株式会社ビズテック

某アパレル企業、通信系企業で営業を経験してきた代表取締役の松井大輔氏が、「営業と技術を武器に組織を発展させたい」という想いから立ち上げた株式会社ビズテック。その想いの強さは、「Business」と「Technology」を融合させた社名からも一目瞭然だ。

「前職では営業部を管理監督し、社長同意のもと営業部を独立させてビステックの立ち上げにつなげました。当初は通信系商材をメインに扱っていましたが、設立1年ほどで派遣業に軸足を移し、主に一般事務やSI系の一般派遣から特定派遣までを行っています。設立時のメンバーは5名でしたが、今では派遣社員を合わせると60名程度の規模まで拡大しました」（松井氏）

現在は、一般事務系の派遣のシェアが多く、ヘルプデスク業務が中心となっている。一方で、長きに渡り派遣業界に携わる中で、業界特有の課題と参入すべき分野が見えてきたという。それが「SI系のエンジニア派遣」だ。

「きっかけは、某大手企業からSI系の派遣案件を相談されたことでした。SI・SE系の業界は特に、『案件過多・人材不足』という状態で、どこも悩みを抱えている。人手不足と言ってしまえばそれまでですが、要は『適材がいない』という意味ではないかというのが私の考え。その企業がもっとも必要としている人物を発掘し、それを各所に配置する。こうしたビジネスに本格的に参入すべきではないかと考えています」（松井氏）

ビズテックの目的は、適材を適所に派遣することだ。しかし、実はそれだけではない。そのキーワードとなるのが「クリエイティブ」だ。

「それぞれの派遣先に社員を配置し、目前の実業務にしっかり取り組んでもらいます。そのミッションと合わせて、ある意味”営業的な立場”で組織に所属しながら、一定の仕事の成果とコミュニケーションを駆使して弊社の枠を広げてもらいたい。そしてそこに新たな人材を送り込み、できた組織のチームマネジメントをやっていたきたい。そのように考えています」（松井氏）

つまり、内部からの営業活動を担うことが、派遣された社員への独自のミッションとなる。派遣先で少しずつチームを広げ、影響力を発揮できる状態をつくり、その組織のマネジメントを行いながら、新たな次の仕事を作っていく、という流れだ。

同社のこのやり方、実は一般派遣事業において既に実績を持っている。こうした独自のノウハウを持っていることは一つの強みであり、他社との差別化において大きなポイントとなるだろう。そしてこの独自性こそが、ビズテックが常に目指している「クリエイティブ」の姿だ。

「SI系については、現在既にいただいている案件数だけでも100に届く勢いです。まずは数ある案件の中から本当に力を入れていくべき案件に着目し、その条件にかなう人材の派遣を進めていきたい。そのために我々が求めるのは、『マネージャー気質』を持った人。派遣先でチームをまとめ、現場が回るようになったら次のプロジェクトへ・・・と渡り歩いていただける方です」（松井氏）

クリエイティブ集団として、その価値観を市場に見いだし、そこに理解のある取引先と密にしながら、最先端の技術・情報のある場所に身を置き、次のクリエイティブを模索する——そんな組織にしていくのが松井氏が掲げるビジョンだ。

「理想としては、独自のネットのツールなど、システム開発して商品化し、企業に納入できるようなクリエイティブも目指したいですね。さらに、そこに携わる人たち全員の個人レベルでの人間性の向上や、今あるスキルを一層伸ばすチャンスに繋げていければ。同時に、このミッションを達成することで『部下を持つ喜び』や『組織を拡大させる達成感』を得られるはずだと考えています」（松井氏）

振り返った時には、自分の後ろに何十人という部下がいて、会社の規模も拡大し、次のプロジェクトが進めやすい環境が整っている。そんなサイクルができあがる日は、そう遠くないのかもしれない。

ビズテックがモットーとしているのが、「想像し創造する」というスローガン。営業であれ事務であれ、ただ日々の業務を言われた通りにこなすだけでなく、そこに”自分らしさ”を盛り込み、通常の業務であっても少しでもクリエイティブにこなそうという意識を大切にしている。この想いが新規事業の根底にもきちんと流れていることは、既にお分かりだろう。

「チャレンジしていくためには、フットワークの軽さやベンチャー気質は不可欠です。個人のイメージをすぐに具現化できる会社でありたいし、何をやるにも既存の決まりきったレールの上でやるのではなく、『自分でこっちにレールを敷いてやろう』と社員が当たり前のように思える環境を整えておくことも、経営陣の役割だと考えています」（松井氏）

同社はネイルサロン「B'S BEAUTY」やネイルスクール「B'S ACADEMY」の運営という派遣業とは別の側面も持っているが、これは社員の「チャレンジしたい」を実行したフットワークの軽さを象徴する一例と言えるだろう。

こうしたフレキシビリティに加え、社員が何かしらの案件を社内に持ち帰った場合に「営業力で必ず受け入れ先を持ってきてくれる」と思える安心感があることも大事だろう。この点、ビズテックにおいては「何も問題がない」と松井氏は断言する。

「付け加えれば、派遣した社員に対しては取引金額や営業単価、利益などの全ての情報を開示するつもりです。隠すつもりは一切ありませんし、逆に自己評価がこれくらいなんだということをわかったうえで、ミッションに取り組んでもらいたい。もちろん、単価が上がればインセンティブとしてお返しするつもりです。なお、大手出身のベテラン技術者が責任者をしていますから、技術的なバックボーンもちゃんとある。評価という点でも安心してください」（松井氏）

松井氏が何度も繰り返した「常に新しい市場やビジネスに関心を持ち、そのままやるのではなく『自分たちの色』をしっかりと出し、結果よりも内容にオリジナルを発揮していく集団でありたい」という想い。こうした理念への共感と、新しいフィールドへの挑戦に対する意欲があり、その中で自分の役割を判別できる人であれば、大きなチャンスが待っているに違いない。