スイングバイテクノロジー株式会社

SIを軸に展開しているが、業績は右肩上がりと非常に好調。「運や人に助けられた」と話す平松氏に、同社の特徴について伺った。

「SESという業務のあり方は他と同じだとしても、『スイングバイじゃないとできないよね』と言われるようなことをやりたいと常に考えています。そのためには、当たり前のことをきちんとやり、お客様に評価していただける会社を目指しています」

そして同時に、従業員についても熱い思いがある。

「その人の成長に一役買えるような会社でありたいんです。『スイングバイの方が大変だけど、結果的に身になったよね』と言ってもらえるような成長できる会社を目指したい。将来的にはうちに残って会社の根幹を支えてもらえたら一番ですが、仮に明日会社がなくなっても、どこでも食べていけるような力のある人をいっぱい育てたいと思っているんです」（平松氏）。

そんな同社の強みの一つが「営業力」だ。エンジニアが自分に合った仕事を選ぶことができ、なおかつスキルが上がるような経験を積める、上流工程から関われる多様な案件を揃えることに何より力を入れている。

「設立6年程度で大手SIerや外資系ベンダー等と直接取引し、様々なアプリケーションの開発やシステム運用等に携われる会社はそんなに多くないと自負しています。ただ、ここについても大それたことをしているわけではなく、基本に忠実に、真面目にコツコツと声に耳を傾けてきただけです」（平松氏）。

平松氏の前職までのコネクションを生かしているのはもちろんだが、ちょっとしたレス等の素早いアクションをきっかけに信頼を得たり、営業が求人情報等からリスト化してテレアポや情報配信を小まめに行ったり、情報交換会に積極的に参加したりと、愚直に積み重ねてきた結果だという。

「お客様から私のところに直接連絡があり、『いい人がいたら是非』と声を掛けていただくことも少なくないんです。その結果、業界を限定せず幅広い案件を選ぶことができ、うちのエンジニアはスキルアップを実現しやすくなっています。だから、当社の社員は成長スピードも速いと思いますよ」（平松氏）。

そんな同社の一番の特徴が、若い社員が多いこと。女性社員も4割ほどを占め、社内は若い力が元気に引っ張るような活気に溢れている。

「当社の採用方針は、素養のあるやる気に溢れた人材をヒューマンスキル重視で採用することです。IT業界を志すポテンシャルの高い人材を自社でしっかりと育て、現場で経験を積んでいく流れを作っています」（平松氏）。

ベテランエンジニア等の経験者を集めればクライアントの要望に応えられるだけの数は間違いなく確保できるが、それでは将来的に人材が枯渇してしまう。10年、20年、さらにその先まで会社が存続し、社会に価値を提供し続けるためには、若いメンバーが集まり、彼らがしっかりと育つ土壌を作っておかなくてはいけない。そこに何より力を入れているというわけだ。

「これは自慢なんですが、ポテンシャルやヒューマンスキルにこだわって採用していることもあり、お客様のところで当社の人材は勝ち残れるんですよ」（平松氏）。

ただ、今後同社が発展していくためには一つ大事なポイントがある。それが、リーダー層が足りていないこと。

「もちろん研修や現場での経験を通じてITスキルをアップしていってもらいますが、教えられる人材が足りてないのは事実です。色々なことを吸収したいと考えている、面倒を見たくなるような良い人材は沢山いるからこそ、彼らを束ね、次のステップに導いてくれるような人がいれば、当社はさらに拡大が見込めると考えています」（平松氏）。

現在サブリーダー等を任されてはいるが「上が詰まっているためリーダーになれない人」や、今のリーダーに不満を感じている向上心のある人、年齢に関係なく責任ある仕事をしたい人等にとっては、大きなチャンスが得られる環境に違いない。自分の仕事が会社の成長を支えるという実感も得られるはずだ。

「当社の武器は若さだからこそ、若い力で一緒に盛り上げていきたい。そんな気概のある人と一緒に働きたいですね」（平松氏）。

初夏の頃を目処に、オフィスの移転を予定している同社。現在のオフィスの約3倍の広さとなり、執務室以外にフリースペースやソファー席等も用意した「居心地の良い空間」を作ろうと本社メンバーを中心に準備を進めている。「内装にもしっかりお金をかけて、若いメンバーが気軽に集まれるような場所にしていきたいですね」と平松氏。

新型コロナウイルスの影響で社員旅行等の社内イベントが実施できず、普段それぞれの現場で働く社員同士がなかなか顔を合わすことができない日々が続いている。だからこそ毎月の帰社日は大事にしているが、「もっと社員同士が結び付き、そこから楽しいことが生まれるような会社にしていきたい」と意気込んでいる。

「例えば社内で動画配信等をしていきたいですね。かしこまった情報だけでなく、リアルなうちの良さや雰囲気を包み隠さず発信するのが目的ですが、社員が楽しんでそういう企画を進めてくれるような社風を醸成していきたいです。私自身、仕事モードに入るとちょっとキリキリしてしまって怖がられることもあるんですが、実は面白いことが大好き。みんなで楽しいことをやっていきたいんですよ」（平松氏）。

会社としては、ゆくゆくは自社サービスの開発にもチャレンジしていきたいと話す。さらにその先には、上場等も視野に入ってくるだろう。

「今まで会社として立てた目標は、全て達成してきました。だからこそ、そうした目標にも力を合わせて皆で向かっていきたいですね」（平松氏）。

現在、女性だけでなく男性社員が育休を取得中。頑張る社員へのサポートやフォローを惜しまないからこそ、「これからも皆が働きやすい環境づくりをしっかり進めていきたい」と平松氏は笑顔で語ってくれた。