株式会社ECN

Webアプリケーション開発、サービス企画やモバイルアプリ開発をメインに、システムコンサルティングやサイト構築、動画制作といった幅広い領域の事業を展開する株式会社ECN。現在、神奈川県横浜市に本社を置く同社は、国内有数の大手企業におけるインフラエンジニアとしてのキャリアを有する代表取締役社長・天野賢二氏によって、2012年7月に設立された企業だ。起業のきっかけとなったのは、歴史ある企業における業務で使われる業務系システムや設備保守システムに関する課題を感じたことだと、天野氏は当時を振り返る。

「私が在籍していた企業の各種システムは、大手ベンダーが開発を担当していましたが、不便さや維持コストの高さを感じることが多々ありました。約10年前のことですが、技術者はUI/UXよりも機能を優先することが多く、業務効率が悪くなるというケースも多かったように思います。その課題を解決したいという思いから、私は当社を設立しました」（天野氏）。

設立時、同社のエンジニアは天野氏のみという状況だったが、その課題解決に対するニーズは、業務系システムを導入している中小企業の多くに存在すると確信していたと、天野氏は語る。その同社の事業は、物流企業のコールセンター業務を支援するシステム開発に始まり、表計算アプリでの運用が主流だったデータ管理をWeb化・DB化することにより、大幅な業務効率の向上を実現したという。現在は、大手通信企業の新規事業である、ライブ配信コマースサービスのシステム開発にも取り組み、その動画配信やフロント・バックエンド開発、EC機能の実装までをトータルで担っている。

「Webサイト構築、アプリ開発といった領域にも対応していますが、当社の一番の強みは対応力にあると思っています。クライアントとのやり取りに関しては、常に相手に“ボールを返す”ということを意識しながら、早いレスポンスを何よりも心掛けています。また開発業務においては、予算内での対応範囲に関する線引きが難しい場合もありますが、当社では極力ご依頼に対応し、コストの増大を避ける努力をしています。スピーディーな反応を徹底し、適正な価格でサービスを提供するという当社の対応力には、多くのお客様から高い評価を頂いています」（天野氏）。

同社の対応力の高さは、クライアント企業との親密な関係性がベースとなっているのは間違いないだろう。プロジェクトの進行に関しては、対話を繰り返しながら共に成功を目指した取り組みを推進する。機械的なコミュニケーションではなく、時には雑談にも時間をかけながら密なやり取りを行い、信頼性の高い関係を築いていることも、同社の特徴の一つと言えるだろう。

「その関係性がないと、開発側がクライアントからの無理なオーダーで疲弊する、そしてオーダーされたことしかやらない、というマイナス面が生まれてしまいます。その状況では、開発者として“いい仕事”はできませんし、何よりも仕事の楽しさや働きやすさを感じることができないはず。当社の考えは、まず社員が幸せを感じながら仕事をすることを優先し、その次に会社の発展や成長を目指すということです」（天野氏）。

今後については、現状での主力事業となっているシステムの受託開発事業を拡大する同社だが、人材の増強によって対応チームを複数構成し、業務負担の低減とクオリティーの向上も目指したいと天野氏は考えを示している。そして、自社の取り組みの中で蓄積した技術力を、社会に発信するという価値提供も行っていく予定だ。

「事業を通して、当社では数多くの最新技術に触れ、一方では自社独自のモジュールやプラグインといったプロダクトの開発も行っています。そうした技術のアウトプットを増やすことにも、今後は取り組んでいきたいと考えています。そのチャレンジを通して、世の中を良くする技術を発信する企業としての存在感を出していくことが、今後の当社の目指すことです」（天野氏）。

天野氏によれば、当社の業務スタイルは「良い意味でやり方が定まっていない状況」にあり、エンジニア達は自身の考えを基に「何でもできる」開発環境となっているという。その環境で自身の技術力を向上させ、同時に世に発信していくという業務は、まさに仕事の楽しさや充実感を最大限に得られるものになることは間違いない。

「例えば、AWSの新しい技術等に興味があっても、業務の枠の中で挑戦する際に限界を感じることもあると思います。当社では、そうした枠は存在せず、最先端の技術や言語に制限なく取り組むことができます。技術者としての成長を目指す上では、当社の環境は理想的なのではないでしょうか」（天野氏）。

現在の同社には16名の社員が在籍している。常駐で勤務するメンバーが9名、東北や九州といった遠方に在住するメンバーが2名、そのほかのメンバーはフルリモート勤務と、多様な働き方が可能な体制だ。今回の募集によってメンバー増を目指す中、転職者に伝えられる社風について聞いたところ、天野氏は「自由」という答えを返してくれた。

「先ほども、朝出勤してすぐにカップ麺を食べているメンバーと“なんでいきなり？”と笑いながら話していたのですが、とにかく自由な人が多いというのが当社の社風だと言えると思います。平均年齢が20歳代後半という若さもあるのかもしれませんが、無理なく、自分のペースで仕事に取り組める自由さが当社にはあると思っています」（天野氏）。

環境面に関しても、スキルアップを目指した教育コンテンツや資料に関する費用を月額5,000円まで負担する制度もあり、社員の意欲に応じて最大限のバックアップを実施しているのも同社の魅力の一つ。オフィスでの勤務に関しても、各メンバーの座席には低いパーティションを施し、他者の視線を感じることなく業務に集中しながら、コミュニケーションを取る際には気軽に話し掛けることができる環境を整えている。

「OJTが必要なメンバー等は、どうしても出社して勤務してもらう必要が出てきますが、当社ではオフィスに居ながらにしてリモートワークのような環境で働けるはずです。メンバー間の関係も良好ですし、これから入社する方もご自身のキャラクターを大切に、また仲間達のキャラクターも尊重しながら、自分らしく働けるはずです」（天野氏）。

エンジニアという業務領域においては、一定の年齢やキャリアに達することで開発現場から離れ、管理やマネジメントといった役割を求められるケースも少なくない。しかし同社では、自身の志向に合わせた業務を継続しながら、思い描くキャリアプランを形にすることができるはずだと天野氏は説明している。

「本人の意向にかかわらず、30歳代、40歳代になることで、開発現場での作業をしないマネージャーにキャリアチェンジするという方も多いかもしれません。しかし、当社では現場作業を続けることもできますし、手を動かすことへのこだわりも持ち続けることができるはずです。どんな立場になっても、システム開発という価値ある業務を楽しめる。当社は、そんな方に来ていただきたいと思っています」（天野氏）。