オネッティア株式会社

オネッティア株式会社は、大規模ITプロジェクトの企画提案・開発・運用支援を手掛けるスタートアップ。同社は、システムエンジニアにプロジェクトマネジメントやコンサルティングといった上流工程で活躍する案件の提供を通じて、スキル・キャリアアップに応じた高待遇の実現をテーマにしている。

同社の事業内容は、数億円～数百億円規模のITシステム構築・ITプロジェクトにおけるPMや社員代替業務（システム設計・構築・運用・保守）。ベンダー側・ユーザー側のどちらにも対応する。課題のヒアリング、企画提案のコンサルティングフェーズからの支援も多く、プリセールス提案や要件分析（Fit＆Gap）、RFIやRFP作成等も担っており、総じてプロジェクト全体の管理運営階層を任されていることが大きな特長だ。
「様々案件の引き合いがある中、損害賠償一歩手前の状態まで“炎上”した案件を鎮静化しリリースに至らせるといったケースもありました。要件や要求の掘り起こしといった営業チックなコンサルから、実際のプロジェクト運営、DevOpsを見据えた運用・保守体制移管まで対応できますので、業界でもレアな存在としてお客様からの引き合いが絶えない状況です。」と代表取締役社長の丸山伸幸氏は胸を張る。

プロジェクトの主な実績としては一例として次のものがある。いずれも数百億円・エンジニア数百名クラスという大きな規模だ。
●中央省庁のスーパーコンピューター導入プロジェクト：ベンダー選定や実地監督としてインフラ面全般を支えるPMとして参画
●中央省庁の国民向け次世代デジタル統合基盤構築プロジェクト：受託コンサルティングファームのPM補佐として参画
●大手金融機関の次期システム基盤策定：プロジェクトの立ち上げから製品アドバイザリーやPMとして参画
●大手人材サービス会社の統合におけるIT領域のPMI（Post Merger Integration：M&A後の統合効果最大化）プロジェクト：業務推進マネージャーとして参画
●地方自治体約4万名のID管理課題の解決プロジェクト：課題や要件の掘り起こしから製品やベンダー選定、基盤構築マネージャーとして参画
●決済ゲートウェイ提供会社のクラウドリフトプロジェクト：インフラ・ネットワーク・セキュリティコンサルとして参画
●完成車メーカーの海外工場設置における日本本社等との通信回線の設営：PM補佐、プレイングリーダーとして参画
●大手アニメ配信会社の国内アニメの世界同時配信ネットワークの提案、構築：プリセールス、プレイングリーダーとして参画

クライアントは国内外のコンサルティングファームや大手・中堅SIer、ITプロダクトメーカー等のベンダー側だけでなく、中央官庁や地方自治体、大手金融・保険、大手流通やメーカーといったユーザー企業の情報システム部門側としても参画している。

代表の丸山氏は中学時代から趣味でパソコンを触り始め、高校卒業後にセキュリティメーカーに入社する。
セキュリティプロダクトの開発・販売を手掛ける企業であったが、単なる販売に止まるのではなく、導入企業のサーバーやクライアント構成の提案から設計・構築、プロダクトの導入や運用、保守までトータルに手掛けるSI事業も行っており、売上の多くを占めていた。丸山氏はSEとしてこのSI業務に15年ほど従事する。
「当初から15年勤めたら独立しようと思っていました。その勤続15年目を迎えて退職を決めた時、引き留めが多く迷ったものの年齢的に今を逃すと次のチャンスはないと考え、意を決して退職しました」（丸山氏）

退職後はフリーランスとなり、「5年間継続できたら法人成りしよう」と決め活動を開始。得意とするITインフラ領域の構築や運用、PM等を5年間手掛け、2018年6月、オネッティアを設立する。

社名の由来は、One＋Tier＝OneTier。“Tier”とは強さやランクの階層の意味で、“Tier1”はその中でも最上位を表す。「“OneTier”には、IT業界の“Tier1”として上流工程の仕事を続け、エンジニアの価値を高めていきたいという想いを込めている」と丸山氏は説明する。

