株式会社woodsmall

ITエンジニアが自分達の持つ技術力を提供するビジネスモデルであるSES（システムエンジニアリングサービス）。多くのシステム開発会社がSESを事業の中心に据えており、長きにわたって日本のIT業界を支えてきた。SESで働くITエンジニアも沢山いるが、SES事業の立ち上げフェーズに参加した経験を持つ者は少ない。

2012年11月に設立された株式会社woodsmall（ウッズモール）は、12期目に入った2024年、SES事業を“実質的に”立ち上げるべく、ITエンジニアを広く募っている。

同社はこれまで、創立者である小林高志氏が、独力で会社を続けてきた。アプリエンジニアである小林氏は、その技術力をクライアントに買われ、様々なプロジェクトに関わり、数多くのiOSアプリ・Androidアプリを世に送り出してきた。

「私はアプリエンジニアの第一世代。スマートフォンが物凄いスピードで普及して、iOSアプリ・Androidアプリがどんどん進歩する姿を、開発の最前線で見てきました。アプリエンジニアになりたくて当社を創業し、これまではほぼ一人で会社を運営してきました。50歳を目前にして、会社を次の世代にバトンタッチしたくて、12年目のチャレンジとしてSES事業を新しい形にデザインし直すことに決めました」（代表取締役・小林高志氏）。

12年間、同社を経営してきたとはいえ、小林氏の働き方はフリーランスエンジニアに近いものがあった。SES会社として事業が軌道に乗るまでは、フリーランスのような自由な働き方をしながら、営業や技術をシェアしてバックオフィスの業務も会社で担当する形を目指している。

「SES事業を拡大するとしても、最初は今まで通り、私もエンジニアとして現場で活動します。ただ、エンジニアのキャリアも年齢を重ねると頭打ちするもの。同じようにセカンドキャリアを一緒に築きたい同世代のエンジニアと、私達が培ってきた技術力やノウハウ、経験を受け継いでくれる若い世代を募集しています」（小林氏）。

同社は、小林氏がアプリエンジニアとしてSESでクライアントワークをする傍ら、自社でアプリを開発してきた。一時はアプリの収入が会社の売上を支えていた時期もあり、現在もSES事業と並ぶ事業の一つである。

同社が開発するスマートフォンアプリには、大きな特徴がある。それは、スマートフォンを購入すれば初期状態でインストールされているアプリ。電卓やメモ帳、タイマー、QRコードリーダーといったアプリなのだ。

「スマートフォンに最初からインストールされているアプリは、誰もが使うと想定されているから初期インストールされているわけです。つまり、そこにはユーザーニーズが潜んでいると、私は考えます。一方で、初期インストールされているアプリは、一通りの機能は搭載されていますが、今一歩踏み込んだアプリを開発すれば、より日々の生活が便利になります。当社は、スマホ向けアプリの提供を通して便利な生活を演出したいと考えています」（小林氏）。

例えば、同社が開発する電卓アプリは、普通の計算はもちろんのこと、消費税等の税金の計算や、割引・値引きも簡単にできる。メモリー機能を搭載し計算履歴を見ることができる。

「計算結果は全て保存されるので、過去の計算式をいつでも閲覧可能です。入力内容はアプリ終了後も保存され、次回起動時、同じところから再開できます。ウィジェットに対応、ホーム画面でアプリと同じことが可能。パーセント計算に対応しているため、消費税の計算も簡単です。一方で、『定数計算』『べき乗計算』『複利計算』等の高度な計算にも対応しています」（小林氏）。

どのアプリも基本的に無料で提供している。ただ、拡張プラグインを購入することで広告を非表示にできたり、動画広告を再生することで一時的に広告非表示にできたりする。

「自社アプリ開発事業は、広告収益モデルで運営しています。無料アプリのマネタイズは工夫が必要なのですが、私は長年の経験でそれを熟知しています。そもそも、App StoreやGoogle Play ストアへのアップロードにもコツがあります。クライアントにそのノウハウも合わせて提供できるのは、アプリエンジニアとしての私の強みだと自負しています」（小林氏）。

前述した通り、今回のエンジニア募集は、同社にとって新たな挑戦であり、新章の始まりといえる。小林氏が一人で続けてきたSES事業を拡大。WEBエンジニアとアプリエンジニアを中心にメンバーを集め、次の同社を作り上げていく。

働き方は、フルリモートを予定。SESでは実際の勤務形態はクライアント次第になることもあるが、フルリモート案件を選ぶことで、通勤から解放された働き方も構築可能だ。

「近年はフルリモートOKの案件も増えています。エンジニアという仕事はリモートワークに向いている職種だと考えているので、フルリモートで働きたい人材を広く募っています。メンバーが10人を超えるまでは、オフィスを構えずに全員フルリモートで働くつもりです。私もまだまだ現場でエンジニアとして活躍します。メンバー数が10人になったタイミングでオフィスを設けて、自社のエンジニアが集まれる場所を作りたいです」(小林氏)。

働き方に関して、同社では「残業、徹夜、休日出勤、全面禁止」をうたっている。エンジニアが過重労働で心身の健康を損なうのを見てきた小林氏の思いが込められている。

「クライアントの都合もありますから、ある程度の残業は仕方ないですが、徹夜と休日出勤は断固阻止の方針です。今の時代、徹夜と休日出勤が発生するのは、スケジュール管理に不備があるから。そんな事態になったら、会社がクライアントと話し合います。エンジニアに押し付ける真似は絶対にしません。私もエンジニアですから、常にエンジニアの立場に立ってクライアントとの関係を構築します」(小林氏)。

同社がエンジニア採用を積極的に進め、メンバーを増やすのは、自社アプリの開発を続けたいという思いもある。小林氏は、スマートフォンアプリ開発の最前線で活躍してきた人物。そのノウハウを次世代に繋ぎ、自社アプリ開発で後進のエンジニアが楽しい仕事をできる土台を築きたいと考えている。

「メンバーが増えて余力が生まれれば、自社アプリ開発も再度、力を入れていきたいと考えています。当社は、スマートフォンアプリ開発のために生まれ、荒波を乗り越えてここまで続けてきました。私の代で終わらせるのではなく、次の世代に会社のノウハウをバトンタッチしたい。そのために、一緒に会社を作り上げてくれるシニアエンジニアを求めています。そして、もちろんその会社を受け継いでくれる若手エンジニアも！」(小林氏)。