– 運用型広告運用を専任担当者が一気通貫でサポートする –
従来はありえなかった独自の手法で業界に革新をもたらしたのが、アナグラム株式会社。運用型広告に関するアナグラム独自の情報発信にも力を入れており、Webマーケティング業界における同社の取り組みは、今や目が離せないものになっている。
2010年の創業以来、着実に進化を遂げてきた同社だが、2020年1月にまた新たなステージに突入した。デジタルマーケティング・テクノロジーの駆使など、B2B領域で様々なサービスを提供し続けるフィードフォースグループへのジョインだ。
そんなアナグラムの「今」を、代表取締役の阿部圭司氏、マーケティング支援チームマネージャーの小山純弥氏、経営戦略室人事マネージャーの高梨和歌子氏の3人に聞いた。
―阿部さんは「アナグラムは今までの広告代理店のアンチテーゼとして生まれた」とおっしゃっていますが、あらためて「アナグラムの強み」について教えてください。
アナグラムという会社は、今までのどの広告代理店もベンチマークしていないんです。アンチテーゼというのは「分業」というやり方に対してで、僕らは「一気通貫」で1人の担当がお客様の広告運用を全てやることに非常にこだわっています。分業だとコミュニケーションが割れてしまって伝言ゲームのようになってしまうため、情報のズレや遅延が起こる可能性が高いですし、単純に楽しくなさそうだと思ったからです。
やりがいも、得られるスキルも全然違いますよね。
お客様からの「ありがとう」の言葉も、怒られるのも、すべてが直接自分に届きます。それは当社がずっと大切にしていることです。だから、うちで一人前になれると、独立できるくらいの力は普通に身につきますね。
まさに下請けではない新しい支援の形を提案していくことで、「第三世代の広告代理店」と言われる一群の中で頭一つ抜けていたいですよね。
そこは意識しているというか、そうありたいと思っていますね。僕らはナンバーワンになりたいのではなく、お客様にとっての「最善の選択肢」になりたいんです。大きい会社だからとかではなく、この会社がベストだと思ってもらえたらそれでいい。最初は一気通貫のやり方については反対されましたし、無理だとも言われましたが、今は本当にやってよかったと思っていますよ。
―そんなアナグラムの「進化」という意味で、この1月に大きな動きがありました。
はい、フィードフォース(以下、FF社)社との融合、ですね。わかりやすくいうと、私がFF社の役員になっている状態で、FFグループにジョインしたかたちとなります。
―その背景について教えていただけますか?
アナグラムだけだと挑戦できる幅がどうしても決まってしまっていたので、そこを広げたいと考えました。やりたいことが出てきたときに、社内にエンジニアを抱えていないがゆえに限界があったんです。要は今回のディールは双方にとって「足りない部分を補う」という感じで、環境を整えたということですね。
正直、最初聞いた時はびっくりしました。社内も相当ざわつきましたね(笑)だけど、人事・採用の点でメリットも感じています。例えば、今後は運用型広告という枠にとどまらず、マーケティング支援全体という文脈で新しい試みが増えたり、キャリアとして自分のやりたいことが出てきたなら支援できるよ、という話をメンバーに伝えていくことができます。会社の中で新しい道を切り開ける環境が整ったと感じています。
現場としても、運用型広告一本だったところから、LPを作ったり、コンサルのように深く入っていけるようになっています。いざとなったら「プロダクトを作りましょう」なんて話もできますしね。
ただ、いろいろできるようになることで「広告運用に特化したアナグラム」というブランドが薄れてしまうので、そこにはすごく気をつけています。どこまでが強みで、どこからがボトルネックになるか、その境目はすごく慎重に見極めていましたし、今も見極めています。ただ、1ついえるのは「クルー(メンバー)が誇らしく、ちゃんと働くことができる会社でいたい」ということです。
それはずっと言ってきたことですよね。
だから新しいプロダクトを作っていけるのも1つですが、やっぱりアナグラムとしての事業を伸ばすことが最も大事だし、その両軸でしっかりやっていく考えです。FF社にも我々にも、どちらが上でどちらが下みたいな感覚が一切ないので、補い合いながらシナジーを出せたらいいねとは話しています。
―ちなみに、現場レベルで何か変化は起こり始めていますか?
広がっている感じは間違いなくありますね。1つは、単純に支援できる内容が増えています。LPを作れることに始まり、広告以外の施策の相談に乗ることも増えています。もう1つは、同じ広告運用の仕事をしていても、「クライアントさまが中長期でみて健全に成長できるのか?」という視点を持つ必要性がより高くなりました。そういうゴールを意識できるようになると、同じ仕事をするにしても「質」が全く違うんです。マネジメント側としても、「そこまできちんと見きれないとだめだ」という話をするようになりました。
広告運用者の役割も変わっているように感じますが、どうですか?
