メレオロジー株式会社

メレオロジー株式会社は、ITシステムに関する業務分析や要件定義、設計、開発・構築等のサービスを提供するITベンチャー企業だ。顧客の業務分析や提案、設計を行う上流工程から、開発・構築などを行う下流工程、またPMやPMOとしてのプロジェクトマネジメント支援に至るまで、それぞれの工程に対応する技術者を幅広く揃えている。発展途上の規模ながら、大手金融機関のITインフラ構築や開発プロジェクトを担当するなど、顧客から高い評価を得ている成長著しい企業だ。

代表取締役の金津 周氏は、大手メーカーでソフト開発プロジェクトに従事していた元エンジニア。現場で多くの経験を積んでいく中で、プロジェクトマネジメントへの関心を高めていった。そして、「マネジメント志向の高い技術者が集まる会社を作ろう」と、2012年3月に同社を設立する。

エンジニア出身の金津氏だけに、技術者を守りたいという思いが人一倍強かった。そこで、現場志向のエンジニアもマネジメント志向のエンジニアも両方が活躍できる環境を整えようと、上流から下流までまんべんなく経験できる現在のスタイルを事業の柱としたのだ。

その中でも同社の主力になっているのが、ITシステムコンサルティングサービスだ。現在もメガバンクの大規模ITインフラプロジェクトに、多くの自社社員を送り込んでいる。同社には、経験豊富なプロジェクトマネージャーやリーダーが多数在籍していて、プロジェクトをコントロールする側の業務を任されているのが特徴だ。

また、経験が少ない社員は、その配下で親身な指導を受けながら業務を遂行している。それゆえに、他業種から転職したまったくの未経験者もいるが、それぞれのスキルに適した業務を通じて日々能力を高めている。
「技術がないからIT業界は無理だと思っている方も、弊社ならば技術力をつけながら仕事に取り組んでもらえます」（金津氏）。

顧客からの高い評価と安定した経営状況がベースにあるゆえに、ゼロから技術者を育てていける企業体力があるのだ。

本章では、事業内容と今後の展開をより詳しくみていこう。同社は、大手金融機関のインフラ構築や開発案件等、多くの実績を持つ。具体的な事例のひとつに、ApplePayシステムの開発がある。ApplePayは、iPhone などで使用可能な支払い機能で、クレジットカードとの連携部分の開発に携わった。広く社会で使われる身近なシステムを手がけたことに、プロジェクトメンバーは非常にやりがいを感じたという。

このように大規模システムの開発やハードウェアを中心とした設計構築を得意とする同社だが、仮想化技術の進化が加速している現状を踏まえて、今後はその分野にも積極的な展開をはかっていく。OpenShift等のアプリケーション仮想化技術に対応し、特にネットワークや運用に関して優位性を持つ会社を目指すという。また、アプリケーション仮想化技術に対応したコンテナを自社で開発して販売する事業形態も取り入れていく計画だ。

「設立から5期目を迎えますので、これからは積極的にメレオロジー独自のカラーを作り、表に出していきたいと考えています」（金津氏）。

評価の高い既存案件はもとより、新規受注プロジェクト、さらに自社独自の開発と、幅広いフィールドへ展開するために多種多様な人材を必要としているのだ。
「豊富な経験を持つ方も、IT業界ってどんな風なんだろうという未経験の方でも、適切なプロジェクトにアサインできるのが弊社の強みです。互いに親身になって相談しあえる社風があるので、すんなり溶け込めると思いますよ」（金津氏）。

実際、同社には前職がダイビングインストラクターだった者や俳優、旅行業等、他業種からの転職者も多い。OJTをベースに、技術レベルに応じて富士通ラーニングメディアの研修が受講可能で無理なくスキルアップをはかれる。
「楽観主義で明るく前向きに、を企業理念として大切にしています」と、金津氏は語る。

風通しの良い社風で、コミュニケーションを苦手としていた者も自然と馴染んでいる。コアにIT技術を突き詰めていきたい者にも、経験が浅い者にも、向上心があれば活躍の門戸は開かれる。

同社の雰囲気はとにかく明るい。客先に常駐するスタイルなので、社員同士が普段から顔を合わせるわけではないが、月に一度は自社に戻り業務報告会が行われる。たまたまその機会に居合わせたが、和気あいあいと語り合い笑い声が絶えない。言いたいことをざっくばらんに話し合える風通しの良さと、フラットな関係性が特徴だというのが良く分かる。

この明るさの理由を社員に尋ねると、「代表が率先して楽しく仕事する雰囲気を作ってくれていますし、壁を作らずコミュニケーションを取ってくれます。また、休みが取りやすくて働きやすいというのもあるかもしれません」という答えが返ってきた。
「とにかく自由に仕事して欲しいんです。会社として社員を守る安定性を感じてもらいながら、安心して伸び伸びと働く。そんな環境を作りたいんです」（金津氏）。

働きやすさにこだわり、残業時間は極力少ないように業務を進める体制だ。常駐先にもよるが、多くても月に20時間程度だという。長期休暇が取りやすいのも同社の特徴のひとつ。連続して休暇を取った場合には、報奨金を出すという制度があるというから驚きだ。
「突発的に休むより計画的に休んだ方が良い」という考え方を浸透させる為だという。

評価制度も独自性がある。年度末に、社員同士が評価しあう『相互評価』が行われる。同時に行われる会社評価と総合して、次年度の給与が決定するのだ。社員同士の評価が成り立つのも、普段からコミュニケーションが良好な証だろう。先に紹介した月次の業務報告会の他、日常的にチャットツールで気軽に会話が交わされているという。

良好な人間関係、残業が少なく休暇が取りやすい環境、しっかり評価されているという信頼感。このように、前向きに働く上で必要な要素が揃っている。
「中小企業やベンチャーはブラックが多いと思っている方もいるでしょうが、弊社は大企業と同様の福利厚生の元で安心して仕事に取り組めます」。
社員を大切にしたいという金津氏だけに、説得力のある言葉だ。