株式会社アクティブリテック

株式会社アクティブリテックはXRとDXでソリューションを提供する不動産テックカンパニー。クライアントやユーザーが想い描く未来のビジョンを、テクノロジーを駆使して現実世界・システム世界・仮想世界に実現することを目指す。

●XRソリューション
仮想世界を体験できるVRや現実世界に仮想世界を拡張するARなど、3DCG技術を活用した仮想世界を生成。具体的には、未完成物件の部屋の中を疑似的に歩いて見学できるバーチャルモデルルーム等を制作しています。マンションデベロッパーにとっては、物件の建設地ごとに5,000万円ほどかかるとされる実物のモデルルームを設けず、バーチャル空間にシフトできるといったコストメリットは大きい。
CG制作においては、マンションデベロッパーの物件紹介サイト等における完成予定CGパース（静止画）やCGアニメーションの他、インテリア企業の商品CM等、不動産業界以外にも積極的に展開している。
さらに、プロデュース企業と提携し、レベニューシェアの形でメタバース空間におけるバーチャル展示会を構築・運営。国内の食品会社のブースに海外のレストランオーナーを招いてマッチングを図る独自サービスも手掛けている。
これらのXRソリューションは3DCG技術のみならず、後述のDXにおけるデジタル技術も組み合わせることで、仮想世界を用いたビジネスモデル・業務プロセスの変革を試みている。

●DXソリューション
クライアントのニーズをもとに、データとデジタル技術を活用してビジネスモデル・業務プロセスを変革。具体的には、マンションやシェアオフィス、ホテル等の管理システムや利用者とのコミュニケーションツール等を提供。シェアオフィスやコワーキングスペース、共用ラウンジ、貸会議室等に向け、Web上での決済と顔認証、スマートロック等を組み合わせた無人運営システムのパッケージソリューションも開発・提供している。
また、不動産会社向けにUiPath等を用いたRPAソリューションも提供。不動産会社においては、利用者への請求や入金チェック等の単純作業が少なくない。こうした作業の自動化による業務効率化を支援している。

同社には、大手コンサルティングファーム出身のコンサルタント、クライアントニーズに合わせたスクラッチ開発を得意とするWebエンジニア/XRエンジニア、高精度3DCGの制作を手掛けるクリエイター、そして何より不動産・建築業界の知見の多いメンバーが多く在籍しており、それぞれの領域のスキル・ノウハウを最大限に活かしてスピーディーに的確なサービスを提供できることが最大の強みである。

不動産テックカンパニーは数多く存在しているが、同社のようにXRとDXの双方を手掛ける企業は希少。その強みを、代表取締役社長の前田拓海氏は次のように説明する。
「双方のスペシャリストがタッグを組むことで、エンジニアだけではできない美しいCG、CGデザイナーだけではつくれない複雑なVR、認証や決済等の仕組みを備えたメタバース空間等をスムーズにつくることができます」

こうした強みが支持され、同社のクライアントには“メジャーセブン”と呼ばれる大手マンションデベロッパー等、不動産・建築業界の多くの企業が顔を揃える。

今後は、XR・DXの特徴にAI技術を組み合わせることでユーザーが収集したデータを独自に分析・解釈し、業務効率化にとどまらずさらなる発展的なアウトプットを可能とするツールといった、同社ならではのプロダクト開発に取り組む構えだ。

同社は、2021年11月、株式会社アクティブデザインとリコノミカル株式会社のそれぞれの事業を統合して新設された。

アクティブデザインは、1994年6月に不動産・建築業界向け手書きパース制作会社から始まり、後にCGパースへの事業を展開。近年においては、高品質な3DCGのVRやARへコンテンツ転用を通じ、3DCG技術を活用したプロジェクションマッピングやデジタルサイネージの開発等にも展開。

リコノミカルは、2017年5月に設立され、不動産領域を中心としたWebアプリケーションやAI・ARの開発を強みとする。

両社の事業を統合するに至った当時の背景について、アクティブリテックの代表取締役であり、リコノミカルの創業社長でもあった前田拓海氏は次のように説明する。
「同じ不動産業界をビジネス領域とし、アクティブデザインは老舗CGパース会社として優れた技術力と“メジャーセブン”等の顧客基盤を持っていました。一方、リコノミカルはWebアプリケーションやAI・AR開発を得意としていましたが、CGとの親和性が非常に大きく、両社が組み合わさることで新規性がありかつ高品質なプロダクト・サービスが実現できると考えました」

