株式会社Offbeat

株式会社Offbeatは、2020年3月に大阪市で創業され、Eコマースの領域で着実な成長を遂げているベンチャー企業である。現在は自社の強みを生かした企業への支援事業と、自社ブランドのD2C事業を展開中だ。

強みとして挙げられるのは、まずECコンサルティングのスキルだ。創業者である代表取締役・高橋健氏をはじめ、同社には大手ECモールでECコンサルタントとして豊富な経験を積んだ人材が多数在籍している。そのスキルをベースに、創業以来展開してきたのが、中核事業と位置付けるECコンサルティング事業だ。現在（2023年6月）は、HR・販促事業等を手掛ける会社の出身者、大手広告代理店の出身者、年商60億円以上のD2Cアパレル会社のCEO経験者等も参画し、販売戦略や商品企画、広告媒体やSNSを活用したPR、ECモールごとの特性に合わせた施策を組み合わせたマーケティング、サイトの制作や改善まで、ワンストップで支援している。

二つ目の強みは、インフルエンサーを活用したSNSマーケティングのノウハウだ。1.1万人のインフルエンサーが登録する国内最大級のインフルエンサープラットフォームを運営。クライアントに合わせてキャスティングし、InstagramやTikTok、Twitter等を通じ、最適化されたPR施策を実施。同時にクライアントのSNSアカウント運用を代行することで、PR効果の最大化をサポートしている。

以上、二つの強みをベースとし、主にECモール内での販売を支援してきた同社だが、激化する価格競争から逃れ自社サイトに注力する企業も増加してきた。そういったEC事業者のニーズに応えるため、2022年に立ち上げたのが、WEB広告の運用を代行するデジタルマーケティング事業だ。現在は、クライアントの課題に合わせ、三つの支援サービスを組み合わせた支援を行う。創業後3年間の支援実績は、述べ約200社に上る。クライアントは、立ち上げ間もない小規模なEC専業事業者から、大手飲料メーカー等上場企業のEC事業部まで、規模感も業種業態も多種多様だ。

「紹介で取引が始まったお客様ばかりですが、一見のお客様はほとんどありません。一般的な広告代理店と当社の違いは、コンサルティングから入って支援している点です。ずっと数字を追ってきたバックボーンがありますので、ただ集客だけをフィードバックする会社と違って、お客様と同じ方向を向いた支援がしやすい。そこがお客様の安心材料になっていると自負しています」（高橋氏）。

自社ブランドのD2C事業もインフルエンサー活用のノウハウを生かしてスタートした事業だ。インフルエンサーをブランドプロデューサーとして迎え、共同で商品を開発。インフルエンサーがプロデュースするブランドとしてSNSを中心に販売している。2021年8月にリリースしたヘアケアブランド『ruban de chouchou』、続く2022年1月にリリースした低糖質スイーツブランド『&Mel』はいずれも順調に認知を拡大。前者は2023年3月からロフト150店舗で展開し、後者は数カ月ごとに新宿マルイ等にポップアップストアを出店する等、WEB以外のチャネルでも販売を開始するまでになっている。さらに2023年春には、第3弾のアクセサリーブランド、第4弾のアパレルブランドを立て続けにリリースする等、順調に事業を拡大している。

2020年3月、高橋氏一人でスタートした同社。以来、毎年順調に規模を拡大してきた。企業への支援事業、自社D2C事業共に業績も好調で、2023年度はそれぞれ昨対比1.5倍の成長を見込んでいる。

2023年3月には、EC領域以外のサービスもスタートさせた。SNS採用支援事業だ。共感や感動を軸にコンテンツを作成し、SNSを通じて発信することで、従来の方法では見えにくかった企業の魅力を訴求するサービスだ。

「元々EC支援は、“元気のない企業を元気にする”というコンセプトでスタートした事業です。その中でSNSを活用した支援をしてきました。そのノウハウを採用にも生かしたいと考えました。ECはモール型から自社サイトに移行していっているのに、採用は動きが止まっています。オウンドメディアで採用が上手くいっている会社は決して多くありません。応募者が本当に知りたい姿をSNSで表現する支援を行っていきます」（高橋氏）。

