アールアイ株式会社

ソフトバンクおよびワイモバイルのスマートフォンのオンラインショップ『スマホ乗り換えドットコム』を運営しているアールアイ株式会社。ライト通信グループで唯一WEBマーケティングを主体とした戦略的な会社である。

消費者がスマートフォンを手に入れるには、家電量販店や携帯ショップといったリアル店舗での購入が一般的。これに対して、アールアイは集客から機種の販売、契約、開通までの全プロセスをWeb上で完結させるビジネスモデルに特化していることを特長としている。
「お客様がショップに足を運ぶことなくスマートフォンを購入できる点が最大の強みです」とメディア戦略部執行役員の永井和徳氏は胸を張る。

スマートフォンの契約は、通信プランやオプションサービスの選定などで複雑なものになりがち。アールアイではコールセンターも設置し、Webで集客した見込み顧客に対して１人１人のお客様に寄り添う形のハイタッチな接客を行い、スムーズに誘導して契約率を高めている。さらに、電話での接客に対して「高額な商品を売りつけられるのでは」などと不安を感じる見込み顧客には、メールでのやり取りも行っている。

「必要な情報をきちんとまとめてお伝えし、形に残した上で意思決定していただけるように、あえてチャットではなくeメールを用いています」（永井氏）

このようなWEBマーケティングを主体とした販売は賃料の高い繁華街などに実店舗を持たず低コストで運営できるので、その分を商品価格に還元。こうしたコストメリットなどで顧客を増やし、2018年4月の創業以来、5年間で販売台数は累計50万台を突破している。この実績はWEB販売を手掛けるソフトバンク系販売代理店でNo.1となっている。

「こうした成果が高く評価され、ソフトバンク様から優秀代理店として表彰されています」（永井氏）

アールアイは、2018年4月に株式会社ライト通信の子会社として設立された。

ライト通信は1990年に設立され、電気・ガスのコンサルティングサービスを手掛けるインフラ事業、通信回線などを提供するIoT・ICT事業、クラウドPBXや情報セキュリティなどを提供するDX事業、モバイル機器などを提供するショップ事業など、通信系商材を主に扱う企業。グループ総従業員数530名・総年間売上265億円という規模を持つ。

ライト通信グループにおいて、Web上でビジネスを完結させるビジネスモデルの展開をミッションとして設立されたのが、アールアイの位置づけである。この新しいチャネルに集中特化してビジネスを軌道に乗せ、グループ全体に広めていく使命を担う。

「まずは、ソフトバンクとワイモバイルのスマートフォンを商材としてスタートさせました。おかげさまで、高い実績を上げることができ、ライト通信からは取扱商材の拡大を求められているところです」（永井氏）

例えば、スマートフォンの購入客に対して、周辺のアクセサリーなどの商材をパッケージ化してリーズナブルな価格で提供していくことが考えられる。また、個人客だけでなく法人客にも広げ、ビジネスユースのスマホ端末やビジネスフォン、クラウドPBXなどのクロスセルをWeb上で行うことも視野に入れている。

スマートフォンの普及率は、2022年に94％に達している（NTTドコモ モバイル社会研究所調べ）。商機は、4～5年サイクルの買換え需要が大半となる。そこに向けて、Webマーケティングとコールセンターによるアプローチを磨き、シェアを伸ばしていくことも同社の大きなテーマだ。

「できるだけ率直に話してもらえるよう、柔らかい雰囲気づくりを心掛けていますが、こうした全員が集まる場で意見を言うことが苦手なメンバーもいます。そういったメンバーに対しては、別途1対1の場を設けて話を聞きながら、全体に反映させるようにしています」（永井氏）

また、メディア戦略部とコールセンターは常に連携をしており、エンドユーザーの声が届きやすくなるような環境としている。社員の声だけでなく、顧客の声を聞くことも忘れていない。

アールアイの大きな特徴は、その待遇面にある。固定給と年２回の賞与（業績連動）、そしてインセンティブ（不定期）に分かれている。固定給に関しては年2回の人事考課を反映し昇給を行っており、賞与（業績連動）に関しては夏と冬の年２回、インセンティブは状況に応じて不定期的に支給している。

「報酬体系を明確にしていて、それと連動する形で各人の目標設定を明確にしています。そのことが仕事に対しての取り組む姿勢にも反映されています。また、『チャレンジせず100点を取った人』よりも『たくさんチャレンジして90点だった人』のほうを高く評価しています」と永井氏。今後ビジネスを拡大していくためにも、変化を歓迎する風土がある。

能力向上を見据えた人材育成は、その人のスキルアップと会社の収益へつながりそうなものに関しては社外の研修受講も取り入れている。人数が増えた段階で内部での勉強会開催も検討していく。会社としても新しい挑戦をする人材に投資をしているというわけだ。求める人材像についても「自発性と積極性があり、自ら動ける方に加わって頂きたいと願っています」と語るように、変化を恐れず挑戦する人を歓迎している。