株式会社イズム

株式会社イズムは、SESを主体にシステム設計や構築・運用を行っている会社だ。特徴は、大企業をクライアントとする直取引が中心で、原則として10名前後～20名程度のチームでプロジェクトに参画すること。クライアントは大手通信系SIer、大手信販会社、大手サービス会社系情報会社等で、いずれも長い付き合いの会社ばかり。官公庁の案件もある。これらの大規模プロジェクトに一チームとして参画し、裁量を持って上流工程から関わる形だ。数年単位で腰を据えて取り組むものが多く、チーム内でスキルアップやキャリアアップもできる。一般的なSESのイメージとはだいぶ異なる仕事スタイルだろう。

「色々なプロジェクトに入る機会があり、新しい技術や取り組みに触れられます。我々のような決して大きくはない企業でも、そのような大規模プロジェクトに携われる点は大きなメリットだと思います。色々な人と関わり、社内にいるより刺激も多いです。また、チームでいれば大変なことも乗り切れる。SESによくある、客先で一人ぼっちという環境だとタスクワーカーは歯車感が強いです。しかし我々の場合は専門チームとして一つの工程を任され、ある程度、自由が利く立場からお客様の課題解決にコミットできる。やりがいも大きいです」こう話すのは、第3ソリューション本部アシスタントマネージャーの高橋剛氏だ。プロジェクトの現場でチームを率いる立場にあり、イズム社内では採用も担当する。

クライアントとの信頼関係も抜群だ。「気持ちよく仕事ができる会社ばかり。高圧的な空気は皆無で、信頼してもらっていると感じますし、こちらも、よくしてもらっているので力になりたいという気持ちで取り組んでいます。一つのプロジェクトが終わっても、次々と繋がって長期取引になっていることが、お互いの信頼関係の何よりの証拠だと思います」と高橋氏。理想的なクライアントと案件に恵まれるイズムは、SESならではの利点を存分に享受できる会社といっていいだろう。

目下の課題は、マンパワー不足から案件の増加に対して十分に応えきれていないことだ。高橋氏は社歴15年。同社は、高橋氏のように長く活躍している人材と若手社員が多く、チーム内で要所々々をまとめるリーダー層がやや薄い。経験ある人材が増えれば、チームを増やす等、さらなる拡大が可能だ。仲間を得て、バランスよく組織を拡大していきたい考えだ。

クライアントから信頼され、責任あるポジションでプロジェクトに参画するイズム。その背景には、同社の社員育成方針がある。それは「一人の商売人を育てたい」というもの。高橋氏は言う。「SESはプロジェクトに参画し、技術を武器にお客様とシステムを一緒につくっていくサービスです。それには、単純な技術屋さんでは物足りない。技術があって、現場のマネジメントもできて、さらには営業もでき、最終的には経営者の視点も持つ自発的に動ける人材に育てたいというのが、当社の方針です」その「人」の力がイズムの強みだ。

育成方針を体現しているのが、代表取締役社長の阪口涼氏だ。阪口氏はエンジニアとして中途入社し、プロジェクトの一メンバーから同社でのキャリアをスタート。徐々にプロジェクト内でリーダー、マネージャーと管理者の立場になり、いくつものプロジェクトを率いてきた。社内の職層もリーダー、マネージャー、本部長を経てとうとう社長になった人物だ。「社長は、まさに当社のエンジニアのキャリアステップを体現している人。いい意味で社長然としたところがなく、元エンジニアなので現場の苦労も分かって、社員とも本当に気さくに話をします。もちろん厳しい面もありますが、エンジニア視点を持っているので、非常にやりやすいです」（高橋氏）。

社長に倣い、高い意識を持って取り組み、キャリアアップを実現する社員は多い。例えば、別業種から第2新卒的に入ったあるメンバー（ここではA氏とする）。A氏は、プロジェクトの中でも入りやすいテスト業務からスタートし、そこから徐々に仕事の幅を広げ、お客様からも信頼され、一チームを任せられるようになった人物だ。「チームリーダーとして、今ではそのプロジェクトに欠かせない存在になっています。当社の場合、上流から設計、製造、テストまで一通りの工程があるので、Aのように、まずは自己解決できる工程を任され、徐々に上流にシフトしてメンバーの管理やプロジェクト全体を見るようにもなります。言われたことができているだけではダメで、お客様先にいる以上、管理力や提案力も必要です。Aは非常に前向きで、自分からどんどん発信するタイプ。お客様から認められ、周りにもいい影響を与えてステップアップしていった例です」

お客様に貢献し、認められると、チームメンバーや社内でも一目置かれるようになる。評価は非常に納得感があり、公平だ。また、頑張れば頑張っただけ活躍の幅も広がる。育成の観点からジョブローテーションも行い、経験や業務知識等を増やしていくのだ。人を大事にし、一人ひとりの成長に寄り添う点も魅力的な会社だ。

現場での活躍に加え、イズムが重視しているのは社内の活動だ。高橋氏も現場では重責を担うエンジニアながら、社内では採用業務を担う。「当社には人事部がありません。それも会社の方針です。代わりに教育委員会、セキュリティ委員会、衛生委員会といった委員会があります。会社の方針を自分事として理解し、経営の視点を持ってみんなで会社を運営していこうという意図です。委員会への参加は自由。でも、やれば必ずいい経験になります。また、役職が上がるにつれ、このような社内への貢献も重要視されます」と高橋氏。これも同社の人材育成方針に沿うもの。技術を磨くことはもちろんだが、全方位的な人間力の向上を目指す。

教育にも力を入れる。研修会社と契約し、オンラインで様々な研修を受けられるほか、各種資格取得の支援も。また、現在はAWSの資格取得に注力しており、毎月、社内勉強会も開催する。コロナ禍で交流が減りがちな昨今、勉強会もみんなが集う楽しい場となっている。普段は各現場で、チームで和気あいあいと業務に臨み、時にこのような勉強会やオンラインの全社会等でチームを超えた交流もある。

社内でアンケートを取ったところ、このような関係性に魅力を感じている人が多かったという。「イズムのいいところを聞くと、ほぼ全員がメンバーとの繋がりを挙げました。チーム内での横の関係はもちろん、気さくな人が多く、上司と部下の縦の関係も良好です。個人と会社との距離感もちょうどよく、仲はいいけれども、休みに集まったり飲み会を強制したりするようなこともない。自然体です」（高橋氏）。

加えて、一人ひとりの個性を尊重する点もイズムらしさ。高橋氏自身も言う。「私は、決してリーダーシップを発揮するタイプではないのですが、コツコツ地道にやったことをちゃんと見て評価してもらえていますし、色々な面で居心地がいい会社だと思います」同社には、高橋氏のように長く活躍している社員が多い。真面目にコツコツと励み、様々な案件を通じて気が付けば成長し、それを下の世代に伝えていく。そんな堅実な社風が伺える。

同社に向く人材像は、「チームで動くので、みんなで協力してやっていく気持ちのある人。自分が助けることもあれば、逆に助けられることもあります。自分一人で技術を極めたいという人よりは、みんなで一緒に頑張り、みんなで成長していこうという気持ちの人が、当社には合っています」と高橋氏。実際、今いるメンバーもそんないい人ばかりだ。クライアントは大企業なので、働く環境もホワイト。心身共に疲弊するような環境とは真逆だ。素敵な仲間とやりがいある仕事に恵まれ、マネジメントや育成等の経験もでき、自分を自然と高めていける。イズムはそんな様々な美点がある会社だ。