企業と株主との関係や企業経営のあり方が大きく変わりつつある今、IR(Investor Relationsの略で、「投資家向け広報」を意味する)活動の重要性が日増しに高まっている。上場企業が、株主や投資家などのステークホルダーに対し説明責任を果たすために行われるIR活動は、企業存続に不可欠な経営テーマになっていると言っても過言ではない。そうした状況の中、1990年の創業以来、IR専門企業として国際優良企業の多くにIRコミュニケーションサービスを提供してきたエッジ・インターナショナルは、業界の中でも独自の地位を築き上げている。同社代表取締役の梶原氏は、IRビジネスの可能性についてこう語る。
「当社の中核事業は海外機関投資家向けのアニュアルレポート(年次報告書)の企画・制作をはじめとするコーポレートレポーティングサービスです。近年は、コーポレートレポーティングの世界では、ESG情報や無形資産といった非財務情報を、企業価値の表現軸に組み込むことが求められる統合報告書(統合レポート)がグローバルに大きな関心を集めています。そうした中で当社は、これまで蓄えてきた豊富な実績とそこで培われた知見により、新しい時代に適応した先進のレポーティングサービスを提供しています。当社は、レポーティングを通じて「企業と投資家の対話の懸け橋」となり経営変革を後押しし、『株主・投資家と企業の双方向のコミュニケーションを促進すること』と、『IR活動を通じて持続成長可能な経営環境と適切な企業価値を創造すること』を強力にバックアップしています。IRコミュニケーションがより高度化、複雑化していくからこそ、私たちが専門企業として担う仕事の大きな可能性があると言えます」
エッジ・インターナショナルの主力業務となっているアニュアルレポートをはじめとする制作物には、業績・財務情報のディスクロージャーに加え、経営理念や成長戦略などまで投資家が必要とする企業情報が、丁寧な記述と豊富なビジュアル表現で満載される。また、同社はコーポレートレポーティングの一貫性や質にこだわるとともに、統合報告やESG情報開示など新しい変化をいち早く取り入れ、競合他社との差別化と先進性の維持にも注力している。
「私たちの役割、そして強みは、資本市場の論理と要求をしっかり踏まえた上で、第三者的な立場から顧客企業に最適なIRコミュニケーションの方向性を示唆することです。企業が一方的に自社の主張や考え方だけを伝えようとしても、受け手の投資家や株主と噛み合わないIRでは意味を成しません。時に顧客の意向と対峙することがあっても、結果的に株主・投資家との信頼関係構築を実現できるIR活動を主導していくことが、私たちの使命であり、存在意義なのです」(梶原氏)
同社では、現在95名の社員が個別案件ごとにプロジェクトチームを組み、迅速でキメの細かいサービスの提供に努めているが、これも顧客を惹きつける大きな魅力になっているようだ。
こうした同社の姿勢もあり、その顧客基盤は、製薬、商社、通信、不動産、エンターテインメント、運輸など幅広い業種のリーディングカンパニーを中心に、80社以上におよぶ。その結果、優れたアニュアルレポートを表彰する「日経アニュアルレポート・アウォード」において、毎年同社の顧客企業が受賞実績を上げている。