株式会社DRモビリティーズ | インタビュー

代表取締役今井翔太氏エンジニアが健康で豊かなエンジニアライフをすごせる会社を目指して起業したエンジニア経営者。自身が仕事でメンタル不調を経験したこともあり、エンジニアを守る経営を信条としている。高校生の頃からドラムを叩いており、現在もバンドでライブに定期的に出演。好きな時にドラムが叩ける環境を求めて、スタジオ設備のある自宅を建てるのが昔からの夢だとか。

株式会社DRモビリティーズを創業するまでの経歴は？

2011年に大学を卒業し、新卒でベンダー系のシステム開発会社に入社。そこで6年間、インフラエンジニアとしてキャリアを積みました。インフラエンジニアのキャリアは、私の希望ではなかったのですが、1、2年経った頃から仕事がおもしろくなり始めました。キャリアの後半はMicrosoft365の構築・運用をメインにしていました。入社5年目にメンタル面で不調をきたし、半年ほど休職しました。新しい常駐先が私の肌に合わず、会社に「現場を変えてほしい」と意見を伝えることもできず、どんどん追い込まれていき仕事を休むことになりました。復帰後、別の現場に移ったのですが、そこでも仕事を休みがちになり、思い切って環境を変えようと考え転職しました。

同社を立ち上げたきっかけは？

メンタルを崩して転職をした際にインフラエンジニアが引く手あまたなことに気が付きました。私も数社から内定をもらい、無事に環境を変えることができて、メンタル面も完全に復調しました。その会社では、SESで2年間働きましたが、インフラエンジニアは市場価値が高いことを知り、フリーランスに働き方を変えました。前職の最後の現場でクライアントから信頼され、フリーランスとなってからも同じ現場で働いていました。ところが、フリーランス2年目に入った頃、コロナ禍の影響で仕事がなくなってしまいました。フリーランスの不安定な点を実感しました。とはいえ、引き続きインフラエンジニアへのニーズは高く、すぐに新しい案件が決まりました。フリーランスの働き方には、メリットとデメリットがあるのを短期間で学び、エンジニアがフリーランスのデメリットを抑えながらメリットを得られる会社を作りたいと考え、起業を決意しました。

同社が求める人材とは？

向上心があるエンジニアと働きたいです。当社はまだ設立3期目の小さなスタートアップです。エンジニアも私を含めて2名。これから本格的に会社をスケールアップさせる段階です。向上心を持って一緒に会社を成長させてくれる人材だとうれしいです。もちろん、自分の技術を極めることに専心したいエンジニアも歓迎。エンジニアには様々なタイプがいることを知っています。それぞれのエンジニアが自分にマッチした働き方を選択できる会社にしたい。だから、いろんなタイプのエンジニアに集まってほしいと願っています。私自身の経験からも、エンジニアが現場で追い詰められてメンタル面で不調にならない会社を作りたいと思っています。それもあって、エンジニアとのコミュニケーションを大事にしていきます。エンジニアには会社に何でも話してもらいたいです。エンジニアの希望や悩みを聞ければ、会社はサポートできます。エンジニアが何も話してくれないと、会社はエンジニアが求めている環境を与えられません。エンジニアが何でも話せるような雰囲気を作っていきたいと考えているので、オープンマインドもエンジニアに求めたいところですね。

仕事をする上で大切にしていることは？

相手の気持ちを考えることです。人は独りで生きることはできません。周囲の人に与えたものが、回り巡って自分に返ってくると信じています。その意味で、自分の周囲にいる人の気持ちや事情を考えて行動することが大切です。会社を成長させるには、社員の協力や成長が欠かせません。社員の頑張りをサポートし、その努力を正当に還元するのも忘れてはならないと考えています。私はエンジニアの仕事に強いこだわりを持っているタイプではありません。その意味では、会社のフェーズや社員の増加に合わせて、現場から離れて会社の経営や営業にフォーカスするタイミングがあるかと思います。その時に、エンジニアとして現場で働いた経験が活きると考えています。エンジニアの気持ちが分かるので、彼らがどんな思いで働き努力しているのか、真正面から受け止める会社でありたいです。会社を成長させたいと考えていますが、エンジニアに犠牲を強いてまで会社を大きくする気はありません。当社の主役は、エンジニアです。彼らの成長こそが会社の成長だと信じています。

今井代表にとって仕事とは？

人生の中で仕事をしている時間はかなりの割合を占めます。その意味では、個人の仕事は生き様そのものだと思います。生きるための糧を得る手段ではありますが、それだけで終わるものではなく、仕事を通じて信頼や貢献などの豊かな喜怒哀楽の感情を得られる貴重な機会です。私は仕事を“生き甲斐”にするタイプではありません。プライベートも大切にしています。個人的な趣味であるドラムも人生の大事な要素。それでも、仕事は人生の一部として大切にしています。エンジニアの仕事をしていると、色々不安を感じるものです。私も「50代になって仕事があるのか？」と不安に思い、フリーランスではなく社員と一緒に成長できる起業を選びました。長く仕事を続けるには信頼関係が大切です。社長になれば社員や取引先からの信頼が必要ですし、エンジニアも後輩や現場のクライアントから信頼を得ることで仕事が続きます。今の仕事を個人としてプライドを持って手掛けていれば、その努力が信頼に繋がり人生を豊かにしてくれます。