御社に新規でご相談に来られるお客様はどのような課題を持っておられるのでしょうか。
当社へご相談に来られるお客様の多くは、中堅企業がメインであり、既にERPを導入されている企業が多いです。 また、内容としては大きく分けると2つです。 ・結果的に高額な計算機になってしまったERPのサルベージ ・ERP導入をトリガーとして、より高度な改善や利活用への活動 ERPは非常に難しい概念を持った思想だと思っております。ですのでERP導入も難易度が当然あがってきます。なぜなら、システムを作り上げながら、ルールや文化を変えないといけないからです。 これは自戒を込めてですが、過去ERPコンサルタントとして我々は本当に正しいERPを入れてきたのか?というのがあります。 今となって言い訳もたくさんありますが、やはり”ERPの思想の導入”ではなく”ERPシステムの導入”になってしまったのが多いのも事実です。 アルベナはこういった課題を踏まえて、中堅企業に特化し、ERPの利活用を推進する企業として誕生しました。
これまでのキャリアの中でご紹介いただける成功事例はございますか。
そうですね、成功を2つの視点で考えると、 1つ目は導入という視点です。 あるERP導入プロジェクトを予算もない中、少人数でやり切った事は一つの自信につながりました。 通常よりもほぼ半分の人数です。1人が担当するエリアも多くかなりきついものではありましたが、その後はほぼバグも少なく動いてくれた時はとても嬉しかったです。 2つ目は利活用という視点です。 ある企業ではMRP(資材所要量計画)が正しく活用できない事例があり、それに向けて活用できるために小さな改善プロジェクトを立ち上げました。システム設定としては小規模ですが、MRPの考え方を啓発したり、ルールを作ったりといういわゆる業務改善を実施し、最終的に数字にも改善結果が現れました。この瞬間ERPの利活用という新たな道を模索し始めたのを今でも覚えております。
お客様をやる気にさせて動かすだけではなく、ご本人も動くのですね。
その昔、コンサルタントは「知識」を売りにしていた事がほとんどでした。でも最近は情報が溢れ、それこそ検索やChatGPTで知識の優位性は薄れてきています。 現代のコンサルタントは、ソリューションを作ることも重要ですが、お客様と一緒に汗をかいて、一緒に悩んで、一緒に会話の壁打ちする事が役目だと思っております。お客様はぼんやりと方針を持っていたりします。でもそれはまだ輪郭がはっきりしていません。ですので、会話の壁打ちをする事で、その輪郭をはっきりさせてあげるのです。しかし壁打ちは、壁がすぐに壊れるようでは壁打ちにはなりません。だから我々は、壊れない壁になることが重要です。話術を含め、お客様が壁打ちできるスキルを持っている必要があります。
ERPコンサルティング以外の事業展開も考えておられますか。
現在主軸はERP事業ではありますが、この知見をベースにさまざまな事業投資はしていきたいと考えておりますし、社員にも新規事業をたくさんチャレンジしていきたいと思っております。 最近ではベトナムに会社を設立する事が決まり、5月より運営開始されます。ERPに関するシステム開発の会社とはなりますが、設立2年目で開発拠点が出来た事はありがたい事だと思っております。 私個人は、ERPコンサルタントを育てるための学校や塾が作りコンサルタントの質を上げていきたいと思っております。 パッケージを使ったシステム構築技術ではなく、プロジェクトの立ち上げ方、進め方、そしてどうやって企業を変えるべきか?そういう事を学生の時から伝えていけると良いと考えております。
御社の行動指針をお話しください。
社内では心理的安全を守るグランドルール5箇条と、コンサルタントとしてのプライド3箇条を定めています。 それぞれの詳しい内容はここでは述べませんが、重要な事は自由と規律のバランスが大事だと思っております。 一つだけ、コンサルタントを評価するのはお客様であり、自分自身ではございません。 そこには技術力以上に人間力が問われる事が多いと感じております。 人間力をつけるには、まず色々なジャンルの人とコミュニケーションを取ることが一番の近道だと思っております。ですので、外部とコミュニケーションすることについては、会社としても積極的に推進をしている次第です。 ITは日本の生産性を左右する重要なファクターです。そうであるからこそ真のITコンサルタントが必要とされる時代であり、また日本が世界に打ち勝つために最も必要とされている人材と言えるでしょう。日本の生産性向上に真っ向から立ち向かうそんなコンサルタントを我々と一緒に目指しませんか?