株式会社HADO

株式会社HADOは、2020年11月に設立された動画マーケティングスタジオ。感情の流れを掴む独自のマーケティング理論を武器に、動画×マーケティング領域において事業を展開している。

HADOの動画マーケティングの主戦場となっているのは「TikTok」。TikTokが今後のデジタルマーケティングの鍵となると考え、同社はTikTokにベットしている。

なぜ今、TikTokなのか？

「TikTokは、もはや“ティーンの女子が踊る”だけのSNSではありません。購買能力のある20～30代のユーザーも増加しており、最も多いボリューム層は、まさかの40代男性ユーザー。商品レビューや学習、料理、ニュース等、様々なジャンルの動画が増えて、コンテンツの多様化が進んでいます。30秒→1分→3分と動画の長尺化によりこの流れは加速しています」（代表取締役・田中大雅氏）。

他の主要プラットフォームと比較して、TikTokはユーザーの視聴態度が圧倒的に良いと田中氏は指摘する。音声をONにして全画面視聴するユーザーが多い一方で、「ながら視聴」をするユーザーは少なく、優良な視聴態度で気を逸らさない。だから、広告効果も期待できる。

「TikTokは、人工知能を使用してユーザーの興味や好みを分析し、各ユーザーにパーソナライズされたコンテンツフィードを表示しています。TikTokはYouTubeの平均視聴時間を大幅に超えています。YouTubeは、10分前後の動画がメインだから、1本見れば満足しますが、TikTokは最適化のアルゴリズムでおすすめ動画をどんどん見るので、平均視聴時間は45分といわれています。短い動画を連続して見るため、気が付けば時間が過ぎているといった感じです。そして、最適化のアルゴリズムが優れており、おすすめ動画の中に、動画広告も入っているため、自然な流れで動画広告を視聴してもらえます」（田中氏）。

自分の意志でコンテンツを選ぶのではなく、アルゴリズムによって自分に最適化された動画を見るのがTikTok。YouTubeだとコンテンツやYouTuberをユーザーは見るが、TikTokは「TikTokを見る」という行為になっているというのだ。昔のテレビのように「何となく見る」「流れてくるものを見る」といったユーザーが多く、TikTokを導線にリアルな行動へ結ぶマーケティングが可能だという。

「TikTokでバズった商品がその翌日に136倍の売上を記録する等、ユーザーの購買行動に影響を与える事例が続々と増えています。アクティブなユーザーが多く情報の拡散力も高く、次の流行を先取りできるプラットフォームともいわれています。ただ、媒体は盛り上がっているのに、広告を活用する企業が少ないのが実情。広告出稿の予算額が総ユーザー数に比べ極端に低い。これはむしろ大きなビジネスチャンス。TikTokの媒体としての強みを理解している広告代理店がいないと判断。HADOはそこにビジネスチャンスを見いだし、TikTokというメディアにベットしています」（田中氏）。

動画マーケティングの主戦場に「TikTok」を選んだHADO。
従来のマーケティング支援会社では、自社ではアカウントを持たず、クライアントの商品を紹介する「代理業」が一般的。

対してHADOは自社で美容メディア事業を運営する。
それも1つではなく、6つ。24年中には15-20アカウントまで増やす計画だ。
総フォロワー数は100万人を超えており、このアカウントのグロースで培ったノウハウを還元することが、HADOの「代理業」の肝となる。

「実際に自分たちでアカウントを運用していないと気付けない微細なアルゴリズムの変化や、流行の変化がTikTokには多くあります。”生”の運用を通じてクライアントの商品への購買意欲を高めていく施策の提案ができることが我々の強みです」（田中氏）。

2020年11月、23歳の時に株式会社HADOを立ち上げた田中氏。大学在学中に営業会社を起業した後、某日系マーケティングファームのグループ会社のCMOとして規模2人→20人、売上7.5億円まで成長させた人物。独自のマーケティングを基軸にした様々な事業を作り続けたいという想いからHADOを創業した。

「誰もが事業家になれるマーケティングファームを作ろうとしています。まずはTikTokという急成長中のドメインに張り『TikTokといえばHADO』というポジションを取りにいきます。3年でTikTok広告ナンバー1の会社にします。さらに、現在のマーケティング理論をアップデートして、22世紀のマーケティングスタンダードを作るのが最終的な目標です」（田中氏）。

動画マーケティングスタジオとして、TikTokを事業に選んでいるが、そこに大きなこだわりはないと田中氏は断言する。

「独自のマーケティング理論を武器に、次々と事業を立ち上げる会社にしたいと考えています。それはWeb3の事業かもしれないし、あるいはリアル店舗の運営かもしれない。マーケティングを軸にそれぞれの時代に合ったプラットフォームで『世界の優れた供給と、満たされない需要を繋ぐ』のが、HADOのビジョンです」（田中氏）。

現代版のマーケティングの本質を考え抜いた結果たどり着いた本質的なマーケティング的思考力、すなわち“マーケ脳”を全員がインストールした集団、それがHADOなのだ。

「HADOのメンバーはみんなマーケ脳をインストールしています。脳をアップデートすると見える景色が変わります。人々の隠れたニーズが見え、考え方も物の見方も大きな変化を起こします。そんなマーケ脳をインストールしたメンバーと一緒に、マーケティングを掘り下げたい人材を広く募集しています。本気でマーケティングを極めたい人、22世紀のマーケティングスタンダードを一緒に作り上げられるメンバーを求めています」（田中氏）。

現在のHADOはメンバー10名。リファラル採用で組織を拡大してきたこともあって、メンバーの多くが田中氏と同じ大学出身の20代。平均年齢25歳と非常にフレッシュな組織だが、目下のところそれが悩みの種だと田中氏は語る。

「平均年齢を上げたくてキャリア採用に踏み切りました。マーケティングファームを作るためには、会社としての安心感を与えるために、マーケティングの経験が豊富な人材を迎えて組織を強化したいと考えているからです。どれだけ理論武装をしても25歳の私の言葉には重みがありません。マーケティング支援やCMOの派遣等を事業として展開するには、社会人経験豊富な人材が欲しい。自分が30歳になるまであと6年。それまで待っていられません。平均年齢を30歳の会社にして、事業の成長を加速させます。他社での経験を、是非当社で輝かせてください！」（田中氏）。