ITインテグラル株式会社

会社から正当に評価されていない。頑張っても収入が上がらない。積極的にスキルアップが図れる環境を求めている。そんなエンジニアがキャリアを築くことができ、満足して働ける会社がある。横浜市にあるITインテグラル株式会社は、エンジニアが会社所属とフリーランスの中間的なキャリアを構築できるIT企業だ。

同社のビジネスモデルは、いわゆる「SES（システムエンジニアリングサービス）」。ただし、システム開発の中でプログラミングだけ請け負うのではなく、IT企画からシステム構築・開発までワンストップで提供している。その点でいえば、プログラマを開発現場に送り出している一般的なSES会社とは、趣を異にする。

一般的にSESは、システム開発の現場にエンジニアの技術力を提供する事業。SESで客先常駐して働くエンジニアは、プロジェクト単位で現場（常駐先の会社）が変わるケースも少なくない。しかし、同社のSESは上流工程がメインとなるため、同じ会社のプロジェクトが長期間にわたって続くパターンが多い。

そして、同社のメインクライアントは「ソニー」だ。

「ユーザー系システムインテグレーターで働いていた私のクライアントが、当社の土台となっています。新卒入社3年目でソニーの案件を担当し、それから15年、間に他の案件も挟みましたが、ソニーの仕事を続けてきました。ソニーでの最初のプロジェクトが“大炎上”しており、それを何とか終わらせたことがクライアント担当者との信頼関係の構築に繋がり、長きにわたって取引が続いています」（代表取締役・加藤英昭氏）。

同社のモットーは「お客様と一緒にシステムを作る」。要件が定義された開発を請け負うのではなく、クライアントと一緒に課題を洗い出して要件を定義する。そして、プロジェクトを立ち上げて完遂する。それが、同社のエンジニアに求められる役割だ。

「クライアント企業の中に入り、プロパー社員の代替としてIT化をリードします。ITの企画立案やプロジェクトを進めたいが、プロパー社員だけでは工数が足りない。プロパーと同等の仕事をできる要員が欲しい。そんな企業の悩みに応えるのが当社なのです」（加藤氏）。

同社の事業は、一般的なシステムインテグレーション業界の構造では語りきれない。企業の情報システム部の一部となって、社内あるいはグループ内でプロジェクトを立ち上げ、それを実行する役割を包括的に担う。

「当社のエンジニアが担当しているのは、ソニーグループのDXやR&Dに関するプロジェクトです。本来ならクライアント企業のプロパー社員が担うポジションを、当社のエンジニアが務めています。クライアントのビジネスを深く理解し、高い技術力でソニーグループのDXやR&Dを牽引する存在として、クライアントから信頼を頂いています」（加藤氏）。

同社におけるソニーでの仕事は、IT企画やプロジェクトマネジメント、アーキテクチャ設計等、上流工程がメイン。BP（ビジネスパートナー）の手を借りて、開発チームを作り、システムの開発・構築、その後の運用まで責任を持つ重要なポジション。それだけエンジニアの単価は高くなり、収入アップも期待できる。

「当社の給与は、プロジェクトの受注金額で決まります。エンジニア一人当たりの受注金額のケースもあれば、プロジェクトの受注金額の一定割合をエンジニアに支給するパターンもあります。クライアントから信頼され、BPのサポートを受けてプロジェクトを大きくすることができれば、当社エンジニアの収入がアップします」（加藤氏）。

同社が、会社所属とフリーランスの中間的なキャリアを構築できる会社だといえるのは、同社の給与体系の影響が大きい。エンジニアは努力してプロジェクトを大きくすれば、それだけリターンも増える。エンジニアの頑張りが、給与へダイレクトに反映する形となっているのだ。

「エンジニアが仕事で頑張った分を還元できる会社を作りたいと思っています。市場価値の高いエンジニアになることで、会社の売上もエンジニアの収入も上がります。そして、何よりも価値提供することで、クライアントが喜んでくれます。長く当社で働いてもらいたいと思っていますが、独立してフリーランスになったり、起業したりするキャリアもあります。仮に将来、当社を辞めても、一緒に仕事をすれば当社にとっても頼もしいBPとなります」（加藤氏）。

2018年に設立された同社。2023年5月現在、メンバーは加藤氏を含めて5名。エンジニア増員と開発チームの内製化を願う声もあるが、やみくもに組織を大きくするのではなく、一人ひとりのエンジニアがクライアントに最大限の価値提供できることを優先している。

「開発エンジニア、特にプログラマを積極的に増員する予定はありません。プログラマを増やして開発チームの内製化を進めると、会社の収益力が高まるのは理解していますが、それは私の起業の精神とは異なります。クライアントのニーズを現実のものとし、価値提供できるSEを増やし、彼らが豊かなエンジニアライフを歩める会社を作るのが、私の起業に込めた思いです」（加藤氏）。

会社の急拡大は考えていないが、採用の窓口は常にオープン。フリーランスエンジニアのように自由かつ頑張りが収入に反映される働き方を希望し、さらに大手企業でプロジェクトマネジメントを経験したいエンジニアには、同社で働くのはチャンスだといえる。

「現在の常駐先はリモートワークが基本です。働く時間も仕事に支障がないように調整すれば、クライアントは細かいことは言いません。結果が全てなので、効率良く働いてワークライフバランスを充実させてください。ソニーのプロジェクトでは最新技術に関わるチャンスもあり、スキルアップも期待できます」（加藤氏）。

フリーランスエンジニアは自由な働き方はできるが、一方で個人事業主はやれることが限られ、エンジニアの仕事以外の雑務も増える。

「フリーランスのように責任感を持って仕事に打ち込み、それに対する適正な対価をもらいながら、会社に所属するメリットも享受できる会社にしたいと考えています。福利厚生等、会社の制度面は、今後入社する社員と一緒にこれから整備を進めていきます。どんどん希望や意見を言ってもらえると助かります！」（加藤氏）。