SBI Africa株式会社

SBI Africa株式会社は海外バイヤー向けの越境ECサイトやアフリカ諸国の現地販売拠点を通じて、日本の中古自動車輸出を行うスタートアップだ。金融総合サービスを提供するSBIグループの100%子会社として、2019年8月に発足した。
アフリカは2050年には世界人口の4分の1を占めると予想され、中間層の増加に伴う消費市場の拡大が見込まれる等、一層の経済発展が期待される地域だ。
同社は金融サービスと親和性が高い中古車輸出事業を足掛かりに、SBIグループが持つブロックチェーン技術を活用しながらアフリカでの金融サービス拡大に取り組む。ゆくゆくは商材とエリアを広げて、世界に向けた事業展開を行う計画である。成長スピードを加速する同社は、原動力となる人材を広く募る。

SBIグループは証券やネット銀行、損害保険が広く知られる「金融サービス事業」の他、国内外のベンチャー企業等への投資を行う「アセットマネジメント事業」、医薬品・健康食品・化粧品等におけるグローバルな展開を行う「バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業」を主要事業として展開する。
SBIグループは国内においてインターネット金融生態系を構築し、他に類を見ない独自のポジションを確立している。今後さらなる発展を遂げるために、革新的なサービス・ビジネスの創出とグルーバルでの展開を進める。

こうした成長戦略を背景に、海外事業に強い関心を抱いたのが現在同社で代表取締役を務める北川智也氏と取締役の正田匠氏だ。SBIグループの別会社に所属していた両氏は事業プランを策定し、グループCEOに対してプレゼンテーションを行った。助言をベースに事業プランをブラッシュアップする中で、これまでSBIグループがリーチできていなかった「アフリカでの金融サービス」とのワードが上がる。
しかし現地の法制度やインフラが未整備であること等を踏まえると、いきなり金融サービスを展開するのはハードルが高い。そこで自動車金融、国際送金・決済、マイクロファイナンス等の実現に繋げられる自動車輸出業を最初のステップにするプランが浮上した。

こうして2019年8月に同社を立ち上げる。その後コロナ禍に見舞われたことであえて助走期間を取り、2020年10月に中古車輸出越境ECサイト『SBI Motor Japan』を公開した。
そこから一気に事業を本格化する。2021年にはタンザニア・ケニア・ザンビアとアフリカで次々とオフィスを開設。国内ではシナジーを発揮する複数の企業と業務提携を結んだ。
『SBI Motor Japan』は年間で約5,000台の中古車を輸出するECサイトへと成長を遂げ、直近ではビットコインやXRPの暗号資産決済にも対応した。
設立当初に描いたビジョンの実現に向けて、着々と前進しているのだ。

代表取締役の北川氏は「現在当社は立ち上げ期を経て、成長の第二段階に入ったところ。業界大手の背中は見えていて後は追い抜くだけです」と実に力強い。
新興国での日本の中古車のニーズは高く、目論見通り順調に売上を伸ばしている。そこで自動車だけでなく建機や自動車部品、エンジンオイル等の自動車周辺にも商材を広げ始めている。また輸出ばかりでなく、コーヒー豆の輸入も開始する計画だ。
「通貨が不安定になった時、輸出だけでなく輸入も手掛けることで貿易収支に対する影響が小さくなります。そして足元ではアフリカでのビジネスに注力しつつもエリアを限定せず、世界への展開を見据えています」（北川氏）。
多角化することで、事業環境や市況に左右されない会社を目指しているという。
綿密に練られた事業プランと、それを確実に実行できるだけのアセットが強みだ。
「当社には金融事業の経験が豊富な人材が集まり、母体であるSBIの規模の大きさもあります。アフリカでの中古車輸出ビジネスに豊富な資金力を投入して、金融を絡めたサービスを提供できる会社は他にありません。将来的には貿易で利益を出すのではなく、金利で利益を出す概念で展開していきます。つまり本体の利益はいらないので仕入れ価格に転嫁できるようになる。そうなれば同業他社は仕入れ価格で当社に叶いませんから、当社の独占状態になるのは時間の問題です。決して負けない勝ち試合であり、社員もそのことを理解しています」と北川氏は圧倒的な自信を見せる。
勝ち筋を進む中、スピードを加速するためにも組織の強化が急務だ。

全職種で増員募集するが、特にエンジニアの採用に注力する。
「SBIグループとしてWeb3.0の対応技術に注力すると明言しています。当社としてもバーチャルで車を見ながらの商談やトークンを使った資金調達等にWeb3.0技術を取り込みたい。その実現にはエンジニアの力が必要不可欠です」（北川氏）。
同社のエンジニアはリアル店舗とECの融合というDXをテーマとした開発に取り組みながら、自社Webサービスのグロースハックの経験を得ることができる。北川氏の話す通りWeb3.0への取り組みにも積極的で、ブロックチェーン技術を使った越境EＣ開発というまだ誰も行ったことがない領域にも携わる。
また金融サービスの仕組みをつくる上でのエンジニアリングも必要になるため、商社・金融業界の知識も学べる。
こうした複数の経験を同時に得られるのは同社ならでは。希少性の高いエンジニアを目指せるだろう。

現状は開発リーダーが業務サイドからの要望や内容を取りまとめて、外部委託の開発チームに指示を出している。しかし今後内部で開発チームが立ち上がった際にはエンジニアが各部門と直接コミュニケーションを取る形にして、スピーディーにシステムへ反映したいという。
開発リーダーの正田匠氏は「こういう機能があったらいいなという他部門からの声を積極的に拾い、事業を一緒につくることにやりがいを持てる人を求めています。DevOpsを実践するアジャイル開発で1日一人あたり1機能の改修が目途。それを前提に、設計を任せたり使用する技術やツールを自由に決めてもらったり、メンバーには裁量を持って主体的に進めてもらいたいと考えています」と話す。
他部門との横の連携を密にして、気兼ねなくどんどん意見が寄せられる開発チームを目指す。そしてチーム内でもアイデアや提案を上げやすい環境づくりを心掛けたいという。
「SBIグループ自体は金融サービスを主要事業とするだけに堅実な社風があります。しかし当社は20代～30代前半のメンバーが多く、プロダクトも企業も発展中のため、雰囲気はスタートアップそのもの。設立後数年のため社歴が浅い社員がほとんどで、職種やポジションを意識しないフラットなコミュニケーションが特徴です」（正田氏）。
ざっくばらんでありながら、公平かつ建設的に意見交換ができる風土は、DevOpsに即した組織カルチャーだ。

北川氏は「グループ全体として採用においてスキル以上に人格を重視しています。そのため自分の利益だけを考えたり、感情的に人に接したりする人がいない。『いい人』ばかりで働きやすいです」と話す。
社員数がどんどん増えている中でも、新人が独り立ちするまで先輩が付きっきりで丁寧に教えることが自然に行われている。
質問すれば、どんなに忙しくても手を止め顔を向けて答えてくれる。こうした細やかな対応の一つひとつが働きやすい環境を醸成している。

「当社は中古車輸出業界の中でも、SBIグループの中でも一番伸びている会社です。ベンチャー企業の勢いと大企業のダイナミックさの両方を味わえるまたとないチャンスです。是非ご応募ください」とは北川氏からのメッセージだ。
裁量を持ち先進的なチャレンジが叶うと共に、貢献に対するインセンティブと充実した福利厚生サービスが整う。自由と安定、攻めと守りが絶妙なバランスで共存する成長企業だ。