ご略歴をお教えください。
大学で人間工学を専攻し、卒業後に当社へ入社しました。椅子が大好きだったからです。入社後に研究所に配属され、椅子や机の基礎的な研究開発に携わります。そこから徐々にオフィス等の空間全体に研究テーマが広がっていきました。空間が人にどんな影響を与えるのかを把握するために、センサーを用いて環境や人の動きを計測し、データを分析するといった研究です。さらにそこから、データ活用をビジネス化するという取り組みに繋げていきました。 こうした取り組みの成果として、2021年11月に『Workers Trail』と『Performance Trail』というSaaSを商品化してリリースしています。『Workers Trail』は、オフィスで働く人の働き方を見える化するプロダクトで、『Performance Trail』は個人と組織のパフォーマンス向上のための課題発見ツールです。この両製品を組み合わせることで、客観と主観の両側面から最適なオフィス空間づくりに繋げることを目指しています。
ソリューション開発統括部をどんな組織にしていきたいと考えていますか?
2023年12月まで、ソリューション開発統括部は研究開発やマーケティング、営業等のメンバーが15名集まった組織でしたが、2024年1月から3部体制に大幅に拡張させます。3部体制とは、事業戦略やサービス企画等を担うビジネス開発部、サービスを実現させるシステム開発部、開発したサービスの販売やマーケティングを担うソリューション推進部です。この『Green』では、それぞれの部門で活躍する人材を広く求めています。 ソリューション開発統括部のテーマは、AIやIoT、データ等のテクノロジーを活用して、働く人がより快適に、より健康的に働くことができ、生産性が向上する“オフィスのDX”です。今や工場や商業施設等ではこうしたテクノロジーが導入され、スマートファクトリー化や無人店舗等が出現していますが、オフィスは物理空間とネットが切り離されていて、一番遅れている状態にあると言えます。オフィスワーカーは頭を酷使して仕事をしていると思いますが、テクノロジーを活用することでより健康的に、より生産性高く働ける空間づくりに繋げていく。イトーキではオフィスのDXを「オフィス3.0」と呼んでいますが、そんなソリューションを創出して社会に貢献するとともに、次のイトーキをつくり上げていくことがミッションです。 東京・日本橋に開設した当社の最新オフィス「ITOKI TOKYO XORK」はそのモデルとなるもので、連日多くのお客様が見学に訪れており、「ここまで進んだオフィスは見たことがない」といった評価を頂いています。求職者の方にもぜひ実際に体感していただきたいと思っています。
八木さんの仕事観をお聞かせください。
幸いにも、これまでずっとやりたい仕事しかしてこなかったので、楽しく仕事をしていて、気が付いたら25年も経っていた、という感じです。仕事が生きがいとまでは言いませんが、自分の支えになっていることは間違いなく、自己実現の手段と言えますね。 「イトーキさんの仕事が羨ましい」と言われることがあるのです。椅子ほど、あらゆるオフィスワーカーにとって一日のうち多くの時間で接し、快適な環境を左右する身近な製品はありませんし、オフィスのかっこよさや働きやすさは、日々のQOLを大きく左右します。そんな製品づくりを通じて「働きやすくなった」「健康になった」と直接喜ばれる仕事はそうそうないのが「羨ましい」と思っていただけるようです。 エンジニアやデザイナーといった、座って仕事をする時間が長い募集職種の方は、椅子やインテリアへの関心は高いのではないでしょうか。「自分だったらどんな椅子をつくるか」「オフィスにどんな工夫をするか」といったことも、ぜひ当社で考えていただきたいと思っています。
社員に対して、御社でどんな人生を過ごしてほしいかの思いをお聞かせください。
ソリューション開発統括部は、言わば社内ベンチャーです。それも、会社にとって「上手くいけばラッキー」といった存在ではなく、次世代のオフィスづくりの根幹に関わるサービスをゼロから創り上げることを通じて、イトーキという会社そのものをつくり変えていく使命を担う存在と言えます。したがって、経営も重要なテーマとして強力に後押ししています。 やろうとしている“オフィスのDX”は、いくつかのプレーヤーは存在しているものの、まだどこも成功させることができていません。そんな“0 ⇒ 1”のチャレンジなので、厳しい仕事であることも間違いありません。そんな状況を恐れることなく、多くの仲間と共に楽しんで取り組んでほしいと思っています。 既存の15名のメンバーは男女半々で、研究開発やデザイン、マーケティング等、様々なバックグラウンドを持つ多様な集団です。そこにAIやIoTのエキスパートも加わってくれて、先端技術について相談できる環境もようやくできました。キャリア採用の方も馴染みやすいと思います。また、外部のアカデミアやGoogle、マイクロソフトといったテック企業とのコラボレーションも積極的に進めていきます。キャリアアップを図りたい方にとっては、とても刺激的な環境があると自負しています。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
できるだけ頭を空っぽにするように過ごしています。自宅は海沿いにあるのですが、近くで海を見ながらビールを飲むという至福のひと時を過ごしたり、音楽を聴きながら庭の草むしりや手芸をしたり、映画館で作品に没頭したり。それと、最近は健康のために筋トレも始めました。