会社設立からの3年間は、過去の経験を踏まえ、自身達が得意とする領域でビジネスを作ってきた。今後はそれを土台としつつ、ECにこだわらず、幅広い領域に積極的に参入していく計画だ。SNS採用支援事業もその一環だ。日本全国、または世界中に感動を与えられるサービスを模索しながら、社会的に認知された企業を目指していく。

高橋氏は、新卒で大手ECモール運営会社に入社。大阪、神戸の各支社で9年間、ECコンサルタントとして勤務。その後、携帯電話事業部に異動し、サービスローンチまでの1年間営業統括を務め、150名の部下を指揮した経験を持つ。起業した際に痛感したのは、前職時代との事業規模の違いだった。

「会社を立ち上げたばかりの頃、扱う数字の規模を見て、社会からすればいてもいなくても良いような存在であることを痛感しました。社会の一部として認知されなければ会社を始めた意味がありません。今のままでは、どんなに成長しても数十億円ぐらいの規模で終わってしまいます。社会的存在になるには、社員を増やし、事業の幅を広げつつ、一つひとつの事業規模を拡大していく必要があります。何が芽を出すかは分かりませんので、どんどん事業を増やしていきたいと考えています」（高橋氏）。

以上、今後は既存事業にとらわれず、時代の変化や社会のニーズに合わせた新しいサービスを積極的にリリースする計画の同社だが、その計画を実行するため、本格的な採用活動を始めている。

現在、同社の社員は15名。それぞれ、ECコンサルタント、デジタルマーケティングコンサルタント、SNSマーケティング、ブランドディレクターといった役割を担う。平均年齢は30代前半と若い組織である。大阪本社の他、東京、広島にサテライトオフィスがあり、それぞれ2名ずつ勤務している。

新たに迎えたいのは、既存事業で即戦力として活躍できるスキルを備えた人材である。ECモール出身で、物販やSNSに関連した業務を経験してきた人材、WEB広告代理店等で広告運用に携わってきた人材、さらに商品企画やブランディング等に携わった実績がある人材を増員する計画だ。

「しかし最も重視しているのは人間性です。初めて取り組むことにも貪欲に取り組み、吸収できる素直な方を求めています」（高橋氏）。

実際、SNSマーケティングやデジタルマーケティング、D2Cに関わるメンバーのほとんどは未経験からのスタートだ。例えば、ECコンサルタントからデジタルマーケティング、ECコンサルタントからブランドディレクター、化粧品販売からブランドディレクター、アパレル販売からSNSマーケティング等、入社前にはなかったスキルを身に付け、各事業の戦力として活躍するまでになっている。もちろん経験者のナレッジ共有、オンラインスクール受講等、スキル獲得に必要なバックアップは惜しまない。

「一緒に働くメンバーには、仕事に没頭してほしいと思っています。しかしそのためには、会社としても、裁量を持って働けたり、決まった時間内で仕事が完結できたり、動きやすい環境作りは進めていかなければなりません。会社は一日の半分以上を過ごす場所ですので、自宅の次に居心地の良い環境作りを意識しています」（高橋氏）。

同社の魅力は、まず、国内を代表するような大手企業で活躍してきたメンバーをはじめ、経験豊富で優秀、かつ熱量の高い人材と一緒に働ける環境だ。そういった人材が持つナレッジを共有し、刺激を受けながら成長していける。また、現時点では小規模なため、大きな裁量を持ち、それぞれが持つスキルや個性を発揮して仕事ができる。個人の取り組みが会社の動向に直結することも一つの魅力だ。

「まずは社員を増やし、この会社で働きたい、と思ってもらえるような社会的信用が得られる会社にしたい。そして社員一人ひとりが、自身の仕事に誇りを持って取り組めるような会社を作っていきたいと考えています。その結果、より多くの人々に喜んでもらえるようなサービスを提供できるようになれば良いなと思っています」（高橋氏）。

その目標に向け、社内体制の整備だけではなく、ネットワーク作り等社外環境の整備にも取り組む。高橋氏が見据えるのは、あくまでも日本中・世界中に大きな影響を与える企業の姿だ。その目標を共有し、一緒に作り上げていくことにやりがいを持って取り組める人材の応募を待つ。