株式会社フルバランス

当社は、大手ECプラットフォーム『Shopify』を中心に、ECサイトの構築を手がけています。日本にShopifyが参入した2017年以降、いち早くこのサービスを国内へ普及させようと動き出しました。

事業についてご紹介するにあたり、はじめに代表である私、角間のキャリアや当社設立の経緯からお話いたします。

私は一度社会人を経験してから、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科へ入学し、その後は、テレビ制作とインターネットサービスを手がけるベンチャー企業へ入社しました。

私がそのベンチャー企業へジョインした2000年代初頭は、メディアとインターネット通信の融合が注目されていた時代です。いまや当たり前のテレビのデジタル放送はその代表例ですね。今思うと、かなり先進的な事業を手がける企業だったなと思います。

ここでは、全国放送のテレビ局や有名ファストフード店といった、大手企業との取引がメインでした。こういったクライアントとプロジェクトを進めると、スケールの大きな面白い話もたくさん生まれますし、だからこそ、メディアや通信といったネットワークの課題も見えるようになりました。

「せっかく革新的なインターネット技術やシステムを扱うのならば、もっといいサービスを提供したい」――そんな思いで、副業としてWEBサイトや業務システムのスクラッチ開発を始めます。すると、私を評価するクライアントがみるみるうちに増えました。ありがたいことに、本業と並ぶほど忙しくなりました。

そこで本格的に独立しようと、仲間とともにスタートさせたのが当社です。前職では取締役を務めていたのですが、私にとっては大きな挑戦でした。

信頼してくださるクライアントの引き合いも多くあり、業績は好調でした。しかし「もっと良いサービスを提供したい」という私の願いは、完全に叶ったわけではありませんでした。

大きな足かせとなったのが、WEBやシステムの制作におけるリスク面です。
いわゆる、サーバーダウンやアクセス遅延、セキュリティトラブルなど、ネットワークサービスを手がける上でどうしても浮上してくる課題ですが、このリスクを全てカバーすると、かなり閉鎖的なシステムになってしまいます。ゼロから作り出すスクラッチ開発なら、なおのこと大きなジレンマを抱えるでしょう。私はその狭間でずっと歯がゆさを感じていました。

そして、この課題を一掃した革命児こそが、Shopifyでした。

今まではスクラッチ開発を重視し、自分の手で良いサービスを作り出そうと努力を重ねていました。ですが、これまでの悩みを全て解決するShopifyと出会い、考えが変わりました。良質なプラットフォームを駆使した上で、売上向上にむけた本質的なコンサルティングで、クライアントに貢献しようと決めました。

『Shopify』と出会い、この優秀なプラットフォームでのECサイト構築を当社のメイン事業としました。Shopifyというハード面で頑丈な基盤を作り、自社としてはソフト面で勝負するスタンスです。

当社のミッションは「すべてのブランドに特大成長エンジンを搭載する」です。クライアントの売上向上に向けた「成長支援」という方針も掲げています。実はミッションを明確に決めたのは、事業スタートから数年たった2022年頃でした。

事業を始めた2017年当時、まだまだShopifyはマイナーでした。しかし今は「ECサイトを作るならShopify」だと考える企業がかなり多くなってきた印象です。大手企業から個人経営のパン屋さんまで、このプラットフォームを使っています。

だからこそ当社のゴールは、ECサイトを制作することではなく、“ECサイトの構築で、クライアントを成長させること”です。そこで競合との大きな差別化を図ってきました。

この方針は、Shopifyを活用する上でも理にかなっています。Shopifyは、有名なプラットフォームであり、サーバーやセキュリティ面も安心できる作りです。つまり『とにかくShopifyを使ってみよう』と最初の1歩目が踏み出しやすいはずです。まず気軽にECサイトを作って運営してみて、結果を分析し、ブラッシュアップしていくことができると考えました。PDCAのA（action）から始めるということですね。これはShopifyの特徴もありますが、当社のこれまでの豊富な開発経験があるからこそ、安心して踏み出して頂けるということです。

もちろん当社としては、サイト構築の時点から最大限の結果を出せるよう提案します。納品して終わりではなく、その先の成功を見据えてずっとサポートしていくことこそが、私たちの使命です。

PDCA のA（action）から始めるなど、このスピーディーな対応かつ手厚いサポートが、多くのクライアントから支持されています。そのためか、現在はクライアントからのご紹介で新規顧客を得ることが大半です。

ビジネスを大きくしたい中小企業はもちろん、大手企業の新規事業立ち上げにも、当社は携わっています。例えば、大手飲料メーカーが新しく展開した自家焙煎コーヒーの販売事業では、当社の評判を聞いてご依頼くださいました。その結果、早いレスポンスやハイレベルな提案を高く評価いただきました。

着実に業績を伸ばしながら、当社は2024年に設立20周年を迎えます。今後も、この「成長支援」という姿勢をどんどん深めていく所存です。

当社はこれまで、少数精鋭で運営してまいりました。2020年を過ぎた頃から組織改革を始め、少しずつ新たなメンバーがジョインしています。約20年の歴史を持ちながらも、第二創業期を迎えています。

このタイミングで、私は働く環境をいっそう強く意識するようになりました。

片手で数えられる人数だったときの当社は、むしろビジネスライクだったかもしれません。人数が増えてきた近年は、フラットで仲間意識の強い組織になってきたように感じています。

「ここでずっと働きたい」と思ってもらえるような居心地の良さを作り続けていきたい――。今、そんな気持ちが芽生えています。

その上でメンバーを評価する指標は、やはりクライアントの売上アップに向けた成長支援に対する姿勢が主軸になっています。「フルバランスだから任せたい」「フルバランスのおかげで成功できた」「ぜひ知り合いの企業にも紹介したい」――数字的な結果はもちろんですが、こういった数字に表れないクライアントの声も、“見えないKPI”と呼びながら大切にしています。

こういった組織の方針をメンバーへ伝えることは、代表としての大きな役割だと考えています。

OJTや勉強会なども行っていますが、一番大きいのは、自分の背中を見せることだと思っています。当社では、クライアント1件ごとにチャットツールのグループを作っています。そして、そのプロジェクトに入っている社内メンバーは全員参加します。営業から、制作、コンサルタントまでくまなく全員です。中には私が窓口を務めるクライアントもあるため、私とクライアントのコミュニケーションなど、リアルな行動を見てもらうことができると考えています。

百聞は一見に如かず。直接言葉で伝えることも大事ですが、行動で示すことで、組織の考えへの理解はいっそう深まると考えています。

そのように手本を見せながら、一方で、メンバーには高い自主性も求めています。

メンバーはみんな、自ら学び続ける姿勢を持っています。ITやECの世界では、日々テクノロジーが進化し、あっという間に新しい機能がローンチされます。もちろん社内でも情報交換を怠りません。しかしそれは、メンバー一人ひとりがしっかりアンテナを張っているからこそ実現できることです。

一人ひとりが自ら学び、自ら行動するからこそ、チームになったときに大きな相乗効果が生まれます。こうしたオーナーシップは、当社で活躍する人材に共通した才能です。

彼らの手によって当社の第二創業期はどうなっていくのか、とても楽しみです。どんな形でも、大成功を遂げるに違いありません。このチームに飛び込んでいただけることをお待ちしています。