マーソ株式会社

『予防医療×テクノロジー』という事業を通じて、健康寿命8年の延伸に挑むマーソ株式会社。人間ドック・健診予約プラットフォーム、ワクチン接種予約システム等、医療×ITの事業領域でのサービスを拡大し、2021年度の売上高は前年比300%以上と急成長を続けている注目のヘルスケアDX実装カンパニーだ。

同社はゴルフ場WEB予約・運営システム等を手掛ける三和システム株式会社の医療事業部門が分社化し、2015年2月に設立された。事業の特徴について取締役副社長の阿部順一氏は次のように語る。

「ポータルサイト運営を行うマーケティング会社の領域と、WEB予約や運営システム等の各種業務効率化を担うDX会社の領域の両方を持ち合わせているのが当社の特徴です。マーケティング領域では、国内最大級の人間ドック・健診予約サイト『MRSO（マーソ）』を運営しており、現在、掲載施設数は1,300を超えています。DX領域では、医療施設向け、国・自治体向け、法人向けに人間ドックや健診、ワクチン接種の業務を効率化するWEBシステム『MRS（エム・アール・エス）』をはじめとしたサービスを開発・提供しています。このように、マーケティングとDXの両方の領域でサービスを展開し、その相乗効果で競合との差別化を図っているのが当社の強みです」

DX領域では毎年新規サービスを立ち上げている。2021年1月には、国がワクチン接種事業を開始すると同時に、自治体での予約受付業務をサポートする『新型コロナウイルスワクチン接種WEB予約サービス』の提供を開始。多くの自治体から高い評価を獲得し、現在500以上の自治体で利用されている。月間PV数は最大10億に達し、業界シェアNo.1※を誇る（※富士経済社「2022年 医療連携・医療プラットフォーム関連市場の現状と将来展望」による）

さらに2022年7月には地方自治体の業務に特化した行政WEB予約サービス『GOYOYAKU』を開発し、提供を開始した。このサービスは、マイナンバー交付予約、各種相談・手続予約、各種セミナー/勉強会予約等、地方自治体が実施する様々な行政サービスの予約受付に活用することができる。同社では、これまで蓄積してきたインターネット予約に関するノウハウを行政サービスに活用することによって、地域住民の利便性向上と地方自治体の業務効率化に貢献していきたい考えだ。

現在、マーソは従業員30名体制。そのうちシステム開発・インフラ構築を担うエンジニアは18名で、年齢は20代・30代・40代が各6名。前職はITベンチャーやスタートアップ、SIer、医療系システムベンダーのエンジニア等、様々なバックグラウンドを持ったメンバーが活躍している。18名のうち3名がインフラ専任で、全サービスのインフラを担当。自社サービス立ち上げの際のサーバ構成やアーキテクチャ設計・構築から、サービス開始後の運用監視までに携わっている。

同社でエンジニアとして活躍する魅力は、自社サービスの開発に幅広く取り組むことができ、サービス設計や新規サービスの立ち上げにまで携われることだ。阿部氏は次のように語る。

「当社のエンジニアの業務範囲は幅広く、要件を作る段階から参加します。毎週、営業、エンジニア、カスタマーサクセス等、全員が参加して、今サービスがどういう状況で、利用者数を伸ばすには、システムはこうあるべきだといった議論をしています。ただ開発するだけではなく、サービスづくりに主体的に参加して、サービス成長にも携わっているのです」

最先端技術に触れてスキルアップできるのも同社の大きな魅力の一つだ。

「月間5～10億PVの『ワクチン接種WEB予約システム』をAWSで構築・運営している当社には、Amazon Web Services社も注目しています。AWS社にはマーソ担当チームがあり、当社のインフラエンジニアはトップレベルの技術力を持つAWS社のエンジニアと日々Slackでコミュニケーションを取っています。『このプロジェクトにはこういう設計がいいのではないか』等、毎日のように技術的な提案を受けていて、おかげさまでここ数年、当社のエンジニアの技術力が大幅にアップしました。インフラエンジニアとして成長したい方には最適な環境です」（阿部氏）。

ワークスタイルはほぼリモートワークで、メンバーはチャットツールやWEB会議ツール等でコミュニケーションを取りながら開発を進めている。

「エンジニアの18名は組織の階層がなくフラットで、年齢や社歴に関係なく、メンバー一人ひとりが『このサービスにはこんな技術を使えばユーザー数が増えるのではないか』等、提案しながら開発に取り組んでいます。自分が提案した技術が採用されるためには、プレゼンしなければいけないので、プレゼンスキルも磨けます。そして採用された新技術は社内のWikiに書いたり、チャットツール上で共有したりして、他のプロジェクトに横展開しています」（阿部氏）。

現在、マーソは東京都港区虎ノ門のオフィスビルの17階に本社オフィスを構えている。東京メトロ「神谷町駅」、「六本木一丁目駅」、「溜池山王駅」の3駅から徒歩圏内で、アクセスのいいロケーション。同社の企業カルチャーについて阿部氏は次のように語る。

「エンジニアに限らず、営業やマーケティングのメンバーもみんなが主体性を持って仕事に取り組んでいます。受け身で指示待ちの人はいません。お客様からご要望を頂いた時、ただ言われた通りのものを提供するのではなく、よりお客様の業務を効率化するにはこんなシステムの方がいいというように提案しています。また、できないから諦めてしまうのではなく、どうすればできるかを考えるメンバーばかりです」

そんな同社が求めるのは成長意欲があり、ビジネス視点を備えたエンジニアだ。

「当社では技術だけを追求するのではなく、サービスを成長させるために技術を活用する意識を大切にして開発を進めています。どうすれば利益を上げることができるかといった観点で、サービス開発に取り組むことができる方に来ていただきたいですね。といっても技術が必要ないかというと、そうではありません。エンジニアにとって技術は武器です。武器が多ければ多いほど強みになるので、スキルアップに意欲的に取り組む方を求めています」（阿部氏）。

今後のビジョンとしては、マーケティングの領域では『MRSO』の会員数・予約数を増やし、さらにはデータプラットフォーム領域に進出していきたい考えだ。DXの領域では行政DXサービスの拡大を進めていく。

「『ワクチン接種WEB予約システム』の提供で自治体向けアカウントが増えたので、行政DXサービスを強化してさらに事業を拡大していきます。中長期的に考えているのはヘルスケアデータのプラットフォーム領域への進出です。現在、医療施設向け、自治体向け、法人向けのヘルスケアサービスを提供していますが、それらはまだ連携していません。例えば会社で定期健診を受けた場合、過去3年分ぐらいの結果が書かれた報告書が来ますが、会社を変わると過去の情報はなくなります。ワクチン接種情報も基本紙で手元に持っていて、健診結果の情報と連携することはありません。あらゆるヘルスケアデータをクラウドに集めることによって、一元管理・提供するサービスの提供を目指しています。『国民の健康寿命の延伸』というミッションに挑む私達と一緒に力を発揮していただく方をお待ちしています」（阿部氏）。