株式会社NIXE

株式会社NIXE（ニクス）は、仙台市にある開発会社。Webシステム開発とホームページ作成、スマートフォンアプリ制作のほか、ゲーム開発、アニメーション制作も手掛けている。

仙台に限らず、東京・大阪・名古屋の三大都市圏（首都圏・近畿圏・中部圏）以外でのエンジニアの仕事は、案件の規模が小さく、中小企業のホームページ制作や簡単なWebシステム開発が多く、スキルを磨きたいエンジニアにとっては、物足りなさがあるのは否めない。その点でいえば、NIXEのクライアントは、ほとんどが東京の企業。最新の技術トレンドを取り入れた開発案件もある。

「創業以来、東京の案件を中心にしてきた実績がNIXEの強みです。地方でのリモート開発で都内の会社に負けないクオリティーを提供しています。リモート開発を成功させるには、コミュニケーションにおいてちょっとしたコツがあります。当社はそのノウハウを持ち、リモート開発でも遜色ないクオリティーを提供できます。都内ではエンジニアが不足していると聞きますが、地方に依頼するにはクオリティーが心配だというクライアントも少なくありません。当社は仙台で開発していますが、クオリティーでは引けを取らない自信があります」（代表取締役・土井康裕氏）。

NIXEは、Unityでのゲーム開発も受託している。さらに、特徴的なのは、キャラクターデザインやアニメーションの制作も請け負っている点だ。ソーシャルゲームの運用代行も手掛けており、キャラクターデザインとアニメーション制作からゲームの運用までワンストップで受けられる会社は、仙台では珍しい。

「ゲーム開発を一貫して受けられる体制は、東北ではほぼないスタイル。開発かデザインに特化している会社が大半ですが、当社は開発もデザインもできます。創業当初はシステムとゲームの開発だけでしたが、2015年10月にキャラクターデザインやアニメーション制作ができるクリエイターが入社。そこから事業が広がりました。キャラクターデザインやアニメーション制作だけの仕事も請け負っています」（土井氏）。

NIXEは、Web制作の中でもシステムのバックエンドの開発に長けている。技術力が高いため、東京のクライアントから新しい開発の話が次々と舞い込んでいる。

「Web3やメタバースといった最新のキーワードの案件に関する相談も増えています。ゲーム開発のノウハウが生かせるので、メタバースの相談は沢山来ます。まだ正式な案件として受注していませんが、チャレンジしたいエンジニアがいれば、前向きに検討したいと考えています」（土井氏）。

NIXEには、会社を運営する上でこだわっていることがある。それは「残業ゼロ」。エンジニア時代、オーバーワークが好きではなかった土井氏の意向で、徹底的に残業時間抑制が進められた。

「数年前までは、残業がありました。しかし、エンジニアに長く働いてもらえる会社にするには、『残業ゼロ』を実現しなければならないと考え、クライアントとしっかり交渉することにしました。エンジニアのオーバーワークは、会社でコントロールすればなくせます。クライアントに無理のない工数を提案することです。適切なスケジュール管理をすれば残業は発生しません」（土井氏）。

残業ゼロにするためにクライアントと交渉する。至極もっともな話だが、それを実現するには交渉権を握っておく必要がある。大半のシステム開発会社は、クライアントに提示されたスケジュールをそのまま受け入れて、現場のエンジニアに押し付け、彼らを疲弊させてしまう。

仙台に限らず、地方のシステム開発会社の多くは、東京の大手ベンダーの子会社、あるいは息のかかった会社で、無茶な開発を受けざるを得ない状況にあるからだ。

「当社は完全独立系のシステム開発会社です。東京のクライアントとは、信頼関係で繋がっており、対等な立場で交渉ができます。原則として、下請け仕事はしません。東京のベンダーの開発の一部を請け負うだけでは、モノづくりの醍醐味を味わえない。クライアントと直接やり取りできるポジションでの仕事だから、エンジニアもモノづくりの醍醐味を味わえます」（土井氏）。

