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株式会社Mマート

  • IT/Web・通信・インターネット系
  • サービス系
  • 商社(卸売)・流通・小売り系

プロ向けの e-マーケットプレイスを運営(東証グロース4380)

上場
自社サービス製品あり
シェアトップクラス
残業少なめ

企業について

業務用食材、厨房機器、食器、備品等のインターネットマーケットプレイスを運営する株式会社Mマート。同社は現在BtoBに特化し、4種類のサイトを展開している。

同社設立と同時に開設された、業務用食材の卸サイト『Mマート』。厨房機器・食器・備品等、食材以外の商品を取り扱う卸サイト『Bnet』。食材のアウトレット市場である『卸・即売市場』。食材以外のアウトレット市場である『ソクハン』。以上の4つである。

さらに、『卸・即売市場』では、原則50kg以上の食材販売のみに限定したサイト『大口一括コーナー』、規格外のお米(中米)のオークションサイト『チューオク』、生産者応援のための農産物市場『アグリ』を開設。また、『ソクハン』内においても、食材以外の大口販売のみに限定したサイト『ソクハン大口一括販売市場』を展開している。

売り手である問屋・メーカー・生産者と、買い手である飲食店やホテル旅館等のニーズを見極め、きめ細かくマッチングする革新的なビジネスによって業績を伸ばしてきた同社。2018年2月にはマザーズ市場に上場。2023年12月末の段階で、買い手の会員登録数は約21万社に上り、現在も月間1,000社を超えるペースで会員が増えているという。

同社のビジネスモデルは実に興味深い。売り手には出店料やマーケット利用料、システム利用料等の形で課金を行う一方、買い手には一切課金していないのだ。また、サイトによっては売り手と買い手の直接取引も促している。

ベースにあるのは、代表取締役社長・村橋孝嶺氏の「飲食店を経営する若い人達を応援したい」という思いだ。村橋氏は御年83歳。20歳で起業し、飲食店の経営に40年以上携わってきた。カウンターのみ5席の飲食店からスタートし、スタッフ50名・数千万円〜億単位の資金を要する店舗の出店にも携わるようになった村橋氏が、2000年、64歳で立ち上げたのが株式会社Mマートだ。

「バブルが崩壊した1990年代、飲食店は仕入先探しに苦心していました。肉なら畜産系、魚なら水産系と言うように仕入先が別れていて、常に数十社からの仕入れが必要だったのです。やっと手に入れた商品リストには値段が書かれていない。この状況には苦しめられましたね。すでにベテランだった私ですらそんな状況ですから、若い人はもっと困っているに違いない。そこで『Mマート』の開設を思い立ったのです」(村橋氏)。

1999年の暮れに『Mマート』の構想が生まれ、2ヶ月後の2000年2月には同社が設立されている。「若い人達の力になりたい」という思いが、20年近い時間が経った現在も同社の根幹をなし、継続的な買い手の参入に繋がっているのだ。

株式会社Mマートの優位性の一つとして挙げられるのが、システム開発力である。同社では開発を100%内製化。常に改善・改修を重ね、更新を行うことでサイトとしての鮮度を保ち、売り手・買い手双方から信頼を勝ち取っている。

同社が設立された前後の時期には競合が乱立していた。しかし、次々に淘汰されていったという。理由は、開発にかかるコストだ。新規のシステム開発では数千万円もの資金が必要で、さらに更新の度に数十万〜数百万円の請求が来ることも珍しくない。コストを惜しんで改善・改修を控えると、サイトとしての鮮度が落ち、商品も売れなくなる。その結果、サイトの寿命が尽きてしまうのだ。同社は自前のシステム部による開発で、そのリスクを回避した。

「当社にとってはサイト自体が製品です。その製品を作るシステム部は、いわばメーカーですね。メーカーに良いものを作ってもらわないと拡販しようがない。だから完全に内製化し、磨きをかけているわけです。一方で技術は日進月歩。どんどん新しくなるので、新陳代謝は欠かせません。設立当初は使っていなかったPHP、MySQL等の技術は、今では当たり前のように使われている。今後5Gが普及すれば、システム開発の世界はもっと変わるでしょう。今後も新しい人材を採用し、活躍してもらおうと考えています」(村橋氏)。

しかし村橋氏にとって、同社だけが潤うことが目的ではない。元々若い飲食店経営者を応援したいと考えていた村橋氏は、同社のパフォーマンスが流通卸業界全体の変革を目指している。その証拠として、『Mマート』及び『Bnet』では直接取引を推奨している。つまり、同社のマーケットプレイスを通さずに取引してもらって構わない、と売り手・買い手にアピールしているのだ。自社による囲い込みを優先していたら、まず出てこない発想である。

ある時期のデータを見ると、直接取引は、同社のサイトの“買い物カゴ”で取り扱われた取引の10〜15倍に上るという。言い換えれば、同社のマーケットプレイスでの取引は、その後の直接取引の10分の1〜15分の1に留まるということだ。経営戦略の観点では機会損失以外の何物でもないが、村橋氏は別の見方をしている。

「インターネットのデメリットは、ワンプライスであることです。新規の取引や、月1〜2回の取引ならそれでもいい。しかし継続的に1〜2トンの仕入れをする買い手の場合、ワンプライスに納得するはずがありません。値引きを要求して当然です。そういう取引は直接、どんどんやってくれ、と。私達のマーケットプレイス内で、ルールに従って…等と言うつもりはありません。私達が目指しているのは、囲い込みではなく、業界全体を変革し、盛りあげることなのですから」(村橋氏)。

