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インタビュー画像代表取締役社長 黒飛 功二朗氏

起業に至った経緯をお聞かせください。

新卒で入社した国内最大手の広告代理店は、組織や働き方等の随所に日本の伝統的な文化が色濃く表れている企業でした。私自身はそのカルチャー含め居心地が良く、会社が大好きでしたし、その環境がベストだと思っていました。 そんな時、成長戦略を描く役割で日本法人を立ち上げたばかりのグローバルプラットフォーム企業へ出向することになりました。今では知らない人がいないあの企業です。 そこで、当時の私はものすごいカルチャーショックを受けたのです。社員の服装といった目に見える部分から、働くスタンスや発想、ディスカッションの内容まで、とにかく何もかもが全く違っていたのですから。 例えば日本企業の多くは、足下の短期目標に対してきっちり積み上げていくスタイルですが、その会社はまずビジョンありき。「どうすれば世界が繋がるか」といったシンプルなキーワードで社員が話し合っている。社員一人ひとりが会社のブランドと主体性をまとっていることに驚きました。 初めこそ面食らったものの、そのスタイルが有効だという感覚が浸透していった。グローバルプラットフォーム企業でのミッションを果たして元の会社に戻った時、「両方の良さを取り入れた新たな会社を立ち上げたい」と思うようになりました。その会社への出向経験がなかったら、起業していなかったかもしれません。

スポーツを事業領域に定めた背景について教えてください。

グローバルプラットフォーム企業への出向を経て、日本はインターネットで繋がっていない部分があることに気付きました。コネクトされていないところはどこだろう?と探っている頃、放送局のスポーツディレクターから「学生スポーツの大会をどうにかできないか?」との相談がありました。その学生スポーツの大会はファンが多く、強いコンテンツであり、大きなポテンシャルがあると感じた。私はすぐにネットでの無料配信(同時再送信)を提案しました。今でこそ、スポーツの試合のネット配信は当たり前ですが、2014年当時はそうではなかった。それにもかかわらず、プロモーションしなくても多くのユーザーがアクセスしてくれた。驚きと興奮で、今風に言うと、「学生スポーツのDX化」にのめりこんでいきました。 学生スポーツの大会一つをとっても数千試合が毎シーズン行われます。テレビ中継される試合以外でも、母校や子供・孫が通う学校の試合のライブ映像を見たい人は多い。実に裾野が広いコンテンツなのです。それをインターネットで繋げる事が出来たなら、必ずファンは喜んで頂ける。そしてその構造は、競技こそ違えど他の大会も全く同じ構造です。我々のやりたいことは、熱量の高いスポーツコンテンツを繋げること。 まさに、「まだインターネットで繋がっていない場所」であり「関わる人達の熱量がすごい場所」が「スポーツ」だったのです。

現在のフェーズと今後の展開予定を教えてください。

我々はビジョンに『日本を世界が憧れるスポーツ大国にする』と掲げ、スポーツの「みる」「する」「ささえる」の体験価値を高め、繋ぐことをミッションの一つとして事業展開しています。 そこでまず見る人を支える事業としてスポーツメディア『SPORTS BULL』を通じ、無料動画コンテンツを含んだ豊富なコンテンツを配信しています。 サービス開始から7年目となった2022年度の年間ユニーク来訪者数は、過去最高の6,550万人を突破しました。「みる」に関しては当たり前の環境になった感覚があります。 しかし、我々はスポーツライブ映像の配信会社ではありません。スポーツDXの会社として、今後は「みる」「する」「ささえる」の各事業をさらに伸ばしながら、有機的に繋げていく活動が大事だと考えます。 日本のスポーツアスリートのほとんどは、学校の部活を経験します。日本のスポーツ界を支えるためには部活を支え、面白くすることが重要。部活動支援サービス『ANYTEAM』をはじめ、立ち上げたばかりの新規サービスのさらなる拡大を目指し、同時にミッションに則った次々と新たなサービスを立ち上げていきます。

エンジニアが御社で働く意義は何だと思われますか?

エンジニアリング以外の領域にも目を向けられるエンジニアになれることです。 どういうことかと言うと、私の考えとしては技術の民主化が進む現代において、現業におけるエンジニアのスキル単体では価値が低下すると思っています。そうなると差が付くのは、「エンジニアリング×○○」の部分だと確信しています。例えば、「エンジニアリング×マーケティング」、「エンジニアリング×サービスグロース」、「エンジニアリング×コンテンツ戦略」、「エンジニアリング×ファイナンス」など、エンジニアリングスキルには多くの「掛け算」が作れます。この「掛け算」こそ、現在のビジネスシーンに最も大切で、社会から求められるスキルだと確信しています。 当社は部門こそ分かれているものの、きっちり縦割りという組織ではありません。やりたいこと、興味があることがあれば、積極的に領域を超えて関わって頂きます。間近で見ているうちに気が付いたらコンテンツの企画を立てていたとか、プロモーション領域に興味が湧いて関わるようになっていたというエンジニアが沢山います。 この会社に来て初めてその領域に興味を持てた。開発じゃない仕事もした。そういう部分は開発会社ではない当社だからこそ体験できることであり、提供できる環境だと思っています。スキルアップを目的に仕事に取り組むというよりは、「プロダクトやサービスを良くしたいという思いで夢中になってやっていたら、エンジニアリングに加え新しい掛け算がスキルとして積み上がっていた」。私としてはそうした状態が理想だと考えています。

御社で働く醍醐味と共に、Greenユーザーへのメッセージをお願いいたします。

意外に思われるかもしれませんが、スポーツが好きかどうかは全く選考基準にありません。私自身も運動系の部活経験はありません。スポーツ好きな人とそうでない人の両方がいることで、ニュートラルな新しい視点が持てると考えています。もちろんスポーツが好きな方は、ストレートに仕事を楽しめるでしょう。 そうでない人は、「世の中が変わっていくこと」と「生活者の熱量」を肌で感じられることが醍醐味です。我々が提供しているのはビフォーアフターがはっきり分かるプロダクトであり、BtoCで生活者と接点を持てるサービスです。その領域がスポーツだったということ。 そのため、スポーツに興味がなくても、身体を動かすことが苦手でも全く問題ありません。スポーツ産業には大きなポテンシャルがあり、かつエンジニアが活躍できる伸びしろがあります。そんなスポーツ業界で、経験とスキルを発揮してみるのもいいのではないでしょうか。気兼ねせずに、飛び込んできてください。

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