システム・エボリューション株式会社

ITエンジニアが長期的なキャリアを築くのに適した会社がある。SI事業を中心に自社サービスの提供も手掛けるシステム・エボリューション株式会社（以下「シスエボ」）だ。

シスエボのSI事業の特色は、金融・通信・官公庁・公共サービスと幅広い業界にクライアントを持つ点が挙げられる。さらに、汎用機開発、Webオープン系開発、組込み開発、インフラ構築、保守・運用サポート等、技術エリアも様々。同社に所属するエンジニアは、自ら描いたキャリアパスを実現できる現場を選んでスキルアップを図ることができる。

「新入社員研修が終わって最初にプロジェクト配属となる前に、社内で動いているプロジェクトを新人メンバーに紹介し、本人たちが興味を持ったプロジェクトを面談等で確認した上で配属先を決定します。そしてプロジェクト参入後も3カ月に一回、プロジェクト継続の意思の確認。別のプロジェクトに移りたいと希望するメンバーがいれば、個人面談の機会を設けてヒアリング。一緒にキャリアを作っていきます」（取締役 第2ソリューション事業本部長 兼 教育事業本部長・香田昌浩氏）。

シスエボが持つ案件は、プライムも含め商流が浅いものが多く、クライアントに近い立場で仕事ができるため、コミュニケーションもスムーズだ。

「3次請け・4次請けになるとエンドユーザーの声が正確に届かず、間に入る開発会社の思惑で振り回されることもありますが、シスエボではそんな心配はありません。2次請けでもベンダー直系のSIer等、大手が多く、どこも良好な関係を築けています。当社の営業もエンジニアとコミュニケーションを大切にして、エンジニアが現場において独りで苦しむことがないように努めています」（香田氏）。

近年は受託開発やSESだけでなく、自社開発に力を入れている。内定から入社までの間、企業と内定者のコミュニケーションをサポートするサービス『縁～Any See～』は、社員の発案でプロジェクトがスタートしたという。

「縁（えにし）は、内定者と人事担当者を繋ぐサービス。社員がこんなサービスが欲しいと考えたもの。既に競合製品はありますが、ビジネスとして利益を稼ぐよりも、社員の思いや考えを吸い上げて、自社開発を通じてモノづくりの楽しさやエンジニアの仕事にやりがいを感じてほしいと願っています。まだどれもプロジェクトの規模は小さいですが、自社サービスの開発に携わるチャンスがあると自社のエンジニアが感じるだけで意味合いがあります。自分のアイデアが取り上げられてサービスを作る可能性があります」（香田氏）。

システム・エボリューションでは、新入社員研修の内製化に取り組んできた。そして、その結果を教育事業という形に結実。同社を支える事業の一つとして展開している。

教育事業の中心となっているのが「新入社員・中途向けIT基礎研修」。シスエボでは主に4月～6月に新入社員研修を実施しており、同社の新入社員と一緒に研修を受講してもらうサービスを提供している。新入社員研修の内容をカスタマイズし、希望のタイミングで実施することも可能だ。

「設立当初、新入社員研修を外部に委託していました。2014年から内製化のプロジェクトをスタートさせ、2016年からサービス化しています。新人社員研修を自社で行えるようになり、そのノウハウをパートナー企業やクライアント等、他社の新入社員向けに提供。そのほか、IT研修の講師の派遣も行っています。教育事業は、自社エンジニアのキャリアパスを広げる目的も担っています。経験を積んだエンジニアが研修の講師になるというキャリアパスもあります」（香田氏）。

さらに、新入社員研修の内容を動画にして提供するサービスも手掛けている（動画で学べるITエンジニア育成サービス「エボテック」）。1本当たり3～5分程度にまとめられた動画が見放題となったマイクロラーニング形式のサービス。様々なデバイスに対応をしており、通勤時間や休憩時間等の隙間時間を活用して気軽に学習を進めることができ、学習の習慣化もしやすくなっている。

「新人研修向けの内容なのでビジネスマナー、セキュリティーの基礎、Excelの基礎といったITの基礎知識が学べるものから、Java・SQL・インフラの基礎やJavaの実践、Webアプリ制作といった現場での仕事を意識した動画まで幅広く用意しています。目下のところ約500本の動画が見放題です。Pythonの基礎、データ分析、プロジェクトマネジメントの基礎等、エンジニアがキャリア形成に活用できる講座もあります」（香田氏）。

また、SDGsへの取り組みの一環としての、ITエンジニアを育成する「無料ITエンジニア研修」も提供している。未経験者向けの無料IT研修サービスで、学生を含む25歳以下のIT未経験者を対象に1ヶ月間の短期集中研修を実施する。

シスエボにはもう一つ事業がある。PCのセットアップ、導入支援をする「キッティング事業」だ。キッティングのノウハウを持っているパートナー企業の協力の下、オフィスの一角にキッティングルームを設け、オンサイトでの作業や、短納期・小ロットのオーダーにも対応している。

「IT関連の仕事で事業の柱を増やす目的で始めたキッティング事業ですが、自社エンジニアのキャリア形成支援の一環でもあります。開発の前線から身を引いたシニアエンジニアが、年齢を重ねてもできる仕事を作ろうという目的も担っています。キッティングなら最新のITスキルがなくとも従事することができます。定年退職後のエンジニアの再雇用や、研修を受けたもののITの適性がないエンジニアでも、末永く働いてもらうことができます」（香田氏）。

エンジニアデビューから定年後まで、エンジニアのキャリアを幅広く、そして末永くバックアップしようと努めているシステム・エボリューション。経営理念の根底に「社員第一主義」が流れている。

「当社の創業メンバーは、前職で同じ大手SIerに勤めていましたが、エンジニアにとってより働きやすい会社を作るために独立。その後前職の仲間が次々と集まってシスエボの土台は形成されました。創業10年で360名の社員がいるのは、前身となる会社があったからです。今は3分の1が前職で一緒に働いた仲間、3分の1が新卒、3分の1が中途入社とバランスが取れています」（香田氏）。

とにかく、あらゆる面でエンジニアのキャリア形成をバックアップするシスエボ。資格取得支援も充実しており、国家試験やベンダー資格等を取得すると一時金や手当を支給。研修や模擬試験を受ける費用も会社が負担してくれる。

「エンジニアのキャリア形成のフォローアップには、特に気を配っています。SESでエンジニアに自分が望む現場で働いてスキルアップしてもらうには、資格を持っていると面談時に優位になることもあり、資格取得は奨励しています。資格を取ってマイナスの要素は何一つありません。収入を上げる手っ取り早い方法でもあります。資格取得支援制度を積極的に活用してほしいと願っています」（香田氏）。

社員を大切にして、100年先まで在り続ける会社を目指して、事業を拡大し社内の制度を充実させてきたシステム・エボリューション。エンジニアにとって、楽しく働けて、キャリアが築けて、終の棲家にもなる。そんな会社で働きたいエンジニアにとって魅力的な会社だ。