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株式会社ジェイ・エス・ビー

  • 不動産・建設系
  • コンサルティング・リサーチ

東証プライム上場。時代とともに変化し続ける学生マンションのパイオニア企業!

上場
シェアトップクラス

企業について

株式会社ジェイ・エス・ビーは、京都市に本社を置き、全国規模で学生マンション事業を展開する東証プライム上場企業だ。1976年、京都市で下宿仲介業をスタートして以来、学生向け不動産賃貸業のパイオニアとして持続的な成長を遂げてきた。現在はマンションの企画・開発から入居者の仲介・斡旋、入居後のサポート、建物管理までをトータルに手掛ける学生マンション総合プロデュース企業として経営基盤を確立している。

学生マンションとは入居者を大学生や専門学校生などの学生に限定し、学生生活を送るための様々なサービスや設備を付帯したマンションである。その学生マンションの建設を、大学の周辺地域に土地を持つ地主に提案し、マンション完成後は仲介業者として一括借り上げをし、入居者の募集から管理サービス、入居者対応を請け負う。それが同社のビジネスモデルだ。同社が「UniLife(ユニライフ)」ブランドで展開する仲介店舗は北海道から沖縄まで全国に90店舗。管理戸数は約8万6,000戸に及ぶ(2023年4月末現在)。その数字は全国展開する主な同業者3社の合計とほぼ等しい。学生マンション業界では首位、賃貸住宅全体の中では9位(24年1月1日付「全国賃貸住宅新聞」)だ。

最大の特徴は“安心・安全・快適”なサービスメニューだ。1人暮らしをする上で発生するトラブルや健康面などの相談に対応する『24時間365日学生マンショントータルサポート』、オートロックや防犯カメラ、宅配ボックス、暗証番号式キー、モニター付きインターフォンなどをセットにした同社オリジナルのセキュリティシステム『UMSS(UniLife® Mansion Security System)』、食事付き学生マンションや家具家電付きデザインルームなど、学生や保護者に寄り添ったサービスメニューを開発し提供し続けている。
このようなサービスは、入居する学生だけではなく、子供を送り出す保護者にとっても大きな安心材料となる。サービスが充実している分、同社が管理するマンションの家賃は相場よりも5,000円程度高い設定だが、ほぼ満室状態を維持。管理戸数は毎年2,000戸から6,000戸ずつ増やし、過去10年間は増収増益が続く。

現在、自宅外に住む学生の数は全国で約170万人。その約90%は、大学の学生寮や昔ながらの下宿、地域の不動産会社が仲介する賃貸物件などに入居している。学生マンションに入居する学生の割合は10%前後だが、少子高齢化が進行する中で子供1人あたりの養育費は増えていること、進学率が上がり大学生の数も増えていることから、今後も継続的な需要拡大が見込まれる。

その一方で、学生マンションは、一般の賃貸住宅と比べて特殊な市場だ。入居・退去の時期が毎年決まっており、10月から予約が始まり本格的な入試シーズンの1月から3月にピークを迎えるというサイクルだ。退去時期の予測が難しい一般の賃貸住宅と比べ、無駄のないサイクルで事業展開ができる。だがその反面、独特なマーケティング手法が求められるため、大手であっても参入がしづらい市場でもある。特にWeb集客では、長年研究を重ねてノウハウを培ってきた同社が、圧倒的なアドバンテージを握る。このような市場背景と優位性のもと、同社は今後も管理戸数を増やしながら、サービスを拡大する計画だ。

取締役・林健児氏は、同社が行う学生マンション事業の特性について、次のように語る。
「当社が展開する学生マンション事業は今後も着実に伸び続けます。ただし一気には伸ばせません。現時点においては、年間で増やせるのは最大で6,000戸です。それ以上増やすと様々な局面で無理が生じます。将来的には18歳人口が現在の8掛けになるとも言われていますので、バランスを考えながら伸ばしていく必要があります」

そういった中、同社が長期的な視野で目指しているのは、“学生向け総合サービスプラットフォーマーへの進化”と、現在、国内のみで展開している「UniLife(ユニライフ)」を学生マンションのグローバルトップブランドに成長させることだ。

2020年に発生したパンデミックのもとではオンライン授業が普及し、現在ではリモートと通学を組み合わせたハイブリッド型の授業スタイルが定着した。将来的には場所に囚われずに学べる時代になる可能性もある。万が一、そういった時代になれば、学生マンションの存在意義は失われる。同社はそういった可能性をコロナ禍以前から予見し、学生マンション事業を住まいの提供からサービスの提供へと進化させることを模索してきた。

「マンションに入居する学生の数が増えれば情報が集まってきます。その情報を生かしたサービスの拡充を考えています。2022年に京都市の学生マンションでスタートした『学びのマンション』はその一例です。就職活動、パソコン、生活の知恵など社会にでる前の学生に多くの学びを提供するマンションで、現在は大阪府にも展開し合計3棟になりました。将来的には“合格した大学に通うためのマンション”ではなく、“ユニライフの学生マンションから通える大学に行きたい”と言われる存在を目指したい。そのために箱物的な魅力ではなく、生活や時間の質を高めるためのトライアンドエラーを繰り返しています」(林氏)。

一方、グローバル展開に関しては、欧米を中心とした展開を模索してきた。社内の調査によると、現在、同社が管理する約8万6,000戸という数字は世界4位。トップはアメリカの会社で約15万戸だ。学生マンションの市場が大きいのは、レベルの高い大学が立地する欧米諸国で、特にイギリスとアメリカの市場が大きい。大学の状況、国の政策、開発可能性などマーケットの状況をみながらどこから攻略するか検討中だ。将来的には“学⽣マンション事業で世界No.1、誰にでも知られる存在に”なることを目標に掲げる。

