株式会社リセ

株式会社リセは、契約書のレビューと作成をAIが支援するサービス『 LeCHECK（リチェック）』を提供するリーガルTechカンパニー。中小企業でも導入しやすいよう“合理的な価格”に強いこだわりを持ち、サービス提供を通じて企業間紛争を減らす思いを胸に、ビジネスを展開している。

契約書レビュー支援AIクラウド『LeCHECK』には様々な機能が備わっている。自動的に契約書をチェックし、リスク箇所を指摘。それが「なぜリスクなのか」の説明と修正するべき観点を解説。合わせて、各分野の専門弁護士監修による修正文案を提示する。

「契約書レビュー支援AIクラウド『LeCHECK』は、30名以上の各分野を専門とする弁護士により、最高品質レベルのレビュー支援をAIで実現しています。当社代表も日本最大級の国際総合法律事務所の一つでパートナーを務めた人物。彼女の18年間の弁護士としてのノウハウを基礎に、実績ある弁護士が監修に参加しているのが、当社のプロダクトの強みです」（CHRO・齋藤氏）。

契約書作成支援機能も充実。契約書ひな型テンプレートから、自社に不利とならないような契約書を作成することができる。日本語の契約書以外にも、英文対応の契約書も用意。英文契約書チェック機能も搭載しており、自動翻訳機能や作成支援機能もある。

「英訳するだけなら翻訳ソフトで済みますが、法律の世界は独特の言い回しや専門用語が沢山あるため、契約書レベルの英文は一般的な翻訳ソフトでは難しいといわれています。当社のプロダクトには、英語をネイティブとする弁護士も参加しており、代表の藤田は日本だけでなくアメリカ・ニューヨーク州の弁護士資格も有する国際派。日米の企業間紛争にも関わってきた経験があります」（齋藤氏）。

また、過去の締結済み契約書を保管関連資料と一緒に、安全かつ簡単にクラウドにアップロードでき、紛失のリスクを軽減。相手先や組織、契約類型等、自由にタグを設定して、契約書を探す時間を短縮。契約期間終了前のアラーム機能で、契約更新を忘れるのも防止する。

「契約書の作成からチェックまで必要な機能がオールインワンで備わっているSaaSが、月額数万円から利用できます。AIテクノロジーを使えば品質を担保しながら、合理的な価格で『リーガルチェック』を提供することができる。当社の創業の思いは、最高の法律助言を、最先端の技術で、合理的な価格で提供 です」（齋藤氏）。

リーガルテックの世界において「契約書AIレビュー」のサービスは同業他社も少なくない。その中で、同社は専門弁護士の知見とAIなどの最先端技術を活用し 「中小企業から大手企業まで様々な規模の企業や法律事務所」に利用されている。

企業の事業活動や商取引には、将来的に損害賠償を請求される等のリスクが潜んでいる。特に海外との取引においては、日本国内での取引以上にリスクがある。法務は会社を守るための防具。法務を充実させれば、リスクを大幅に減らすことができる。しかし、弁護士に契約書の内容をチェックしてもらうのは、相応のコストがかかる。

「企業活動におけるリーガルリスクは年々多様化しており、契約書の確認で膨大な時間や人員を割くよりも、テクノロジーを活用をすることで、業務を効率化し、より重要な業務に時間や人員を割り当てることで生産性向上が可能になります。また、中小企業には、弁護士に契約書レビューを依頼する予算がないところも多く、法務部も一人であらゆる仕事をこなしたり、あるいは総務や人事等のバックオフィス業務と兼務したりという企業も少なくありません。そんなリーガルチェックにコストをかけられない中小企業にも、合理的な価格で提供することで専門弁護士の知見とテクノロジーの力で、取引に潜むリスクを減らし『争いのない「滑らかな」企業活動の実現』 が当社のミッションです」（齋藤氏）。

「事前に契約書を弁護士がチェックする商習慣が、日本には浸透していません。国内の企業のうち、90%以上が中小企業ですが、その中にはコストの問題で法律の専門家の目を通さずに契約を結んでいる企業も多いはずです。グローバル経済が一般化し、海外企業と取引が増える中、弁護士による契約書のチェックは、不可欠なリスクヘッジとなります。当社の『LeCHECK』は既に2,000社で活用されていますが、まだまだマーケットの規模は伸びることが予想されています」（齋藤氏）。

契約書AIレビューの市場開拓を加速させるため、同社は業界特化パッケージ搭載のプロフェッショナルプランの提供を開始した。各業界の第一線で活躍する弁護士の監修により専門性の高い業界特有のノウハウを盛り込む。その第一弾として2024年1月、「化学メーカー業界特化パッケージ」をリリースした。

「契約書は業界によって特色があり、業界専門の弁護士もいます。契約書AIレビューのマーケット拡大の施策として、専門的な知見のある弁護士の監修で、業界に特化したサービスを立ち上げました。今後も業界に特化したオプションを開発するとともに、『LeCHECK』のサービスを今後も積極的にブラッシュアップを進めます。現在は、2週間に1度のペースでアップデートしています」（齋藤氏）。

2018年6月に創業した同社は、2023年末、新たに18億円の資金調達を実施。累計で28億円の資金を得ている。導入社数も前年比約1.8倍の成長を続け、社員数も2023年に前年比約1.7倍になる等、事業と組織の拡大を加速させている。
目前に広がるブルーオーシャンで同社が存在感を示すため、人材確保を急いでいるのは、エンジニアとセールス。調達した資金を使って、優秀な人材を積極的に雇用していく方針だ。

「当社のビジネスはいわゆるSaaSなので、セールスは4つのチームに分かれています。Webマーケティングとインサイドセールスとフィールドセールス、そしてカスタマーサクセスです。2023年に60名を採用し、40名だった組織は100名を超えました。業界全体でマーケット開拓中ですから、セールスチームを強化すれば、ダイレクトに売上へ反映されます。マーケットシェアを高めるために、セールスチームの強化は不可欠です」（齋藤氏）。

2023年12月には、本社を神田にある複合型オフィスビル内のフレキシブルオフィスへ移転。本社は神田・神保町エリアに位置し、秋葉原やお茶の水も徒歩圏内。様々なカルチャーがクロスする熱気とエネルギーに溢れた町。複数路線が利用できる抜群のアクセス環境があり、ビルの内外には多数の便利な施設や店舗が軒を連ねている。

「会社の成長スピードが速いことから、柔軟にオフィスの増床ができるフレキシブルオフィスを選びました。今のペースだと、2年以内に次のオフィスへ引っ越す事態も想定されます。フレキシブルオフィスならオフィス移転せずに、スペースを広げられます。成長の真っ只中にある当社にピッタリでした。働きやすいオフィス環境は、福利厚生の一環でもあります」（齋藤氏）。

同社の社員は20代から50代まで幅広く在籍しており、男女比率は6:4と少し男性が多め。法律に関するサービスを扱っているためか、ベンチャー企業にしては落ち着いた佇まいの企業カルチャーが特徴だという。

「大人ベンチャーな雰囲気の会社です。働き方も落ち着いており、残業をして目一杯働くよりも就業時間内の生産性を高めるのを重視します。残業代は1分単位で全額払います。リーガルTech企業なので、遵法精神やコンプライアンスの意識は、他のベンチャー企業よりも高いと思います」（齋藤氏）。