それはありますね。今だと広告配信の設定は自動でできるからこそ、さらに成果を出すための「その次」が大事になっていると感じています。それは、広告で長期的にお付き合いできるユーザーをきちんと取れることに他なりません。お客様の提供するサービスは生活者のどんな課題を解決するのか、それをきちんと探り当てるためにも物事を立体的に見られて、かつ入口を広げていける人が求められていくと感じています。
ビジネスがどう回っているかが理解できていて、そこの解像度がいかに高いか、というところですよね。
そうですね。そのために必要なアンテナを立てやすくなっている、というのが今の環境だと思います。
―そういった変化の中にあっても、「変わらないこと」とは何でしょうか?
人を大切にする文化は全く変わらないですね。アナグラムのプロダクトは「人」だという考え方は変わりませんし、その思いは一層強くなっています。
採用の方針についても根本は変わりません。
もちろん。100人のそこそこのエンジニアよりも1人のスーパーエンジニアの方が生産性が圧倒的に高いとよく言われるのと同じで、「いい人」にどれだけアプローチできるかだと思っています。その時に、僕らの知らないことを知っているような、違う発想の人が集まってくる組織にはしていきたいですね。
あとは、目指す方向が一緒であることも大事ですよね。
そうですね。確実にいえるのは、僕らも体力がついてきているんです。時間軸の話として、例えば成長するまでに3年かかる人であっても、今ならきちんと評価できる余裕を持てるようになっています。長いスパンで見ていけるというか、そこに対して寛容な組織になってきました。だから、多様性を受け入れる器としてはさらに強化できているのかもしれませんね。
人がプロダクトだからこそ、人材の多様性が増すことで、会社としての幅も広がっていくと思います。
「運用型広告に特化したアナグラム」として成長をしてきましたが、今は組織として横幅を拡げるフェーズだと思っています。アナグラムのこれまでの知見が生かせて、新しい価値が提供できて、何かしらのシナジーを起こせるのだとしたら、極端な話、新たに始めるのはパン屋でもいいくらいに思っています。
パン屋ですか(笑)
うん、半分本気(笑)というのも、コロナウイルスでこんなことになるとは、誰も思わなかったですよね。それと同じで、どこで何が起きるのか、繋がるかはわからない時代になっている。わからないとなると、好きなことをやってもらうしかないわけで、それが令和の時代の会社のあり方であり、違うアプローチについて考えるという意味で、従来の資本主義に対する強い考え方へのアンチテーゼでもあると思っています。
―ちなみに、お2人が「やってみたいこと」って、どんなことでしょうか?
私はやりたいことができているんですよね。人に教えること、自分で考えて相手にぶつけることなど、物事を整理することが好きなので、コンサルティングやウェブマーケティングの仕事は自分に合っていると思っています。そのうえで、今まさに仕事の幅を広げていけるタイミングだからこそ、何かやりたいことがあるメンバーがいたら、みんなで知識を集めて議論をして形にしていけるような「場づくり」はしていきたいです。あとは、知見を伝えるという意味でも、成果を出しているプレイヤーのやり方を動画で残して、それを見ることで若い人たちが早くキャッチアップできるような仕組みが作れればいいなあ、なんて考えています。
高梨はどう?
社内には好奇心が強く、何かにのめり込んで働くような人が多いからこそ、そういう人たちが没頭できる環境を整えるための支援を、人事としてやりたいんです。アナグラムでのすべての仕事は一気通貫といった考え方に基づくので、ともすれば個人プレーに走ってしまいがち。だからこそ、横のつながりがもっと取れて連携していけるような、最適化ではなく最大化に繋がるような行動が起こりやすいサポートや環境作りも進められたらと考えていますね。
一気通貫でできて、さらに仕事の幅も広がっているので、全員でカバーし合うのはなかなか難しいと感じる時は多いですが、だからこそ「人を育てる」という部分においても、スムーズに情報共有していける方法は考えていきたいです。加えるなら、誰がどんな知識を持っていて、その人をどういうタイミングでどこに配置して全体設計していくか、みたいなことは、組織づくりにおいて大事なことだと思います。いろんな個性を持った人がいる会社だからこそ、そこはしっかり考えたいです。
そう。いろんな個性があっていいと思っています。「人の価値観を否定しない組織」こそが私の理想であり、日々実践していることですね。
―新型コロナウイルスによる影響と、現在の状況について教えてください。
緊急事態宣言が明けてからは、「週2日以内で1日上限14人まで出社可」みたいなルールは決めて進めていますが、基本的には個人の判断に任せるかたちにしています。ただ、自分の頭で考えて選んでもらうというのは昔からのスタイルなので、根本的には変わっていませんね。とりあえず「週5は出社がマスト」のような発想はゼロです。精神的な支柱としてオフィスはあった方がいいと思っているので、引き続き場所としては残し、活用していく考えです。
コロナウイルスで一番変わったのは、「メッセージの出し方」ではないですか?
