株式会社EMS

株式会社EMSは、アスベスト・産廃管理の業務システム『UNI-PORT』の提供・導入サポートを手掛けている環境DX企業。事業の拡大フェーズにある中、組織を大幅に増強すべく営業やマーケティング、CS、開発、経理等あらゆる部門で人材を求めている。

建材として長らく使われてきたアスベスト（石綿）。人が吸い込むと健康被害の原因になることから、2006年に労働安全衛生法で使用が禁止された。その後、当該建築物の解体やリフォーム等の施工の際にアスベストが飛散することから、大気汚染防止法や労働基準法でも規制強化が続き、2020年には工事前に所定の講習修了者によるアスベスト含有の事前調査および報告が義務付けられる等の法改正が行われた（法律の施行は2021年4月）。
この調査報告文書の作成が非常に複雑で、事業者には多大な手間を要することとなった。そんな手間を大幅に軽減させるべく開発されたのが『UNI-PORT』である。

対象ユーザーの中にはPCを使い慣れていない人も多いが、『UNI-PORT』は直感的に使えるUI/UXを備えているほか、スマートフォンでも現場等で簡単に使える。システムに必要な情報を順番に入力するだけで法令を遵守した書類が作成できる上、行政当局への電子報告までできる。アスベストだけでなく、産廃管理に対応する各種機能もカスタマイズ可能だ。
こうしたプロダクトは、2023年11月現在『UNI-PORT』が唯一の存在。開発（要件定義）に当たった親会社の株式会社ユニバースは、15年以上にわたって主に上場企業の顧客に対し、産業廃棄物管理等の環境コンサルティングを手掛けてきた実績を持つ。関連法規と現場の双方を熟知しているからこそ、複雑な当該業務を劇的に効率化できる『UNI-PORT』が開発できたといえる。
「大手事業者が自社開発にチャレンジしたものの、難しくて断念したと聞きます。参入障壁は高いと自負しています」とEMSのマネージャーである松下美耶氏は胸を張る。

改正された法律は非常に厳しく、エアコンやWi-Fiの取り付けといった小規模の工事も対象となっている。したがって、『UNI-PORT』の想定ユーザーは47万社ある建設業界だけでなく、家電販売業界等、広範に広がっている。かつ、ユニバースはグループ内に一般社団法人企業環境リスク解決機構（CERSI）を擁している。CERSIは環境省の登録講習機関として、アスベスト含有の事前調査・報告業務を担う約4万名の講習受講者を擁する最大手で、『UNI-PORT』を紹介できる有利なポジションにある。
「アスベストが使えなくなった2006年以前の建物は、築15年以上経って一斉にリフォーム需要が発生することも予測されています。まさにこれから『UNI-PORT』のニーズ急増は間違いなく、当社は急成長を始めるステージにあります。このチャンスに、ぜひ一緒に力を発揮してください」と松下氏は呼び掛ける。

EMSは、2021年7月、ユニバースから分社化される形で設立された。

環境コンサルティング会社のユニバースでは、複雑で手間のかかる産廃管理業務を効率化すべく、以前から『UNI-PORT』の開発に取り組んでいた。プロダクトの中にはアスベストの管理機能も含まれていたが、2020年のアスベスト法の改正を受けてアスベスト機能だけでも提供できるように改良するとともに、プロダクトの“肩書”も「石綿（アスベスト）・産廃管理システム」と打ち出すことにした。そして、この『UNI-PORT』の提供に特化する組織としてEMSを分社化した。その経緯について、松下氏は次のように説明する。
「ユニバースは元々コンサルティング会社として、お客様のほとんどを紹介やインバウンドで獲得できており、営業機能は特に持っていませんでした。そうした中で、アスベストの法規制強化によって『UNI-PORT』の市場が一気に立ち上がったことから、その対応に特化する組織が必要になったという判断です」

コンペチターが不在というブルーオーシャンの中、スピード感を持ってユーザーを獲得していくことが当面の事業戦略と言える。しかしながら、「当社の目的はトップシェアの獲得ではなく、それは結果に過ぎないと捉えている」と松下氏は強調する。同社のミッションは、アスベスト法改正の趣旨そのものにあるからだ。

アスベストの規制は、環境省管轄の「大気汚染防止法」と厚生労働省管轄の「労働安全衛生法」に準拠している。前者は大気を守り、後者は労働者を守る法律だ。事前報告を怠ると、罰則が科せられる。アスベストによる健康被害は重篤になりやすく、工事に携わる従業員に発生すると損害賠償請求等に繋がるリスクもあり、雇用者の企業が受けるダメージは大きい。労働基準監督署が厳しく取り締まっているのも、労働者や企業を守るためだ。
「こうした法規制の趣旨を広め、必要な対応が当たり前な世の中になることが当社のミッションであると認識しています」（松下氏）。

そんな同社は、最終的に環境を管理するあらゆる機能を備えたプロダクトの開発を目指している。『UNI-PORT』は、その入口に過ぎない。

2023年11月現在、同社の社員数は20名。主に大手企業向けと中小企業向けの営業チーム、およびCSチームに分かれる（開発担当は兼務）。今後、それぞれの増員とともにカスタマーサクセス担当の新設、そしてプロダクトの内製化も図っていく構えだ。
「法改正以来、お客様の意識が大きく変わってきています。それに対応すべく、メンバーが一体となって日々試行錯誤しながら営業戦略の策定やプロダクトの改良、お客様対応の改善に取り組んでいます」（松下氏）。

小規模の良さを生かし、全員が意見を言い合いスピーディーに意思決定している組織風土が特徴的。「そのためにも、月1回の1on1の機会等で、マネージャーとしてフラットな関係づくりを心掛けている」と松下氏は話す。
社内の意思疎通の機会としては、各部門においては毎週の状況確認のほか、営業部門では隔週で悩み事や相談事を取り上げるミーティングも行う。その場には外部アドバイザーも加わり、より専門的なノウハウやスキルを身に付ける機会にもなっている。また、月1回営業・CS両部門の連絡ミーティングも行い、顧客の要望等の共有を図っている。さらに全社ミーティングも月1回のペースで行っていく。

働き方は、オフィスワークを基本に、必要に応じてリモートワークも行える。
「温かい人柄のメンバーばかりで、仕事の時以外はアットホーム」と話す松下氏は、よく飲み会にメンバーを誘っているという。
「もちろん私が好きなだけで完全に参加自由ですが、みんなよく付き合って楽しんでくれていますよ」と松下氏は目を細める。

そんな同社が求める人材像について、松下氏は次のように期待を寄せる。
「優しく温かい人ばかり採用しているので、そんな協調的な方だと嬉しいですね。それと、健康被害を一掃するような世の中のためになる仕事をし、業界をリードしたいという熱意のある方にぜひ加わっていただきたいと願っています」

“超”が付くフォローウィンドが吹く環境で、唯一のプロダクトを手掛ける機会はそうそうない。同社の募集は見逃せないだろう。