この仕事を続けてきた中で、心に残っているエピソードを教えてください。
昔、製油所で精製されたオイル類をタンクローリーに積み込む施設(油槽所)で、出荷のシステムを担当していました。その施設には、オイルを運ぶために、毎日沢山のタンクローリーがやって来るんです。 ある時、私の担当ではなかった既存のシステムがトラブルを起こし、積み込みの受付ができない状態になってしまいました。施設の入り口は立ち往生するタンクローリーでたちまち混雑状態に。目の前の国道は大渋滞で、警察も呼ばれる騒ぎになりました。 困り果てたクライアントから、「坂本さんがやっている出荷システムに、受付のシステムを組み込むことはできませんか?」とお願いされました。それで急遽、私がその場でシステムを改良。何とか受付ができる状態に持っていき、タンクローリーの大渋滞は無事に解消されました。お客様からはとても感謝していただけましたし、私もホッとしましたが、あの時の大行列の光景は、今でも忘れませんね。
坂本さんにとって、仕事とは何ですか?
特別なことは言えませんが、とにかく、幼い頃から「何かをつくる」ことが好きだったので、その想いのままにこの仕事を続けてきたという感じですね。私が子供の頃は、まだWindowsもない時代でしたが、近所の電器屋さんにコンピューターが置いてあったので、それをワクワクしながら触らせてもらいに行っていたことを覚えています。 そんな性格なので、起業したばかりの頃はシステムをつくるのに夢中でした。あの頃は楽しかったですね。今はなかなかそういう時間もなくなってしまったので、少し寂しい気持ちもあります。本当は、経営の仕事より、現場で手を動かしている方が好きなんです。 だから、仕事とは関係なく、休みの日等にプライベートでプログラムを組んでいることも多いですね。気付くと、家の中が自動化されていたりします。
社員には、どのように成長してほしいと思っていますか?
社員には是非「稼げる力」を身に付けてほしいと思います。うちのような中小企業で、FAや物流のシステムを手掛けられる会社はほとんどありませんし、特に物流は、今ニーズが高まっている分野でもあります。また、クライアントと直にやり取りして、上流から下流まで一貫して担当できるので、他の場所ではなかなか得られない特別なスキルを身に付けることができるでしょう。 経験と実績を積み重ねていけば、次の仕事にも応用できるようになります。様々な業界のクライアントがいますし、案件ごとに開発内容は違いますが、同じような考え方でシステムを構築できる部分も沢山あります。他のシステムにも応用できるようなやり方を、沢山ストックできるようになれば、効率が上がり、多くの仕事を受けられるようになりますし、その分稼げるようにもなる。そういう「強み」を、当社で是非身に付けてください。
御社で働く魅力はどんなことですか。
間違いなく成長できるフィールドがありますし、そのためのバックアップは惜しみません。もしスキルアップのために学びたいことや取得したい資格等が出てきた場合は、遠慮なく申し出てください。そのために必要なテキストや研修があれば、その費用は会社で負担します。意欲次第で、どんどん成長できるような環境を整えています。 また、いいものをつくればお客様にも喜んでいただけるので、自然と次の仕事が入ってきたり、他のお客様を紹介していただけたりするようにもなってきます。私自身、会社員時代やフリーランス時代のお客様からの繋がりで、起業後も絶えず仕事の依頼を頂くことができました。 少人数の会社なので、一人ひとりの頑張りを私や上司がしっかり見守ることができるのもメリットだと思っています。頑張りは適性に評価し、しっかり賞与で還元していきますので、思い切り力を発揮してください。
会社を立ち上げるまでの経緯を教えてください。
大学への入学をきっかけに、岡山から上京。FAの設計・開発をしている企業でアルバイトをしていました。小さい頃から機械いじりが好きだったので、自分がつくったシステムで、工場の機械やロボットが動いていくのは面白かったですね。仕事は楽しく、やりがいを感じていましたが、家の事情で帰省することになり、最初の就職先は退職することになりました。 でもやはりこの仕事にやりがいを持っていたので、それからは岡山に拠点を置いて、フリーランスのエンジニアとしてやっていくことにしました。会社員時代の繋がりで案件をもらいながら、全国のお客様先を回る日々。そのまま10年以上経ち、仕事は順調に増えていましたが、一人でやっていくには限界を感じるようになっていたし、「もっと大きなシステムを手掛けてみたい」という意欲もあって、三人の仲間と共に会社を立ち上げることになりました。学生時代から数えると、もう30年もこの仕事に携わっていることになりますね。