中小企業にも大手企業と同等のサービスを提供したいということが起業のきっかけだと伺いました。
それは今も変わっていません。背景には過去の体験があります。デザイン専門の商社にいた頃の顧客には大企業もありましたが、個人のデザイナーもいました。企業姿勢として、大口の顧客と個人の顧客とに差を付けるようなことは一切ありませんでした。そこから学んだことは大きいです。 例えば、予算が大きい仕事でも、予算が小さな仕事でも、我々からするとやることの量や時間はほとんど変わりません。そうであるなら、やればいいと思っています。昔の人はよく言いました。「損して得取れ」と。私の父親も会社を経営していた人間です。今は隠居していますが、「最初から大儲けできるような仕事等は、逆に怪しいと思え」とよく言っていました。その頃、私は反発していましたが、今は分かります。最初は一気に利益が取れるような仕事ではなくても、そのクライアント企業が伸びていけば、結果的には私達にも利があるはずです。 実際、この会社ではそうなっています。例えばあるEC事業者のケースでは、ご相談に来られた時は月間売上が100万円で、月50万円の予算しかないというところからのスタートでした。お取引を始めて、1カ月目にROASが3000%を超え、今ではピークの月で5,000万円を売り上げるまでになっています。そういった例は、1社、2社ではありません。
“ハイブリッドマーケティング”という社名の由来をお話しください。
私は元々、デジタル広告の代理店にいたのでデジタルばかりやっていました。しかし、マーケティング全体に対するサポートは必要だとずっと思っていました。入り口はデジタル広告であっても構いませんが、そこで終わってしまうのはもったいないです。“マーケティング”と付いているのはそのためです。 デジタル広告の業界にいた当時から疑問を抱いていました。デジタル業界の方々は皆さん、「デジタルが全てを凌駕する」と言っていました。しかし私はそう思っていませんでした。マーケティング手法はハイブリッドに融合するべきですし、その方が良い結果を生むだろうと考えていました。アナログを否定せず、デジタルも否定しない。使えるものは使う。不要なものは使わなくて良い。必要なものは使えば良いのです。 プロモーションもクリエイティブも、ハイブリッドに融合できるはずです。今、多くの企業のマーケティングは、部分最適のようなことになっていますが、必要な要素をハイブリッドに融合して実施しながら全体最適化を狙っていくべきです。
採用方針をお話しください。
弊社はマーケティングの支援をする会社です。色々な企業、団体等のマーケティング、ブランディングのお手伝いをしています。その中で我々がまずやらなければいけないことは、マーケティングやブランディング全体の設計図を書く仕事です。ですから、まずは戦略マップを描く能力が必要となります。次に、その戦略マップの実行は、自分達だけではできません。協力していただいている協力会社やフリーランス等のパートナーが沢山ありますので、そこを巻き込んでいく必要があります。そのためプロジェクトマネージャーとしての能力も必要です。いわゆるプロジェクトをリーディングする役割、旗振り役と言ってもいいかもしれません。営業職でお客様の話を聞いて、何か提案したことがある方や、プロジェクトをリーディングするようなスキルを発揮して来られた方、あるいは、そのスキルがあっても、発揮する機会がなかったという方にお越しいただければと考えています。 ただ、弊社は現在、正社員を沢山増やす方向では経営していません。5年ほど前までは、組織の規模を拡大する方向で経営していましたが、あるタイミングから止めました。現在は、コアメンバーとなる方、会社の中枢になれる方を厳選して採用しています。現在人材を募集しているのは、案件数が増えてきてプロジェクトをリーディングできる人材が不足してきたからです。在籍するメンバーだけでは追い付かなくなっていますので増員したいと思っているところですが、今回の採用でも中心メンバーになれる方を探しています。最初から経営の中心に関わるようなことやってくれっていうわけではありませんが、いずれそういったポジションを担っていただける方にお越しいただきたいです。
少人数体制に移行したのはなぜですか。
弊社は、5年ぐらい前に持たざる経営に踏み切りました。きっかけは、私が経済大学院でMBA取得をしたことでした。当時、ティール組織という言葉が流行っていましたが、我々の会社としては、そういった方向に舵を切った方が良いだろうと判断しました。 起業した当時は社員数を増やして上場も目指したいと思っていました。上場に関しては、早い時期から、弊社には必要ないと思いましたが、そういうことを考えるのが当たり前だと思っていました。ただ、長年仕事をする中で、この業種に関しては、必要以上に人数が増えたらサービスクオリティーを低下させてしまうことになるだろうと確信するに至りました。 逆に私達ができないことは、協力してくれるパートナーを沢山増やす必要があります。そういう方々と一緒にプロジェクトを回していく。その中心に私達がいるという形が、多分クライアントに提供できる最高のサービスであると考えています。だからこそ、我々にはチームを組成する力が必要です。社内のメンバーだけでチームを組成することには限界があります。餅は餅屋という言葉がありますが、ライティングはライターに任せるのが一番ですし、写真はカメラマンが一番上手く撮れますよね。社内で外部のプロフェッショナルと同等か、それ以上のクリエーターを育てられるかというと、非常に難しいと思います。クリエイティブのスーパーマンが、世の中には沢山いますので、その方々と一緒にプロジェクトを実行した方がクライアントの満足度は上がるだろうと思っています。 従って、社内では、戦略立案やプロジェクトマネジメント等に長けたミニマムな集団を維持し、外部にはブレーンとなるクリエーターの方々を沢山置いて、その方々と一緒に仕事をしたいと思っています。
クライアントパートナーとプランナー、それぞれの役割をお話しください。
それぞれの役割は、重複する部分もありますが、少しだけ違います。クライアントパートナーは、顧客とのリレーションが多いポジションです。簡単に言いますと、営業的な役割を担っています。プランナーはプロモーションのプランニング、運用管理・分析をメインに担っています。ただプランナーがクライアントと接しないかと言えば、弊社の場合はリレーションを取ります。 何故分けているかと言いますと、各人の性格に寄る部分があります。我々は社員には全員、最終的にはコンサルタントになってほしいと考えています。ただ、リレーションを得意とされる方、細かく分析したり運用管理したりする方が得意な方がいらっしゃいますので、最初の入り口だけ分けています。 足りない部分は経験で補えますし、私達も一生懸命教えますので、実際の業務を経験しながら増やしていってもらえれば嬉しいです。私は社員が教えてくれと言われれば、絶対に断りません。忙しくても時間は絶対に作ります。ご自身の持てる力を発揮したい方は、是非ご応募ください。