それは間違いないね。いろんなかたちで私からメッセージを発信する機会を増やしています。それこそ、アナグラムの創業史を毎回1万字ちかくのメッセージを20話くらいまでSlackにあげたり(笑)。人伝いになんとなく聞いていそうなことや、聞かれてないから話していないようなことを、いいタイミングだと思ってどんどん出していますね。それこそ「なぜ社名がアナグラムなのか」「ロゴに込められた意味」みたいな話をじっくりと語っています。
1つ1つのテキスト量が半端ないので、「胃がもたれる」と言うメンバーもいたくらい濃いものばかりですよね(笑)
そこは認めます(笑)
マネージャー陣もメッセージを出す頻度は増えていますよね。
私自身もそこは意識しています。自分が働く意味をどう捉えているのか、どんなパッションで仕事をしているのかといったことをメンバーに伝えたいと思って発信していますね。伝えようとすることが大事で、誰かが反応してくれたらそれが嬉しい。くらいの気持ちで、信じてやり続けようというか。
まさに「打席に立ち続ける」といううちの文化ですね。
そうです!
コロナショックを機に、ではないですが、みんなのライフステージを一層支えていけたらという思いは強くなっています。例えば、遠隔も可能だとわかった今だからこそ、移住したいなら背中を押したいですし。家庭の事情に限らず、働き方の多様性には対応していきたいですね。場所は問わなくなりつつあるからこそ、リモートで全国から人を採用するといったことも考えていけると思っています。
―あらためて、どんな人と働きたいですか?
先ほどの小山の話にあったように、お客様が気付けていないことにちゃんと話を向けられて、ただ見つけるだけじゃなくて、それを解決まで伴走できる人。これは今までもずっとやってきたことですが、できることの幅を広げている今、より一層大事になることだと思います。なおかつ、自分のやりたいことが会社の方向性と合っていて、自分の持っている可能性をお客様に提供しながら一緒に伸ばしていきたい人、という感じでしょうか。
すごく大事なことだし、間違いなくこれから必要になっていく力ですね。
これまでは「広告運用ができればすぐにお客様が持てる」とか、「この業界の知見が今まさに必要」という感じで採用をしてきた部分はあったんです。でも、先ほど阿部が会社の体力の話をしていましたが、もっと長期的に見ていけるようになったからこそ、アナグラムの目指す方向性と、その人のやりたい方向性をもっとちゃんと見て、「組織にとって本当に必要な人」を採用していく考え方は強くなっていくと思っています。
仕事の面でも、頭をフル回転させて、実際に手も動かして数字を出していくような仕事が好きな人にとっては、できることが広がっている分、チャンスはたくさんあると思います。そういう仕事が好きな人同士で議論するのも、すごく楽しいですしね。
逆にうちに合わないのは、プライドが高い人。わからないことを人に聞けなかったり、自分ができないことを認められない人ですね。安定とか、黙っていても何かが降ってくることに期待するような人には、ちょっと苦しい環境かもしれません。
あと、うちは売上ノルマがないので、自立性は強く求めたいですね。変化の大きい時代だからこそ、その時々のタイミングに合わせて自分の動きを考えたり、求められるポジションを考えるのが苦にならない人なら、楽しめると思います。会社を取り巻く環境も変化していますし、それによって選択肢も増えているので、自分から楽しんでほしいです。
その通りですね。まさにドラスティックに社会も会社も変わっているからこそ、一緒に変化を楽しみながら、新しいアナグラムを一緒に作っていきましょう。
担当ライターから
FFグループへのジョインや新型コロナウイルスの影響など、アナグラムを取り巻く環境はものすごい勢いで変化し続けている。それにともなって新しいチャレンジが着々と進んでいるが、同社がずっと大事にし続けている「軸」は1つもブレていない。それは、アナグラムのプロダクトは「人」だということ。
今回の融合によって、アナグラムの広告運用やマーケティングのノウハウに、FF社の技術力・プラットフォーム適合力を組み合わせることが可能になる。「マーケティングを通してより豊かな未来を創造する」というアナグラムが創業以来追求し続ける理念の実現に向けては、これを機にさらに加速するだろう。目まぐるしく進化し続ける広告業界において、その存在感はますます大きなものになりそうだ。
「ノルマがない」という働き方からもわかるように、自主性を重んじる文化が根付いているのが、アナグラムの一番の魅力。自分の働き方を自ら選択していきたい人には、これ以上の環境はないのかもしれない。
アナグラム 株式会社資本金1000万円設立年月日2010年04月従業員数100人
真に価値のあるマーケティングで、豊かな社会を創造する。運用型広告を強みとするマーケティング支援会社。
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