように事業を立ち上げてグロースさせられる人材を育成していく考えだ。

「2030年までに10社で売上100億円。これが目標です。10億円の売上がある事業を10個作り、それぞれを分社化してgiobaiグループで100億円の売上を目指します。そのためには、10人の社長を必要とします。これから数年をかけて、事業を任せられる人材を育成する予定です。社長を目指す人材はまだ足りていません。高い志と野望を持った人材に入社してほしいですね」（宮下氏）。

第2創業期に入って、社員が自分達で考えて動く組織へと変革しようとしている同社。川崎市にあったオフィスも“裏原宿”に移転。メンバーの増員も急ピッチで進めている。

「優秀な人材を確保するため、都心にオフィスを構えました。前のオフィスでは社長も社員も同じスペースで働いていましたが、今回のオフィスではあえて『社長室』を作りました。社員が自発的に働くためには、代表の私が同じスペースにいない方がいいと考えた結果です。社員には失敗を恐れず伸び伸びと活躍してほしいと願っています」（宮下氏）。

事業ドメインにこだわらず、新しいマーケット、新しい商売、新しい商品を作り続ける同社。市場を耕し、アイデアという種を植え、ブランドという果樹を地道に育てる。イノベーションを生み出す起業家集団を目指し、今後は成長と拡大を本格化させる。何でも創り出せる、何でも売れる。左脳と右脳の二つをフル活動させる集団、それがD2Cファーム「giobai」という存在なのだ。