マネックスグループ株式会社

2023年で25年目を迎えたマネックスグループ株式会社。オンライン証券を扱うマネックス証券株式会社をはじめ、さまざまな金融サービスを手がけるグループだ。

はじまりは1999年にスタートしたマネックス株式会社（現マネックス証券株式会社）に遡る。創業者は、代表執行役会長を務める松本大氏。かつて在籍していた大手証券会社で、個人投資家が気軽に始められるオンライン証券を提案したが叶わず「それなら自分で事業を興そう」と立ち上がったのである。当時は、日本でオンライン証券を始める大手企業が少しずつ出てきた頃。その黎明期にマネックスグループは誕生したのだ。そして現在にいたるまで成功を続け、オンライン証券事業がメインの収益を誇る。また日本国内だけでなく、アメリカを中心とした海外にも事業を展開している。

現在は、“金融”を軸にしてバラエティに富んだ事業を手がけている。「新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインする」「個人の自己実現を可能にし、その生涯バランスシートを最良化する」（一部抜粋）――こちらはマネックスグループの企業理念。“お金”というフィールドで、人々の人生を支援しているのだ。

例えば、STEM教育（科学・技術・工学・数学における新教育）を手がける株式会社ヴィリングから、ゲノム解析のような医療分野を手がけるジーネックス株式会社まで、グループの活躍はかなり多岐にわたる。また、スタートアップ企業への投資を手がけるマネックスベンチャーズ株式会社は、社内ベンチャーとして生まれた組織だ。

人事部マネージャーの山下みどり氏はこう語る。「“マネックス”の由来は、『“MONEY”のYの一歩先を行く』という考えから来ています。当グループが目指しているのは、“未来の金融”を形作ること。お金は何かを成し遂げるための"手段"であり、そのお金を投資という方法で増やす……。その過程で少しでもお手伝いできればという思いを持っています」

このように、四半世紀にわたり金融の未来を作ってきたマネックスグループ。2023年は大きな転換期となった。創業者である松本氏が代表取締役CEOを退き、清明祐子氏が後任に抜擢。清明氏は大手銀行からマネックスグループへジョインし、数々の重役を引き受けてきた。新たなマネックスグループがここから始まる。

国内でも投資を支援する企業は多く存在する。その中でマネックスグループの強みの一つとなっているのは、投資家ファーストな情報発信だろう。

松本氏と清明氏もそのキーマンだ。まず定時株主総会はこの二人が中心となって進行し、動向の説明から質疑応答まで担当。また二人は動画配信サイトやSNSで、ためになる金融情報を積極的に発信している。「株主総会は例年休日に開催しています。株主様がご来場しやすいようにという配慮で、かねてから株主様との距離感は大切にしてまいりました」（山下氏）

こうして会社のトップをはじめとしたメンバーたちが自らメディアに出る背景には、【顔が見えるマネックス】という方針がある。精力的に投資を行う人から、「投資を気軽に行いたい」という人まで、さまざまな投資家に「会社としても信頼でき、安心して利用できる投資サービス」を目指しているのだ。

また、社内システムの大きな特徴についても山下氏は説明する。「業界でも珍しく、証券基幹システムを自社で開発・運営しています。証券は、一般的な商品よりも“信頼度”が大切。とくにオンライン証券は、ネットの利便性と安全性のどちらもしっかり担保されていて、初めて安心できるもの。そういった意味で、業界に精通したエンジニアが自社内で開発を手がけ、ユーザーからのリアルな声もしっかり取り入れることを大切にしています」（山下氏）

こうした戦略が功を奏し、2023年時点の実績は10年前と比べても2倍以上に伸びているそうだ。今後もM&Aを積極的に行ったり、新たな事業にチャレンジしたりと、グループとしての拡張もどんどん行っていくという。

“未来の金融”を作る組織として、歩みを止めないマネックスグループ。社内にはその意識を持ったメンバーが多数在籍している。

「社員には、金融の未来を変えようと熱い志を持って入社したメンバーも目立ちます。実はオンライン証券業界には、別事業から参入してきた企業も多いのです。一方で当グループは、“オンライン証券”から始まった組織。それゆえ、 “金融業界で人を支えたい”“金融を担う次世代の人材を育てたい”という純粋な軸は全く揺らいでいませんし、メンバーもその考えに賛同してくれていますね。こういった高い熱量は、毎年やってくる新卒の学生からも評判です」（山下氏）

とはいえ、グループ全体で16社、約1500名を抱える組織だ。トップの考えや会社の方向性はどのように共有できているのだろうか。

まず会社の動向や理念などは、松本氏や清明氏が社内へ積極的に発信している。月1回行われる全体会でも、今後の事業方針や考え等を直接言葉で伝えてきたという。また、グループ内で新たな事業が決まった際には、全グループの社員が集まって事業について考えるイベントも実施。こういった機会で子会社同士の交流も深まるという。会社の規模が大きな分、マネックスグループは丁寧にじっくりとコミュニケーションを積み重ねているのだ。経営層との距離が近く、社内の風通しが良いことは言うまでもない。

また、約1500名規模の組織だからこそ、多様性の生きる環境であることを心がけている。マネックスグループ株式会社とマネックス証券株式会社は、ダイバーシティ＆インクルージョン（D&I）アワードにて、2021年、2022年の2年連続で「Best Workplace for Diversity & Inclusion」を受賞した。ジェンダーや国籍をはじめ、社員それぞれの個性やライフステージで最大限輝けるような職場作りを進めているのだ。グループ内には海外出身のメンバーや、産休・育休から復職して活躍するメンバーが多数いる。

こうしたフレキシブルな組織で、入社間もない頃から活躍する若手層も多い。「グループとしては規模が大きいですが、一社一社はそれぞれのメンバーが前に出やすい環境で、入社1年目から大きな仕事を任せてもらえます。例えば、クレジットカード積立の『マネックスカード』リリースプロジェクトや、投資アプリの立ち上げプロジェクトには、入社1年目の社員が参加しました」（山下氏）

未来へと突き進む機動力。多様性を尊重しながら思いを一つにする力。若手がチャレンジできる環境。これらを持ち合わせたマネックスグループで、日本の未来をけん引できる面白さは計り知れない。それを味わうためにも、ぜひ飛び込んでみてほしい。