同社の経営理念は次のとおりだ。

●日本のエンジニアの価値を高め、より付加価値の高いサービスを提供する。
●より上流の仕事を受注し、エンジニア個々のスキルや人間性を高める。
●収益性だけでなく、社会的にも意義のある事業を展開する。

その本心について、丸山氏は次のように話す。
「日本では『ITエンジニアが圧倒的に足りていない』と言われていますが、その割に待遇は悪いことが多く、例えば一般的な若手のシステムエンジニアの年収は400～500万円、30代後半や課長なりの役職がついて600万円～700万円といったところではないでしょうか。成果主義やジョブ型と言いつつも、まだまだ年功序列のような状態が残っていると考えており、そのような業界の潮流を覆していきたいと思っています。実際に当社では案件難易度による給与設定を導入しており、20代であっても年収1000万円お支払いできるような案件もたくさん舞い込んできています。そこまではスキルがなく難しいと思われていても、上昇志向や意志があれば着実にステップアップできる案件に優先的にアサインし、給与アップという具体的なリターンを手に入れていただけるようにしています。」（丸山氏）

2023年6月現在、丸山氏を含めて2名の体制。直近のビジョンとしては、2025年までに10名程度までエンジニアを増やし、安定した組織体制を構築、受注案件の増加を目指す。
「現在、年間15件ほどのオファーがありますが、請け切れないのでお断りしている状況です。このロスを無くし1件でも多くお客様のご要望に応えていきたいと思っています」（丸山氏）
2028年以降には未経験者採用を含めて50名体制まで増やし、さらなる組織拡大を図っていく構えだ。

当面の目標である10名体制における組織運営のイメージについて、丸山氏は次のように言う。
「コロナ以前から提唱はしていましたが特に力量のあるエンジニアについては、オフィスを構えて集まって仕事を行うという時代ではないと思います。コロナ禍でそのようなインフラが整ってしまいましたが基本的にフルリモート体制で、自己マネジメントにおいても大きな裁量権をお渡ししたいと思っています。有給も無限ではありませんが、現場での調整がつく（丸山氏）のであれば自由に取っていただいて構わないと思っています。」（丸山氏）
「もちろん、会社として相談に乗ったり参画先へ伝えたりすることも可能ですし、飲み会やゴルフなんかが好きであれば同好の士を募っていただいても良いです。ご自身にあったやり方で働いてもらえればと思います。」（丸山氏）
と、様々な要望に柔軟に対応出来るフットワークの軽さも魅力だ。

「私も二度、独立を経験していますのでひとつの会社にこだわる時代でもなくなったと感じています。そういった方たちの受け皿としても利用していただきたいですね。」と丸山氏。
「例えばいきなりフリーになるのは怖い。ある程度会社という枠組で守ってもらいながらフリーの様な仕事内容でステップアップし独立する。といった将来像を考えている方も大歓迎です。私の独立時のノウハウやナレッジをアドバイス出来ますし、独立直後の不安定な時期は積極的に当社から案件を回す、といったことも可能です。」（丸山氏）

なお、同社では面接時に働き方の指向を確認し「独立的にやりたい人」と「チームとして一緒に取り組み、ゆくゆくは経営幹部を目指したい人」を分けて対応する。
「基本的に相談事はウェルカムですが、前者には『事後報告でOK。自分だけで解決できそうになければ連絡してほしい』といったレベルの任せ方を行い、後者とは機会を設けて密なコミュニケーションを行うなど、それぞれにとって働きやすい環境づくりを行っていく方針です。」（丸山氏）

そんな同社の求める人材像について、丸山氏は次のように話す。
「上流工程になると技術力は当然のことながら、それ以上にコミュニケーション力が問われます。昨日今日初めて会った人をマネジメントしないといけませんから我が強いとうまくいきません。そういった教育も充実させていく予定ですが相手の立場に立って考えられる方に来ていただきたいと願っています。」

同社では、エンジニアのスキルや案件難易度に応じて①ジュニアクラス、②シニアクラス、③PMO・リーダークラス、④マネージャークラスのエンジニアを求めている。
上流工程を手掛け、キャリアアップをしたいと考えているエンジニアにとっては見逃せない募集だろう。