株式会社ProbSpace

コンサルタントとデータサイエンティストが立ち上げたユニークな会社がある。コンサルティング事業を手掛けながら、新しい働き方やコンサルティングの在り方を模索している、株式会社ProbSpase（プロブスペース）だ。

同社が創業されたのは、2018年4月。外資系コンサルティングファーム出身の代表取締役・内藤嘉章氏が、ハイスキルを持った人材が会社に縛られずキャリアパスを築ける「キャリアプラットフォーム」を実現するべく立ち上げた。その際、足掛かりのサービスとして開発したのが、社名にもなっているサービス『PROBSPACE』。データサイエンティストが集まるコンペティションサイトだ。

「『PROBSPACE』は、登録しているデータサイエンティストが、データと課題を基に自らのスキルを競うサイトです。一般にコンペサイトは、企業課題の解決を目的としていますが、『PROBSPACE』はデータサイエンティストのスキルの証明を目的としています。データサイエンティストのスキルは一般には見えづらく、データサイエンティスト採用における企業の悩みの種でもあります。『PROBSPACE』でデータサイエンティストのスキルを可視化することで、データサイエンティストと企業の双方にとってメリットが生まれます」（内藤氏）。

コンペサイト『PROBSPACE』には、もう一つ役割がある。それは、データサイエンティストがスキルアップのために勉強できる場であることだ。

「データサイエンティストがスキルを学ぶ環境として『PROBSPACE』を活用してもらいたいと考えています。スキルは座学で勉強するだけでは、身に付きません。実際にデータを使って競うコンペティションの方が、沢山のことを効率良く吸収できますし、何よりも楽しみながら学べます」（内藤氏）。

コンペサイト『PROBSPACE』は、優勝した人にコードの公開を求めている。コンペティション参加者が、公開されたコードで学びを得られるからだ。さらに、コンペサイト『PROBSPACE』は、データサイエンティストのコミュニティとしても機能している。

「サイトには『トピック』というページがあり、そこではコンペの参加者が、自分のアプローチ方法を公開したり意見を披露したりしています。情報共有やディスカッションする場としても使えます」（内藤氏）。

データサイエンティストが集まるプラットフォームとして機能しているコンペサイト『PROBSPACE』を運営する同社では、新しいサービスの開発を、目下、急ピッチで進めている。キャリアの新しい在り方を作る「キャリアプラットフォーム」の構築だ。

「転職はゴールではないと感じています。スキルアップをしながらジョブチェンジを重ねて、市場価値を上げていくのが、現在のキャリアの在り方。既存の転職サービスが新しいキャリア構築に適していないと考えており、当社はHRテック領域で新しいサービスの開発を手掛けています。詳細はまだ公表できませんが、面談の場ではサービス構想をお伝えしますので、是非話を聞きに来てください」（内藤氏）。

コンペサイト『PROBSPACE』を運営し、HRテック領域で新サービスを開発しているProbSpaceだが、現在のメイン事業は「コンサルティング」だ。コンサルティング事業でも、同社は新しい展開を模索している。

「コンサルティング事業でも前例のない新しいコンサルの在り方を模索しています。例えば、営業チャネル。従来のコンサルファームは、自社の元社員が事業会社に転職して、その繋がりで案件を受注するアルムナイネットワークか、監査法人経由の案件を手掛けるのが一般的です。当社は、開発中のキャリアプラットフォームを営業チャネルとしても活用し、人材を必要としている企業に戦略と事業開発も提供します」（内藤氏）。

縦割りの社会。それが流動化して、横に繋がる世界へ変貌を遂げる。その時、新しい価値観やビジネスモデルは生まれる。ビジネスデータと情報システムのデータが、データサイエンスを介して繋がり、イノベーションが起きた。人材と戦略が両輪駆動することで、企業にイノベーションを起こし、新しい社会が創造される。同社が見据えている事業は、はるかに大きい。

「知が動けば、未来が動きます。ヒト・カネ・モノ・情報が集まるのが、キャリアプラットフォームです。キャリアプラットフォームにアクセスする企業は、その裏でプロジェクトが動いているケースが大半。そこには、コンサルティングの需要があります」（内藤氏）。

人の繋がりで案件が回っているコンサルティングの世界。プロジェクトの橋渡し的な存在である。マネージングディレクターが必要なくなればコストを圧縮できると内藤氏は指摘する。

「マネージングディレクターが高給を取っているため、コンサルティングの料金は、中小企業が払えないレベルで高額になっている現状があります。不必要なコストをかけずにコンサルティングを提供する仕組みを作ることで、多くの企業でイノベーションが生まれ、新しい価値を創造することができます。そして、コンサルタントの活躍の場も広がります」（内藤氏）。

HRテック領域での新しいプラットフォームの構築、コンサルティング業界の構造改革にチャレンジしているProbSpace。データサイエンティストが集まるコンペサイト『ProbSpace』をはじめ三つのサービスが緩やかに繋がることで、独自のビジネスモデルを形成する。次世代のスタンダードを作る会社といえる。

これまで、内藤氏の人脈を生かしたリファラル採用を中心に人材を確保してきた。開発は外部の協力会社にアウトソースしており、メンバーは全員コンサルタント。HRテック領域の新サービスをローンチした先を見据えて、コンサルタントの採用と育成を進めている。

特に、同社が採用ターゲットにしているのが、ITエンジニア。コンサル未経験のエンジニアをITコンサルに育成することで、コンサルティング事業の拡大を狙っている。

「DXがトレンドになっている現在、ITコンサルへの需要は大きいですが、一方で業界全体で人材不足も深刻な状況です。当社では、コンサル経験者だけでなく、SIer等で要件定義等、上流フェーズに携わっているSEで、さらに上流のコンサルフェーズにチャレンジしたいエンジニアを募集しています」（内藤氏）。

SEのキャリアアップとして、ITコンサルは非常に魅力的。給与水準がエンジニアとコンサルでは異なる。特に同社は、外資系コンサルファームの給与水準をベンチマークにしており、メンバーの平均年収が、一部上場の事業会社より確実に高い。

「コンサルティング業界の構造改革を成し遂げて、新しいコンサルのスタンダードを作るには、優秀な人材を集める必要があります。そのため、ライバルとなる外資系コンサルファームに負けない給与水準を意識しています。コンサルティングは、求められるハードルが高い職種ですから、大変な局面もあるのは確かです。ただ、それに見合うだけのリターンもあるので、キャリアアップを図りたいエンジニアに、是非チャレンジしてほしいです」（内藤氏）。

コンサルタントとデータサイエンティストが作った会社だけに、理知的なメンバーが多いProbSpace。エンジニアともカルチャーマッチする。仕事の自由度も高く、KPIにコミットすれば、アプローチはその人のやり方でOK。自走するメンバーが、会社に縛られず自らの価値を最大化できる会社といえる。

「直面する未知を楽しみ、学び続けるスタンスを大切にしています。全社的な視座を持ち、ProbSpaceが歩む新しい道を楽しみ、組織や個人として直面する壁を継続的な学びによって乗り越えることを期待します。常に当事者意識を持ち、プロジェクト成功に向け率先した提案、そして遂行してください。他者との協働によって価値を生み出し、状況の変化を的確に捉え、素早く対応する。『未来に対する肯定的な期待』『適切な感情のコントロール』『興味や関心の多様への意識』を持って、ハイプレッシャー環境での業務遂行。新しい社会の創造を楽しみながら、自らのキャリアを切り開いてください！」（内藤氏）。