ノボノ株式会社

マーケティングおよびブランディングを中心に、成果にコミットするコンサルティングを手掛けている、ノボノ株式会社。

同社の特長は、最上流の段階からクライアントと二人三脚的に伴走しつつ、戦略の構築・提案だけでなく具体的な成果物にまで落とし込み、KPIの達成まで一貫して支援し続けるところにある。成果物としては、Webサイト／アプリケーション、スマートフォンアプリ、コンテンツ等のデジタル領域を得意とするが、店頭のPOPやフライヤー等、印刷物にも対応する。成果物まで一貫して手掛けるのは、どれだけ描いた戦略が優れていても、その戦略を具体化する成果物がチープなものでは満足な結果には繋がらないからだ。

そういったスタンスは、社名に表れている。ノボノとは、“No Border! No Boom!”の略。
「手掛ける業務に領域は設けません。成果を出すことが目的なので、『ここまでしかやりません』というスタンスは一切取りません。加えて、一過性の流行を追い求めず、成果を提供することで末永いお付き合いをすることがモットーです。」と代表取締役の平原大志氏は言う。クライアントのビジネスに地道に伴走し、そのビジネスを面白く改善することが真骨頂だ。

したがって、アクティブな約12社のクライアントの大半は、5年以上の息の長い取引が続いている。代表的な事例として、あるレジャー施設のケース。公式サイトの基本設計をはじめ、待ち時間解消のためのQRコード活用、チケット販売強化のためのWebチケットストアの構築等、デジタル活用戦略を全般的に担っている。Webチケットストアにおいては、同社の提案施策によってCVRが3倍増等の成果に貢献している。
そのほか、販売用途ごとに分かれていた大手通販アプリを再編統合しカタログとは違った視点で高い機能性と利便性を提供してリニューアルされたアプリは、稼働直後よりダウンロード数が急増してアクティブユーザー数は1ヶ月で6.5倍、会員数で7倍という実績を残した。また、東証一部上場の大手不動産会社の集客プロモーション戦略とセミナー企画による集客支援を行うことで、不動産売買におけるリード獲得は倍増し、CPAは4分の1まで低下させる成果を挙げている。

平原氏は、理科系の学部出身ながらアートディレクションやロゴ等のクリエイティブに関心が強く、卒業後はクリエイティブ制作も行う総合印刷会社に入社しキャリアをスタートする。インターネット黎明期にあって、数多くのWebサイト制作のオーダーに対応した。必然的にプログラミングにも取り組み、サイト構築を全般的に担うようになる。
「そのうちに上流工程も徐々に手掛けるようになり、ディレクションや案件獲得も担うプロデュースまで行うようになります。独立志向があったせいか、自然と自ら営業にも取り組みました。そこで、成果にコミットする必然性が生じ、上流からの戦略コンサルティング業務に発展しました」（平原氏）。

独立前はデジタル系のコンサルティング／サイト構築会社で戦略コンサルティングに取り組んだが、分業制で自らが成果物まで一貫して関わることが困難な環境となった。
「クライアントに最後まで寄り添って成果を出したいと、もう一度原点に立ち還る形で、2012年6月、独立しました」と平原氏は述懐する。

そこからしばらくは一人のコンサルタントとして動き、成果物づくりは周囲のクリエイターやエンジニアをアサインする形で対応してきた。
2018年、40歳となることを機に、「自らと同じ視点を共有し、常にチームでクライアントに対応する仲間がほしくなった」とスタッフ雇用にシフトする。現在のコアメンバーは、平原氏含めて10名の社員、業界をリードする外部ブレーンのスタッフ2名に加え、常駐の業務委託2名という14名体制だ。業界をリードするブレーンをプロジェクトに招聘することで外部のノウハウを吸収したり、研修参加を推奨しており、現場スタッフの教育には積極的だ。
「戦略コンサルタント、アートディレクター、UI／UXディレクター、テクニカルディレクター等、上流工程を担えるプロフェッショナル集団です。基本的に、全ての案件に私が入り、必要に応じてメンバーをアサインしてプロジェクトチームを組成しています。外部のクリエイターやエンジニアのネットワークもよく活用しています」（平原氏）。

ビジョンは、「クライアントが困っている時に思い起こしてもらえる存在になる」こと。平原氏は次のように説明する。
「当社が手掛けているのは、難しい案件がほとんどです。社内では二進も三進も進まなくなった事案を振っていただくことが多くあります。だからこそ余計に、問題を解決して成果に繋げられた時、クライアントにとって我々の存在価値が絶対的なものになると思います。また、それによって我々自身も成長できると考えているので、困った時こそ声を掛けていただきたいと思っています」

同社の組織づくりのキーワードは“多様性”と“家族”だ。

まず“個性の多様性”。
「まさしく“ノボノ”の精神で、基本的には最低でも二つのスペシャリティを身に付けてマルチに活躍してほしいと考えています。もちろん、一つの職能にこだわって追求したい人はその道を応援します。それも含めての“個性の多様性”と考えています」と平原氏は話す。

例えば、UI／UXディレクターは、ユーザーの志向性をリサーチするスキルも身に付け、デジタルだけでなく印刷メディアの制作スキルもマスターしている。コンサルティング営業は、クライアントのログデータを分析して問題点を抽出する能力も身に付けている。バックオフィススタッフは、メールの配信業務も担っている。
「関連性のある領域に幅を広げる形で、スキルの幅を広げてメンバー同士でカバーし合っています」（平原氏）。

次に、“家族”。「仕事第一ではなく、家族のために働くという気持ちでいてほしい」と平原氏。したがって、働き方は柔軟だ。定時の勤務時間は10～19時であるが、プライべートの事情を配慮し、時間帯をシフトしたり、フルリモート勤務も認めている。
「個々のメンバーの成果目標はコミットしているので、そのプロセスは自由です。行き詰まったら休んでリフレッシュしてもらうのもOKです」（平原氏）。

同社そのものも一つの“家族”として、平原氏はメンバーの健康に気を配っている。その一つの表れが“賄いごはん”だ。同社のオフィスの一部には本格的なキッチンと円卓が置かれたリビングがしつらえられている。趣味として“出張シェフ”も手掛けるほど玄人はだしの料理人でもある平原氏は、週1～2回、得意の四川料理やタイ料理等をつくってメンバーに振る舞っている。
「コンビニの弁当やカップラーメンばかりでは体に良くないので、栄養バランスを考えたメニューをつくり、みんなで一緒に食べる時間を大切にしています」（平原氏）。

リビングには、オーディオやワイドなモニター、ギター等が置かれていて、メンバーが思い思いに寛げるようにしている。さらに、福利厚生の一環としてジムに通う費用も支援している。

そんな同社が求める人材像について、平原氏は次のように期待を寄せる。
「面接している時間でも、こちらの話を吸収して成長できるような資質の持ち主を探しています。よい地頭と謙虚さ、自由と責任を理解しており、成長意欲のある方に来ていただきたいと願っています」