こういった長期ビジョンを達成するため、同社は現在、社内体制の再整備を行っている。同社の事業は、仲介店舗における賃貸営業やメンテナンス、入居者管理に加え、物件の企画開発やWebマーケティング、システム開発、バックオフィス業務など、同社の事業は幅広い業務で成り立っているが、上場準備を始めた2015年以降、急激な事業拡大に伴い人手不足も加速した。そこで、IT化やDXに積極的に取り組み業務の効率化を図る一方、幅広い職種を対象にキャリア採用にも注力してきた。今後もさらにその取り組みに拍車をかける方針である。

現在、同社において特に重要性が高まっているのがDXの推進である。もともと厳格な法律や、地主の高齢化といった諸条件によってIT化やデジタル化が進まなかった不動産業界にあって、SFAやRPAをはじめ、業務のデジタル化には率先して取り組んできた。新型コロナウィルス感染症が猛威を振るった2021年には、入居を検討している学生や保護者がセルフで部屋を見学できる仕組みを真っ先に取り入れ、IT重要事項説明や電子契約にも全面解禁される前の試行段階から着手するなど、時流の変化に合わせた動きも早い。2030年に向けた長期ビジョンの中では“人間性とテクノロジーの融合”を掲げており、これまで以上に、学生へのサービスや業務の中で積極的にIT化、デジタル化を推進していく計画だ。

そういった取り組みを加速するため、同社は現在、システム開発のスキルと業務のデジタル化に対するアイデアを持った人材の採用と育成に注力している。開発は外部のベンダーに委託しているため、各部門に対するコンサルティングをもとに施策を練り上げ、開発や導入の推進を主なミッションとするポジションだ。

同社の魅力は社員全員で1つの事業を作り上げようとする企業風土だ。初代社長の頃から全社員による事業運営を指向し、本部と店舗、または部署間、あるいは役員と一般社員といった壁のない、一体感のある企業文化を醸成してきた。それは約1,200名規模の東証プライム上場企業となった現在も変わらない。

「“仕事をとことん楽しむ”という社是も自然に浸透しています。毎年祇園祭の季節に、3日間、マンションのオーナーやデベロッパー、金融機関などの取引先を接待するイベントを開催しています。屋台を出したり、サーブしたり、社員が主体となって手作り感のあるおもてなしをしています。また、繁忙期にはポジションに関係なく現場を手伝いなど全員で一つのことに取り組むため、1,000人を超える組織でも他部署に知り合いが多く、人間関係は良好です。意地悪をされたと言う話も聞いたことがありません」(林氏)。

店舗やバックオフィス、システム部門など、幅広い職種で構成された同社だが、部門やポジションを問わず同社が求めるのは、こういったカルチャーを共有できる人材だ。中途で入社したばかりの社員にとっては、部署間の垣根の低さや、社員同士の距離感の近さに戸惑うこともあるかもしれないが、新卒社員の研修への付き添いや社員旅行、各種イベントへの参加など、同社のカルチャーに溶け込む機会は豊富に用意されている。

その一方で、長期的なビジョンを達成するには、従来の同社にはなかったスキルやノウハウも必要となる。同社のカルチャーに共感しつつ、これまで社会人として培った知識や技術、経験を生かし、同社の進化に貢献できる人材が求められている。

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インタビュー

株式会社ジェイ・エス・ビーのインタビュー写真
取締役 DX推進本部・高齢者事業本部・IR担当 林 健児氏 1993年4月、石油会社へ入社。2000年12月、経営コンサルティング会社に入社。カーディーラー、建築会社、ハウスメーカーなどを担当し戦略立案や社内制度の構築、業務マニュアルの作成などに従事。2009年10月、コンサルタント時代に担当した株式会社ジェイ・エス・ビーに入社。総務部長を経て、2011年1月、取締役就任。メンテナンス事業本部、西日本企画開発部、管理本部の本部長など、幅広い部門のマネジメントを担当し現在に至る。

── 前職のコンサルティング会社で、ジェイ・エス・ビー社を担当されていた時はどのようなお仕事をされていたのですか。

前職時代に私がジェイ・エス・ビーを担当していたのは2001年から2004年までの4年間です。人事制度の構築や業務マニュアルの作成、ISO認証の取得など、様々な業務を担当しました。

マニュアルを作る際には、3日間ですが、現場の業務も経験しました。学生マンションは3月末に入退去の入れ替わりがあります。その際に、お客さんと一緒に室内をチェックして、修善箇所の有無を確認し、修繕費の同意をいただく業務に立ち会わせていただきました。また退室後の掃除や検収作業を行う「鍵閉め」という業務も経験しました。

そのような経緯がありましたので、社内のことはよく知って... 続きを読む

企業情報

会社名

株式会社ジェイ・エス・ビー

業界

不動産・建設系 > 不動産賃貸・仲介・管理

コンサルティング・リサーチ > その他コンサルティング系

不動産・建設系 > 不動産賃貸・仲介・管理

企業の特徴
上場、シェアトップクラス
資本金

42億6,441万円

売上(3年分)

202310637億円

202210579億円

202110527億円

設立年月

1976年12月

代表者氏名

近藤 雅彦

事業内容

・学生会館・学生寮・学生専用マンションの企画開発
・学生マンション及び大学福利厚生施設の経営コンサルタント
・マンション・学生寮・ビルの運営管理業務
・住宅・学生単身生活情報誌「学生下宿年鑑」の出版
・プロパティマネジメント業務
・損害保険代理業務
・インターネットによる情報提供

株式公開(証券取引所)

東証プライム

従業員数

1191人

本社住所

京都府京都市下京区因幡堂町655番地

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