株式会社ソフィアテック

エンジニアがキャリアを伸ばして、働ける会社がある。SES事業を手掛ける株式会社ソフィアテックだ。

1991年に藤井株式会社として創業した同社は、2020年ソフィアテックに社名を一新。前社長の藤井氏からバトンを受け取った代表取締役・古木一行氏が、会社の方向性を大きく変えた。

「創業30年を目前にした一昨年、創業者の藤井前代表が引退するために、会社をソフィアホールディングスに売却。社名も新たにして再出発することになりました。これまで少数精鋭の組織を維持してきたのですが、新社長の下、SES会社として規模と領域の拡大に経営の舵を切りました」（取締役・平澤慎一氏）。

ソフィアテックの前身会社である藤井株式会社を買収したソフィアホールディングスは、インターネット関連事業や通信事業を営むJASDAQ上場企業。2018年から調剤薬局事業を展開し、IT事業と並ぶ収益の柱に成長させた。

「売上規模50億円のIT会社が、調剤薬局の買収で薬局経営に参画し、その後、積極的なM&Aで規模を拡大してIT事業と同じレベルにまで引き上げ、100億円企業になりました。上場企業のグループ入りで、ソフィアテックの経営は安定します。そこで、ソフィアテックのSES事業の拡大を決断しました」（古木氏）。

これまでソフィアテックが強みにしてきたのは「PMOコンサルティング」。PMOとは、プロジェクトマネジメントオフィスの略で、管轄するプロジェクトを集中的にまとめて調整するマネジメント活動を行う組織体。プロジェクトマネージャー（PM）の仕事を全方位で支援する役目を担う。

「PMOは、同時並行で多数走っているプロジェクトを横断的に管理したり、PMの業務をサポートしたりしながら全体の調整をする仕事です。ベンダーコントロールやベンダーの横串管理、情報連携等を担当し、PMの手足となってプロジェクトの成功確率を上げる大事な役割です。当社は、長く大手通信会社やメーカーの現場でPMOを担当してきた実績があります」（平澤氏）。

SES事業でエンジニアを現場へ送り出すソフィアテックが強みにしている「PMO」。同社で働くエンジニアがキャリアを築くのに大切な話なので、もう少し詳しく説明したい。

PMOには大きく分けて次の三つの役割がある。

・プロジェクトの達成度向上（プロジェクト事務支援）
・プロジェクトの品質向上（プロジェクト標準化支援）
・プロジェクトのリスク低減（プロジェクト推進支援）

それぞれの役割を担うために、PMOの業務内容は多岐にわたることが一般的だ。

プロジェクト事務支援では、プロジェクト参画メンバーのPC手配からアカウント管理、経費精算等の事務作業全般を支援する。PMが抱える仕事を事務的に補佐する役割だから、会議室予約、参加者への開催通知の案内や議事録の作成、課題管理（チケット管理）等も担う。

プロジェクト標準化支援では、プロジェクトを成功に導くため、利害関係者（ステークホルダー）のニーズを理解し工程の進行状況、課題、リスクを管理する。プロジェクトを成功させるための知識とノウハウを生かして、資料を作成したり仕組みを標準化したりすることで、方向性を整理しプロジェクトの品質を高める支援する。

プロジェクト推進支援は、プロジェクトを円滑に進めるために、関係者とのコミュニケーションを働き掛ける。チームを横断する課題をスピーディーに解決するためにエンドユーザーやベンダーのコントロールをし、プロジェクト全体を管理することで、利害関係者の間で認識のずれをなくし、リスクの低減に繋げる。

「PMOは、PMの実務的な仕事を一手に引き受ける存在で、大規模プロジェクトには欠かせない存在になっています。プロジェクト進行に不可欠な事務作業を担当する存在であり、ITの知識と経験も求められます。加えて、絶対に必要なのが“コミュニケーション能力”です。PMだけではカバーしきれない組織をまとめる役割ですから、PMの考えを的確に理解してステークホルダーに正しく伝える必要があります。そのためには、コミュニケーション能力が生かされます」（平澤氏）。

PMOに求められる知識や経験、そして「コミュニケーション能力」。これらはプロジェクトマネージャー（PM）に必要不可欠な能力なのだ。

「開発系のプロジェクトではSE経験者がPMになることが多いですが、コミュニケーション能力に乏しい結果、プロジェクトをスムーズに進めることができず“PM失格”の刻印を押されてしまうこともあります。なぜ、PM失格になるエンジニアが多いのか？それは、PMOを経験していないからです。PMOで経験を積めば、PMに必要な素養を養うことができます」（平澤氏）。

つまり、ソフィアテックでPMOの経験を積めば、エンジニアは「PM」になる資格を得ると言えるのだ。

「テクノロジー×PMO＝プロジェクトマネージャー。多くのエンジニアがテクノロジーに精通しながらもPMになることができずに転職を繰り返しているのは、PMOの経験値が足りないから。ソフィアテックにはPMOにチャレンジできる現場と豊富なノウハウがあります」（平澤氏）。

エンジニアがPMになるためにPMOを経験できる会社。それがソフィアテック。そのために重要なのが、同社が新たに打ち出しているSES事業の拡大。PMOのスキルがなくてもアプリ開発やシステム構築で入社したエンジニアがステップアップを果たす環境があるということだ。

「上流工程、特にPMOに特化した形でSESを手掛けてきた会社ですが、アプリ開発やシステム構築の現場にも進出していきます。エンジニアが現場で活躍しながらノウハウを吸収し、その気になればPMOにチャレンジできる会社にしたいと思っています」（古木氏）。

クラウドコンピューティングコンサルティング等、PMO以外の事業も積極的に拡大して、多くのエンジニアが活躍できるフィールドを作るのが、新社長である自分の務めだと、古木氏は語る。

「エンジニアの頑張りに応えられる会社にしたいと考えています。レガシーな技術を生かした仕事も、新しい技術やスキルにチャレンジする仕事もあっていいと思っています。エンジニアはそれぞれの個性と考えを尊重して、自分なりのキャリアをソフィアテックで築き上げてください。会社はそのバックアップを惜しみません」（古木氏）。