オリエンスト社設立の経緯をお話しください。
28歳の時に入社したWeb制作会社に3年間勤務した後、独立してフリーランスのデザイナーとなりました。独立を支援してくれた妻の期待に応えるためにも、また生活費を稼ぐためにも、多くの人に頭を下げながら恥を捨ててとにかくがむしゃらに働いていたのを覚えています。 フリーランス時代に夢中で仕事をする中で出会った多種多様な業界・職種の方との人脈は現在も生きています。多くのクリエイターやマーケッターの方とのつながりができ、互いに切磋琢磨するという良い関係性となっています。 オリエンストを設立したきっかけは、フリーランスになって3年経った頃に岩下から会社を創ろうと誘われたことです。岩下のシステム開発と私のデザインの両方がかけ合わされば何でもできるのではないかとワクワクしたのと同時に、会社として地域に貢献できるような存在になるという目標もできました。 案件も人脈も会社設立時より大幅に増えており、2人だけではいよいよ追いつかなくなっています。今後もっと大きな仕事にも挑戦したいと思っており、そのためには新たなメンバーを迎え入れ、組織的な仕事の進め方を確立する必要があります。自社サービスなどにも注力して業容を拡大しながら、社員だけではなく外部パートナーも含めてより多くの人々が関われる会社にしたいと考えています。
自社サービスの構想について、具体的にお話しいただけることはございますか。
私が考えていることは、様々な業界の商流を変えるインフラを作っていくことです。例えばBtoBの領域では、未だに受発注にFAXを使っている業界が沢山残っていますし、BtoCの領域で一見デジタル化が進んでいるように見える業界でも、時代遅れのシステムが使われていることが少なくありません。そういう業界に入り込んで業務を効率化できるようなインフラを作れたらその業界で大きな影響力を持てます。細かく言えば、全て自前のシステムではなくても構いません。既存のサービスと連携させながらも、オリエンストが主体となって完成させたら、その業界に向けてさらに様々なサービスを投下していくことが可能です。 そうなれば関わる人が増えますし、色々なことにチャレンジできる環境が整います。自分達が新しいことをやりたいという時に、その実績が糧となり生きてくると思います。 そのためにはそれぞれの業界で影響力を持ったクライアントと繋がって、ビジネス成果を上げて認めてもらう必要がありますがその仕掛けは既に進行中です。
Webクリエイターとして生き残っていくために必要なことをお話しください。
私が大切だと思うことは「人との繋がり」です。もちろん技術も必要です。まずはスキルの面で一定のレベルをクリアした上での話ですが、人との繋がりを大事にしていかなければ、生き残ることは難しいと思います。一定以上のスキルがあって、人との繋がりさえ大事にしていれば、何でもできるような気がしています。 そういう実感が持てたのも、オリエンストを立ち上げて様々な専門スキルを持った方を見てきたからです。フリーになった頃は技術があれば何とかなるのではないかと思っていました。そちらを極めていく道もあるとは思いますが、幅を広げることやより良く生きることを考えると、繋がりとかを大事にするということを意識した方が良いのではないかと最近は強く思います。 ただし、オリエンストに迎える人材の考え方は多様で良いと思っています。自分の技術をひたすら磨きたいならそれでも構いません。もちろん望む方にはフロントにも立っていただきます。我々としてはその人に合ったやり方ができると考えています。
これまでの人生で大切にしてきたことをお話しください。
そこまで大袈裟に考えたことはありませんが、昔から自身で物を作ることは面白いと思ってきました。子供の頃から絵を描くのが好きでしたし、高校生の時は建築家になりたいと思って、大学は建築学部に進学しました。その中でやはり平面が好きだと思って、卒業後はデザインの専門学校に通い直したのですが、その専門学校の先生が「こうなりたいと思い続ければ、意識して行動しなくてもそうなれる」と仰っていたことが印象に残っています。 本当かなと思っていましたが、実際私もそう思い続けていたらWebデザイナーになれました。今ではあの先生が仰っていたことは間違っていなかったなと思います。常にそう思っていれば自然と行動に繋がるということもあるのでしょう。
一緒に働く皆さんへの思いをお話しください。
“IT土方”という言葉があるようにIT系は決して楽ではない業種だと思います。私自身、フリーランスの時代はそういう体験をたくさんしました。実際、ある程度の辛抱は必要です。大変な場面があって成長するということもあると思います。 ただ、時代に合ったやり方があるとも思っています。オンとオフの切り替え等、ライフワークバランスは考えたいと思います。もちろんここは少し無理をしてでも頑張ってほしいという時はあると思います。しかし、その時期を頑張ったらその次はゆっくりできるというような環境を作っていきたいと考えています。 これからの時代、一つの会社で長く働くということは少なくなっていくものと考えています。したがって、独立していただいても結構です。独立していただいて、その後もまた一緒に仕事ができれば良い関係が構築できるでしょう。末永く一緒に仕事ができる形を作れれば嬉しいです。