NIXEが仙台の地で、独立系開発会社として「残業ゼロ」を実現できている背景には、土井氏を筆頭にマネジメント陣の強さがある。高い技術力を背景に、クライアントに対して臆することなく、正面から交渉する。クライアントから頼まれると断り切れなくて安請け合いしてしまい、結果、エンジニアに火の粉がかかる。そんな開発会社とは雲泥の差がある。

「追加の開発にはマネジメント陣が対応します。納期も含めて無理のない開発に調整します。そのほか、クライアントからの不当な要求は、マネジメント陣がシャットアウトします。エンジニアが開発に集中できる環境を提供するのが、マネジメント陣の役割です。もちろんエンジニア達には、クライアントの要望には応える努力をお願いします。けれども、エンジニアに余計な負荷がかからないようにマネジメント陣が努力します」（土井氏）。

システム開発会社でエンジニアが快適に働くには、経営陣やマネジメント層の実力が大きなウェイトを占める。NIXEのマネージャークラスのメンバーは、みんな経験豊富で頼りがいがある。

NIXEは、エンジニアを守るために本気で戦ってくれる会社。時には、エンジニアに忍耐を求めることもあるだろうが、エンジニアの忍耐も理解・評価してくれる。NIXEは決してエンジニアを裏切らない。

正義を通す、と表現すれば、言い過ぎかも知れないが、クライアントに対しても、自社のエンジニアに対しても「誠実」に向き合っている会社なのだ。メンバーもみんな温厚で誠実な人柄の人ばかり。オフィスで声を荒らげる場面は見られない。

「メンバー間で適切な距離感を保って働ける会社だと思っています。過度にウェットな関係ではありませんが、みんな優しい性格なので、オフィスはいつも穏やかです。私も含め、マネジメント陣もみんなエンジニア。エンジニアファーストを実現するため、開発以外の仕事をマネジメント陣が徹底的に巻き取ります。エンジニアには開発に専念してもらいます」（土井氏）。

マネジメント層を目指したいエンジニアには多くを学ぶチャンスがある。一方、開発エンジニアとしてスキルアップすれば評価する。マネジメントには向き不向きがある。開発の現場で活躍している人材を本人の希望を考慮せずにマネジメントのポジションに就けても、本人のためにも会社のためにもならない、とNIXEでは考える。

「エンジニアにコミュニケーション力は求めません。エンジニアの中には、高い技術力を持っていても、話すのが苦手な人もいます。そんな人に流暢なコミュニケーションを求めても無理です。それよりも、自分のスキルを生かして存分に開発を楽しんでほしい。そのための環境は、会社とマネジメントが提供します」（土井氏）。

NIXEでのキャリアパスは、エンジニアが会社と相談してデザインできる。システム開発だけでなく、ゲーム開発も手掛けており、最先端技術を使った開発にも参加するチャンスがある。

「Web開発からゲーム開発へのジョブチェンジ、パラレルキャリアも構築できます。ゲーム開発エンジニアがWeb開発のスキルも身に付けることで、ハイブリッドなエンジニアになれます。ゲーム開発だけでエンジニアライフを歩むのは困難ですが、Webエンジニアのスキルを身に付けてハイブリッドエンジニアになれば、市場価値が上がりゲーム開発を続けられます」（土井氏）。

NIXEでは、100名規模を目指して、エンジニアを積極的に増員する計画を進めている。エンジニアを増やすことで、人的リソースや資金に余裕を生み出し、自社サービスやゲームを開発・制作する会社へと進化させる計画だ。

「立ち上げ当初から自社サービスやゲームの開発を考えていましたが、会社の経営基盤の安定を優先しました。会社の規模を大きくすることで、自社開発のサービスやゲームを作ることができます。そのためにも、メンバーが働きやすい会社にしたいと考えています。メンバーの出入りが多いと、会社が成長しません。メンバーが定着して会社を成長させるには、働き心地を良くすること。これからも社員ファーストにこだわり続けます」（土井氏）。