統合当時の社員数はリコノミカルが17名、アクティブデザインが40名程度。前田氏は、新設会社となったアクティブリテックの代表として両社のポストM&A（融和）に努める。前田氏はアクティブデザインのメンバー一人ひとりとも面談し、新しい会社の経営方針の理解を求めた。

そして、新たに次のMISSION、VISIONを掲げる。

●OUR MISSION：テクノロジーで、次の一歩を創造し続ける
●OUR VISION：1人1人がプロとして、会社に関わる全員がワクワクする会社

これらの背景にある想いを、前田氏は次のように話す。
「元々ITが好きで、チャレンジすることが好きでした。アクティブリテックという社名も、アクティブデザインの“アクティブ”が非常に気に入って命名したものです。また、メンバーは会社に依存せず、一人ひとりがプロフェッショナルとして自立してほしいという想いもあります。そして、そのように主体的に仕事に取り組むことをエンジョイしよう、そんな想いがあります」

同社が目指すのは、不動産領域を中心とする“XR×DX”におけるNo.1の存在。そのためにも、まずは株式上場することで事業規模を拡大させ、さらなる発展を目指している。

2023年6月現在、同社の従業員数は66名（アルバイト含む）で、うちXRとDXを手掛ける人は同程度の人数比である。平均年齢は34歳であるが、年齢層は19～66歳と幅広い。創業30年弱のアクティブデザインの頃から在籍しているベテランメンバーが活躍している傍ら、新人やアルバイトであっても線引きすることはせず、やる気のある人は全力でチャレンジできるカルチャーがある。

同社では、2021年の設立時、MISSION・VISIONとともに次のVALUEを掲げた。

●OUR VALUE
チャレンジ：人生最大の失敗は行動しないこと
プロフェッショナル：個々が責任を持ち最後までやりぬく
エンジョイ：常に楽しむ

「アルバイトであろうが、まずはやりたいことをやってもらう機会をつくっています。このVALUEを掲げてまだ2年ほどで、これから浸透させていく段階ですが、人事評価の定性指標に組み込むことで促進を図るといった施策を検討しています」と前田氏は話す。

人材育成においては、XR領域では独自に制作した教育用動画が充実しているほか、新人のCGクリエイターは半年間の研修期間を設けて先輩社員とのマンツーマン体制で育成するという手厚さ。また、CGクリエイターは3名ずつチームをつくり、計7チームがそれぞれ異なるCGソフトを試した上でその活用状況を報告・共有するといった機会を設けている。DX領域では、即戦力となる人員を中心に採用を進めており、プロジェクトごとに異なるデジタル技術を探索・追求し、その内容を全体で共有することでチーム全体のナレッジ増強に取り組んでいる。

働く環境としては、オフィスワークかリモートワークかは基本的に各メンバーの判断としている。CG制作の場合は専用機器の利用が必要なことやモニターによって3DCGの見え方が変わることがあり、オフィスワークのメンバーが多い傾向にある。DX領域のエンジニアはオフィスワークとリモートワークのハイブリッド型が中心。

社内コミュニケーションの機会としては、月1回の全社ミーティング（オンライン＋オフィス）で全社の状況共有や新メンバー紹介等を行うほか、日次で部署単位での朝会（オンライン）を行っている。その他定期的なイベントとしては毎年のBBQ大会等を開催している。

同社の雰囲気について、経営企画室長の北山隼地氏は次のように話す。
「代表の前田に『楽しく働ける会社づくり』というポリシーがあり、新人やアルバイトでも社長と気軽に話せるようなフラットでフランクな雰囲気をつくっています。一応社長室もありますが、現在は会議室として使われており、前田は他の社員と机を並べて仕事をしています」

そんな同社が求める人材像について、北山氏は次のように期待を寄せる。
「チャレンジ精神があり、設立したばかりの環境変化にもポジティブに順応できる方だと嬉しいですね」
フランクなカルチャーの中で、不動産領域を中心とする“XR×DX”におけるNo.1を目指す。そんな仕事は、楽しくやりがいがあるに違いないだろう。