村橋氏は、あらゆることを直感で進めているかと言えばそうではない。むしろ、過去のデータに基づいて様々な判断を下し、次の一手を打つようにしている。20年近くの間に同社が蓄積したビッグデータをもとに下した決断だからこそ、社員との共有はスムーズだ。

「データは嘘をつきません。そしてデータをもとに下した決断はロジカルなものなので、社員も受け止めやすいのです。これが私の直感によるものであれば、そうはいかないでしょう」(村橋氏)。

その社員は、9割以上が中途入社である。元SIer、元スポーツ用品販売チェーン、元食品メーカー…と様々な業界から人材が集まり、同社の成長を支えている。

今回の取材で驚かされたのは、同社に訪問したGreen取材班に対して、社員から一斉に挨拶をされたことだ。来訪者に対しては、必ずそのような挨拶を行うように決めているという。その理由を村橋氏に聞いたところ、「中途入社者が多いので、共通の行動で馴染ませていくことが大切だと考えたから」とのことだった。

「アメリカの大学では近年、礼儀正しさと生産性の関係について研究が進んでいます。私が読んだ研究発表によれば、礼儀正しい社員が揃った企業は、そうでない企業に比べて生産性が4割アップするそうです。前者は社員同士が共通の言語や行動基盤を持ち、風通しの良い関係の中で、持てるパワーを最大限に発揮している企業。後者は、常にどこかで社員同士の衝突があり、相手に不満を感じることにパワーを割かれている企業のことです。当社はもちろん前者を目指しています。“謙虚、素直、感謝”という社訓を徹底し、和気あいあいとやっています。中途入社がほとんどなので、社内には派閥等はありません」(村橋氏)。

社員がモチベーション高く働ける環境も整備されている。まず、残業がないこと。よほど緊急のトラブルが起こらなければ、定時の18時には全員退社する。社員はプライベートを充実させられるので、翌日にはリフレッシュした状態で仕事に向き合い、生産性を上げることができる。そんな好循環が生まれているのだ。

また、休日出勤も発生しない。ビジネスの優位性・独自性もさることながら、このような働きやすい環境に魅力を感じて転職してくる社員がほとんどだそうだ。
「当社に転職してきた社員には、当社のことを一つひとつ学びながら、“仲良く”そして“じわじわと”成長していってもらえればと考えています」(村橋氏)。

若い飲食店経営者を応援するために立ち上げた企業は、中で働く社員にとっても働きやすい企業である。そんな一気通貫した経営を行う同社には、TVや新聞等のマスコミからも取材オファーが相次いでいる。今後の動向に目が離せない。

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インタビュー

株式会社Mマートのインタビュー写真
代表取締役社長 村橋 孝嶺氏 20歳で起業し、飲食店経営をスタート。その後様々な業態・規模の店舗運営を経験し、2000年2月、64歳で株式会社Mマートを設立する。2018年2月には同社を東証マザーズ上場に導いた。

── 20歳で起業し、飲食店の経営を始めた理由を教えてください。

元々、全体を見渡して大きな判断を下したり、行動をしたり、ということが好きだったからでしょう。

小学校に上がる前から、“講談本”という本を沢山読んできました。その中に登場してくるのは、宮本武蔵、塚原卜伝、徳川家康、織田信長、真田十勇士…と、天下国家に影響を与えるような偉業を成し遂げてきた人物ばかりです。そういう人物達の活躍ぶりを、読書を通して知りました。そして自分も彼らのようになりたいと考えるようになったのです。

ただ、そのような“何かを成し遂げなければ!”というパッションはもちろん大切ですが、それ以上に企業経営者が行動に移す上で不可欠なものは... 続きを読む

求職者の声

企業情報

会社名

株式会社Mマート

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > インターネット/Webサービス・ASP

サービス系 > その他サービス系

商社(卸売)・流通・小売り系 > その他商社・流通・小売系

企業の特徴
上場、自社サービス製品あり、シェアトップクラス、残業少なめ
資本金

3億1861万9000円

売上(3年分)

20211777百万円

20221902百万円

202311,017百万円

設立年月

2000年02月

代表者氏名

村橋 孝嶺

事業内容

【eマーケットプレイスの運営】
■ 業務用食材の業者間(BtoB)電子商取引サイト『Mマート』。6年前に上場(東証グロース市場)、21万社以上の買い手会員を持ち、現在も毎月1千社以上の買い手企業の登録が続いている、右肩上がりの企業です。
 ・飲食店、ホテル・旅館、弁当、給食、食品加工、スーパー小売、通販、問屋等の方々が、業務用食材等を購入するウェブサイトです。
■ 厨房機器等、業務用機械や備品・用品などの総合BtoBサイト『Bnet』
■ アウトレット市場:業務用食材卸売サイト『卸・即売市場』
■ 今後益々食材等の仕入れはリアルからネットへの移行が続き、業容の拡大が続く業界ダントツの会社です。
■ 一番大切な買い手会員が自動的に集まってくる仕組みが出来上がっています。
 

株式公開(証券取引所)

東証グロース

従業員数

65人

本社住所

東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー26階

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目指すは「産業革命を起こすマストハブカンパニー」。テクノロジーの力で小売市場を新たな産業に。
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