取締役副社長　CPO　加々美 文康氏

御社に参画したいきさつについてお聞きします。参画の決め手になったポイントは何だったのでしょうか？

まず代表である中村に人間的な魅力を感じていたことがあります。 前職の株式会社お金のデザインで同期入社だった中村は、意志が固く合理的。それでありながら柔軟で「できる証券マン」という印象でした。私がこれまで出会ったことのないタイプで、ビジネスパーソンとして優秀なのはもちろんですが人間的な信頼感が強く、一緒にやっていきたいと思いました。 二つ目のポイントはプロダクトの可能性です。 前職ではAI搭載の資産運用ロボアドバイザーの開発とマーケティングを担当していました。ユーザー数は増えていたものの、投資好きや合理的な考え方をする人がユーザーの中心で、日本国民全員が使うイメージはありませんでした。 対して『オカネコ』―当時は『お金の健康診断』というサービス名でしたが、投資に対する不安を持つ人にとって「人の力」によるサポートは考えを転換させるのに大きく作用することが分かっていたので、スケールするプロダクトになるという確信がありました。

「スケールするものになる確信があった」この背景をもう少し詳しく教えてください。

前職在任中に、マーケティングの一環で「お金の健康診断」という資産運用のきっかけづくりを目的にしたリアルイベントを開催しました。金融業界のプランナーが白衣を着て健康診断を模倣した車を使い、オフィス街を行き交う人に声をかけてお金に関するヒアリングを行う。そして、その結果を15分ほどでコメント付きの紙に打ち出して提供するというものです。このイベントは大変好評で、体験ユーザーからとても高い評価を受けました。 このイベントを通じて「対話することで人は動く」と実感しました。同時に多くの人々が証券を含め、包括的な金融リテラシーが低い現実を認識しました。そうした投資未経験者やお金に対して漠然とした不安を持つ人がネットのみで自分だけで意思決定するのは難しく、人のサポートが必要だということです。 そのため気軽に相談できる「チャットコミュニケーション」と潜在的なニーズを引き出す入口になる「お金の診断」を融合し、お金に関する悩みを総合的に解決できるプラットフォームをつくればスケールするとの確信を得ました。

プロダクトの変遷と今後のロードマップについて教えてください。どのような新機能やアップデートを計画していますか。

サービスの開始当初は、機械的にマッチングを行ったプランナーを提示し、ユーザー自身がその中からプランナーを選んでチャットを開始する方式でした。しかし今はよりスムーズにコミュニケーションが始まるように、プランナー側から声をかける方式に変えています。また、よりユーザーにとって利益になる提案ができるよう、外部のプランナーの他に自社のオンラインアドバイザーによるアプローチも2022年夏から開始しました。 ミッションとビジョンの大きな図軸をずらすことなく、ユーザードリブンを徹底するために、手法やビジネスモデルそのものすら変えながら進化し続けています。 今後のプランとしては、家計改善の選択肢である「支出を減らす」「収入を増やす」「賢く借りる」の各カテゴリーを網羅するために、商材を増やしていき、ユーザーデータに基づいた選択肢を示したいと考えています。 例えば、収入を増やす手段として転職が視野に入るかもしれないし、賢く借りるために住宅ローンを見直した方がいいかもしれません。保険代理業や金融サービス仲介に限らず、ユーザーのお金の悩みの解消に繋がる幅広い選択肢を示していきたい。そのため我々自身も企業規模を拡大し、様々なエンタープライズ企業と連携を進めていきます。

バリューは「気楽にいこう」「リアルであろう」「優しくしよう」「クールコア」「ぶち破れ」と柔らかさを感じるユニークな言葉になっています。どういう意図があるのでしょうか？

成果主義は前提にあるものの、そうかといって人間らしさを欠いてしまい長続きしない例を見てきました。人間は合理的ではないので、人間らしさを欠くと集団が壊れてしまうと考えています。そうした自分の経験則からギスギスするのは良くないと、「気楽にいこう」「優しくしよう」を取り入れました。 「クールコア」「リアルであろう」に関しては、状況を冷静に見て論理的に客観視できる自分を持とう。そして論理的に考えて無意味ならば、我慢や苦労は止めようという気持ちを示しています。 これまでにないプロダクトをつくる私達には、想像力が必要です。「コーヒーマシンの近くでいいアイデアが浮かぶ」という格言の通り、我慢や苦労がある抑圧された状態ではクリエイティブなインスピレーションを得ることはできません。 「ぶち破れ」は上限を決めず、成長を目指そうという意味を込めています。『オカネコ』のキャラクターも論理から飛躍したからこそ生まれたもので、競合との差別化となりました。 個別の面談でバリューを体現できているかフィードバックする機会を定期的に設けており、社内表彰もバリューに基づいて行っています。

求める人物像と、応募を検討している方へのメッセージをお願いします。

求める人物像は、以下の特徴に共感できる方です。 ・人間的に温かみのある方 ・新しいアイデアを提供し、変化を起こすことに積極的な方 ・論理的思考が得意な方 ・プロダクトを成長させた経験がある方 ・混沌とした状況に適応力がある方 ・世界のトレンドに興味を持つ方 ・データを活用して問題解決を行える方 ・既存の構造にとらわれず、大胆な成長を追求する意欲のある方 また、私達はユーザーとのコミュニケーションを通じて問題解決を目指しています。そのため、日本語での論理的思考能力や、プロダクトを成長させた経験は特に重要です。 最後に、私達の使命は日本の金融リテラシーを向上させ、金融選択肢を広げることです。マルクスの「下部構造が上部構造を規定する」考えに倣い、お金の力で社会を変えていく大きな使命が待っています。高度な技術を駆使し、これに挑戦できる仲間をお待ちしています。