株式会社一広グループホールディングス

大きな変革のただ中にある広告業界で、従来の「広告手法」にとらわれない事業展開を模索している一広バリュークエスト。テクノロジーを活用した新規事業の企画・開発にも積極的だ。

一広バリュークエストが新たにチャレンジしている領域は、AI×ITの活用で採用フロー全体の「業務工数の削減」「広告媒体差配の適正化」「科学的なクリエイティブ制作」と「入社後の活躍」の実現を目指しています。
この新たな領域は、一つの通過点であり、今後変化と進化を重ねていきます。

「求人広告もデータドリブンな時代。求人広告の発注をデジタルで管理することで、効果データを蓄積して、データに基づいた効率的な求人広告を発注でき、採用戦略がスムーズに進みコスト削減にも繋がります。現在AIエンジニアを採用して、データドリブンなデジタル採用マーケティングツールを開発しています」（古川氏）。

「機械学習」を活用した予測解析システムは、AIが平均予測応募数を算出し、求人ごとに最適な求人媒体を選択できる。

広告文/広告キーワード検証サービスは、AI(人工知能)を使って求人広告文を分析・改善。広告文・ターゲットごとの比較検証をAIと同社独自の分析手法で行い、最適な広告文を生成する。

「他社と同じことをしていても、抜きん出ることができません。そこで当社は、新しいサービス・プロダクトを積極的に開発・提供しています。広告ビジネスに縛られない自由な発想でHRテックを推進していきます。現在、HRテックへ変容する事業会社のメンバー46名ですが、将来は採用を加速させて半数をエンジニアにしたテックカンパニーにしたいと考えています」（古川氏）。

テックカンパニーを目指して、新しいサービス・プロダクトを次々と世に送り出している一広バリュークエスト。現在は、AIエンジニアが1名在籍しているのみで、システム開発は外部と協業しています。エンジニアを積極採用して、エンジニアチームを組織し新サービスの開発の内製化を急ピッチで進めています。

「一広バリュークエストをテックカンパニーとする第一歩として、エンジニアチームを組織してくれる、CTO、VPoEクラスのエンジニアを募集しています。若手エンジニアで上のポジションにチャレンジしたい人材を求めています。ゼロから組織を立ち上げる貴重な経験ができます。ボトムアップの組織で社員のアイデアを形にするカルチャーもあります。HRテックの分野で新規サービスを立ち上げてみたいエンジニアも大歓迎です！」（古川氏）。

一広グループホールディングスの中で、一広の「採用広告」事業を継承したのが、株式会社一広バリュークエスト。大手企業を中心にクライアントの人材採用戦略をサポートする事業を展開している。

アルバイト・パート採用、キャリア採用、新卒採用等、あらゆる採用のニーズに対し、採用広告を主体としながら、誌面・Web・運用型メディア・SNS広告・4マスメディアと幅広くコンサルティングを展開している。中立な立場から最適なクリエイティブを企画・制作。50年以上かけて培った採用ノウハウで、全国のあらゆる業種・業態で有効な提案を続け、近年は採用動画制作サービスやオウンド動画プラットフォーム等、デジタルコンテンツの活用にも力を入れている。

今後は、海外マーケットへも積極的に進出していきます。
人材獲得競争は、グローバルな戦いに変化しつつあります。人材の獲得力が、その企業の企業力やその国の国力につながる時代なっています。またテクノロジーの進化にともなってどこに住んでいてもつながれるので、砂漠やジャングルのどこにお住まいでも能力を活かすことができるようなりました。テクノロジーを利用しつつグローバルに活躍されたい人材のマッチング事業を開始していきます。（株式会社バリュークエスト代表取締役社長・古川透氏）。

また広告以外のアプローチでクライアントの課題を解決するサービスも展開している一広バリュークエスト。大きな変革期を迎える求人広告業界で生き残るためには、自社のアイデンティティーともいえる「広告」にこだわらない事業展開を模索すると、古川氏は語る。

「求人広告業界は大きな変革期の渦中にあります。デジタル化の波が押し寄せ、ドメスティックな業界だったのがIndeedやLinkedInが日本でもサービス展開しているため、グローバル化も進んでいます。一広は広告によって企業とワーカーのマッチングを図ってきましたが、今後は、広告以外の領域でも企業とワーカーのマッチング機会を提供していきたいと考えています」（古川氏）。

同社が新たに開発・提供している、在籍出向マッチングサービス『シェアビジ』は、一次的な業務の増減を理由に従業員の雇用を解消せず、在籍出向の仕組みを活用して他社で働いてもらう際に、出向元と出向先をマッチングするサービスだ。

「コロナ禍でやむを得ず雇用解消する企業が増える中、雇用を維持したいが会社の一時的な業績ダウンに対応しなければならない悩みを抱えた企業が多くあります。『シェアビジ』は、企業の採用戦略サポートで得た企業の特色や社風等も考慮して、企業と従業員の間で親和性の高いマッチングを実現します」（古川氏）。

1967年から続く総合広告代理店の株式会社一広グループホールディングスが、広告業界の大変革に立ち向かうために、未経験の人材からCTOクラスのエンジニアまで、幅広く採用強化を進めている。

「一般広告」と「人材広告」という二軸の事業スタイルでやってきた株式会社一広は、2017年にホールディングス体制へ移行し、新時代に即した事業展開を推進している。

「一般広告と人材広告を一社で取り扱うケースは少なく、当社の特徴としてきました。どちらも『人』が『人』のために作るもので、根底に流れているものは同じです。企業とユーザーの間を結ぶ点では、大きな違いはありません。むしろ、求人広告で会社のことを知り、一般広告で商品やサービスのことを深く知ることで、それぞれの広告掲載、そしてそれがもたらす結果に好影響を与えられます」（株式会社一広ラテラル代表取締役・木村寿美夫氏）。

デジタル時代の現代、広告事業も大きな変革期にあり、一広も「組織改革」と「事業改革」に取り組んで、時代にキャッチアップしている。2017年4月に株式会社一広をホールディングス体制に移行。株式会社一広の各事業を、株式会社一広グループホールディングスの下、株式会社一広クロス、株式会社一広ケーアンドエー、株式会社一広バリュークエストに分割。さらに翌年の2018年4月、広告のクリエイティブを制作する専門会社として、株式会社一広ラテラルが立ち上げられた。

「グループ内の制作を請け負う会社として、一広ラテラルは創業しました。デジタルコンテンツからグラフィック、映像まで、幅広い領域のクリエイティブを制作しています。一広ラテラルのクライアントは、グループ会社の一広クロスと一広ケーアンドエー。一般広告の営業部が2社に分かれ、それぞれの制作部が一つになる形で一広ラテラルは誕生しました」（木村氏）。

一広ラテラルには12名のスタッフがいる。一広グループからの案件が増加しており、会社とグループを成長させるために、プランナーとアートディレクターを広く募集している。経験者だけでなく業界未経験でもチャレンジできるという。

「採用に当たって、前職は大きな要因ではありません。パーソナル面やヒューマンスキル等のポテンシャルを重視しています。例えば、当社のプランナーに元ITエンジニアがいます。プログラマとして活躍していたのですが、人と関わる機会が少なくてプランナーにジョブチェンジしました。業界経験者も大歓迎。デジタルにもチャレンジできる環境があります。制作会社で働いている人材なら、スキルアップが望めます」（木村氏）。